【セミナーレポート】PIM×DAM×EC連携が変える、売れる組織の作り方

2026年5月19日、GMOメイクショップ株式会社は、株式会社ビジュアル・プロセッシング・ジャパン様との共催ウェビナー「EC担当者が更新業務に追われる理由は『商品情報と販促コンテンツの分断』にある 〜 PIM×DAM×EC連携が変える、売れる組織の作り方 〜」を開催しました。
EC担当者が日々直面する更新業務の課題に正面から向き合い、その解決策としてPIM(商品情報管理)とDAM(デジタルアセット管理)をECと連携させるメリットを、両社の高橋が解説しました。

本レポートでは、ウェビナーで語られたPIMとDAMの基礎知識から、実際の業務改善デモンストレーション、そしてそれがEC事業の売上向上にどう繋がるのかまでを詳細にお伝えします。煩雑な更新作業に追われるEC担当者の方、そしてECサイトのさらなる成長を目指す方にとって、新たな視点と実践的なヒントが詰まった内容です。

イベント概要

開催日時 2026/05/19 12:00
登壇者 高橋 裕樹氏(株式会社ビジュアル・プロセッシング・ジャパン 営業本部 マーケティングセールス部 マネージャー)
高橋 和夫(GMOメイクショップ株式会社 エバンジェリスト)

第1部:なぜEC担当者は「売る前」で消耗するのか

ディスカッションの最初のテーマは、EC担当者が「売る前」に多くの時間と労力を費やしてしまう現状についてです。当社高橋もEC店長時代に感じていたという「日々忙しい更新業務」の実態を、VPJの髙橋氏がPIMとDAMという視点から掘り下げました。

PIMとDAMの基礎知識:データ管理の課題と解決策

まず髙橋裕樹氏が問題提起したのは、多くの企業が抱えるデータ管理の課題です。商品情報(SKU、仕様、価格)がExcelやファイルで散在し、最新版が不明であること。画像や動画も複数版が存在し、どれを使えばいいか迷うこと。さらに、EC、カタログ、営業など複数の部署で同じ修正作業が何度も発生し、改訂履歴や反映状況が不明瞭になるケースが少なくありません。
これらが「探す・配る」といった情報提供の手間を重くし、結果として作業効率や生産性の低下、掲載間違いによる信頼性の低下、ひいては商品訴求力や売上の低下につながると指摘しました。

これらの課題を解決するのが、PIM(Product Information Management:商品情報管理)DAM(Digital Asset Management:デジタルアセット管理)です。

  • PIMは「商品定義・説明する情報」を管理します。具体的には、商品説明、価格情報、オプション情報、企画情報、スペック情報、キャッチコピーといったテキストデータが主な対象です。
  • DAMは「売るためのコンテンツ」を管理します。WEBバナー、設計書、デザインソース、画像、動画、事例集、POP/カタログ、写真、イラスト、図表など、ビジュアルアセット全般が含まれます。

髙橋裕樹氏は、PIMとDAMは「右手と左手」のような関係であり、どちらか一方が欠けても営業やプロモーション効果は半減すると強調しました。両システムが連携することで、商品情報と販促素材をSKU単位で紐付け、一括出力やEC連携、更新漏れ防止、チャネル最適化、検索性向上といったメリットが実現されます。

ビジネスプロセスにおけるDAM/PIMは、開発・商品部門、販売部門、協力会社、基幹システムなどから必要な情報を「収集」し、PIMで商品情報、DAMでアセットを「管理」し、そしてWEB/EC、動画配信、SNS、紙媒体、取引先へと「配信」する基盤となります。しかし現状では、多くの企業でこれらの情報が一元管理されず、ファイルサーバー、クラウドストレージ、個人PC、ECパッケージ、Excelなどで分断管理されており、これがEC担当者の大きな負担となっていると分析しました。

DAM/PIM市場の成長と高い投資対効果(ROI)

DAM/PIM市場は世界的に拡大しており、DAM市場は年率約14~18%、PIM市場も約12~16%の成長を続けています。これは、画像・動画資産の増加、ブランド統制の必要性、EC強化、多チャネル化、SKU増加、商品情報の複雑化といった背景要因が複合的に絡み合っているためです。
もはや特別な投資ではなく、少人数で多くの情報量を扱う企業ほど必須の基盤となりつつあると髙橋裕樹氏は述べました。

DAM/PIM市場の世界的な拡大と導入実績・効果イメージ

📎 スライド29:DAM/PIM市場の世界的な拡大と導入実績・効果イメージ

実際、DAM/PIMは多岐にわたる業種で高い投資対効果(ROI)を発揮しています。

  • 流通業界のY社では、年間約5,000万円のROIを実現し、商品部門の問い合わせ対応コスト削減やECサイト・モール配信時の手間・時間削減に成功。
  • 製造業界のH社では、年間約1,060万円のROIで、製品コンテンツの管理・検索・共有を円滑化し、印刷・制作会社への画像変換依頼コストを削減。
  • 情報/サービス業界のL社では、年間約650万円のROIで、店舗からのデータ共有依頼対応をゼロにし、使用許諾や期限確認にかかる工数を90%削減。

これらの事例は、情報・コンテンツ管理が業種を問わず、具体的なコスト削減と生産性向上に繋がることを示しています。

EC担当者の「売るべき時間」を蝕む更新業務

ウェビナーでは、「EC担当者が『売る仕事』ではなくなっている」という現状が課題として提示されました。EC担当者の日常業務は、情報収集、確認、加工、掲載、修正・更新といったプロセスに多くの時間を費やしており、その中でも「探す・確認する・更新する」という作業が大きな割合を占めています。

髙橋 裕樹氏「ある担当者にお伺いしたところで、1日の、日によっては本当に半分以上商品情報と画像の更新だったり、探している、あるいは加工しているっていう作業に取られてる、みたいなのも結構聞きます。」

商品情報と販促素材が部門やツールごとに分断されているため、常に「最新版はどれか?」「この画像で合っているか?」といった確認作業が発生し、修正依頼や差し替え依頼が繰り返されます。
この非効率な状態が、本来EC担当者が集中すべき「商品企画・価格設定」「新商品開発・マーケティング戦略」「売上分析・顧客分析」「UI/UX改善」「キャンペーン企画・広告運用」といった「売る」ための業務の時間を奪っているのです。

髙橋 裕樹氏「本来”売るため”に使うべき時間が、素材処理業務に消えている」

第2部:素材迷子をゼロにする仕組みとデモ

次に、EC担当者の消耗を解消し、素材迷子をゼロにする具体的な仕組みとして、VPJ様提供のCIERTO(シエルト)のデモンストレーションが行われました。PIMとDAMが一体となったCIERTOが、いかに日々の業務を変革するかを髙橋裕樹氏が実演しました。

CIERTOデモンストレーション:変わる「探す・加工する・登録する」

CIERTOはブラウザでログインするだけで利用できるシステムで、DAMとPIMの機能が統合されています。

DAM機能:販促素材管理と制作支援

従来のファイル管理ツール(Googleドライブ、Boxなど)との大きな違いは「探す」作業の劇的な効率化です。

  • 視覚的プレビュー機能:JPEGだけでなく、PSD、Illustrator、InDesignといったデザインデータや動画も、専用ソフトがインストールされていなくてもブラウザ上で視覚的に確認できます。これにより、他部門が作成した素材もEC担当者がすぐに確認し、展開できるようになります。
  • 関連素材のリンク追跡:使用中の素材から、その大元のデータや関連するデザインデータへ自動的にリンクを辿ることができます。逆に、特定の写真がどの媒体で使われているかも追跡できるため、画像の差し替えや利用状況の確認が非常に容易になります。
  • 高度な検索機能:ファイル名だけでなく、Illustratorの企画書内のテキスト、ExcelやPDFデータ内の文字を拾うOCR機能、あるいは検索用のタグ付けによって、求めるデザインデータを瞬時に見つけ出せます。

次に、「加工する」という手間も大きく削減されます。

  • ブラウザ上での画像・動画変換:ECサイトや各種モール、SNS(Instagramなど)で求められるサイズ(例: 700x700px)や形式(JPEG, WebPなど)に、Photoshopなどの専用ソフトを使わずブラウザ上で画像をリサイズ、トリミング、形式変換できます。プリセット登録も可能で、複数ファイルの一括変換にも対応します。長尺の動画データも、SNS用に一部を切り出すといったカット編集が可能です。
  • 権限管理と誤使用防止:著作権や使用期限が設定された素材は、期限切れになると透かしが入り、ダウンロードも制限されます。これにより、意図しない誤使用やブランド毀損のリスクを低減し、適切なブランド管理をサポートします。

さらに、CIERTOはデザイン制作過程でのコラボレーション機能も有しており、画像にコメントを追加してデザイナーやバイヤーと直接やり取りできるため、制作業務全体の効率化にも寄与します。

PIM機能:商品情報の一元管理と自動連携

PIM機能では、商品情報がより体系的に管理されます。

  • 詳細な商品情報管理:SKU、仕様、スペック、販売開始日、セット商品に関する情報など、商品に関するあらゆる情報を一元的に管理します。Excelやスプレッドシート、基幹システムにあるようなデータもここに集約します。
  • DAMとの自動紐付け:最も効果的な機能の一つが、商品コード(例: SF02A)をキーとして、PIMの商品情報とDAMで管理されている画像、動画、企画書、販促媒体が自動で紐付けられる点です。これにより、手動で画像を探して登録する手間がなくなり、商品情報とビジュアルアセットが常に最新の状態で連携されます。
  • 柔軟な公開・販売管理:商品の販売開始日を設定することで、その日付が過ぎると自動的にECサイトへ商品情報や画像が配信されるようになります。また、「渋谷店にだけ販売を許可する」といった店舗やチャネルごとの公開・非公開の管理もPIM上で行えるため、販売戦略に応じた柔軟な情報配信が可能です。

CIERTOによるPIM×DAM×EC連携は、まさしく「探さない、加工しない、登録し直さない」という新たなEC運用の形を提示します。当社高橋も「この加工まで一貫でいけるのがめちゃくちゃ便利。探して終わりじゃない」と、その利便性に驚きの声を上げました。

CIERTOの3つのメリット「探さない・加工しない・登録し直さない」

📎 スライド40:CIERTOの3つのメリット「探さない・加工しない・登録し直さない」

導入時の懸念を解消する「段階導入」

新しいシステム導入において最も多い懸念は「運用が変わること」です。現場スタッフの抵抗感、既存データの移行作業、新しいシステムでの登録作業増加、そして運用が定着するかといった不安は尽きません。しかしVPJ様は、これらの懸念に対して現実的な解決策を提示しています。

  • 段階導入:まずは画像管理(DAM)から導入し、その後PIMへと進めるなど、小規模から始めて徐々に拡大していくことで、現場の学習コストを抑え、スムーズな移行を促します。一部門から導入を開始することも可能です。
  • 既存データの移行:基幹システムとの連携による自動吸い上げや、スクリプトバッチによる一括取り込みなど、既存の商品情報や素材の移行作業を効率化する提案を行います。
  • 運用定着支援:基幹システムからの自動データ収集や、アップロード先をCIERTOに変えるだけでレビュー機能も利用できるなど、人の手間を減らした運用設計を提案します。また、要件ヒアリングを丁寧に行い、パッケージベースでの柔軟な修正対応で、現場に寄り添った運用定着を支援します。

最も多い懸念「運用が変わること」への解決策

📎 スライド43:最も多い懸念「運用が変わること」への解決策

第3部:整えた素材を、売上につなげる

最後に、DAM/PIMで一元管理し整えた商品情報と販促素材を、いかにしてEC事業の売上向上に直結させるかについて解説しました。

EC運用のBefore/After:「作業」から「活用」へ

CIERTOを導入することで、EC担当者の日常業務は大きく変化します。

  • Before(煩雑な作業):画像・商品情報を探す、加工する、モール別に登録・更新する、更新確認を行うといった「探す・加工する・登録する」作業に多くの時間を費やしていました。
  • After(スムーズな流れ):CIERTOによって「入力1回 → 複数チャネル展開」が実現されます。検索で即座に情報を取得し、自動変換・自動紐付けされたデータは、EC(B2C/B2B)、営業資料、カタログ、代理店、SNSなど複数のチャネルへ一括出力・自動更新されます。

この変化は、EC運用を「作業」から「活用」へとシフトさせ、EC担当者が本来の「売る」ための活動に集中できる環境を生み出します。髙橋裕樹氏はこの本質的な変化を強調しました。

商品情報の質が売上に直結する理由

商品情報の質は、顧客の購買行動に直結する重要な要素です。

  • 情報不足の場合:画像が少ない、スペックが不明確、説明不足で利用シーンがイメージできないといった貧弱な商品ページは、顧客の離脱、比較負け、購入見送りに繋がります。
  • 情報充実の場合:複数画像・動画、SEOに強い商品情報、詳細なスペック、明確な利用シーンなど、充実した商品ページは、顧客が商品を比較検討しやすくなり、購入判断を後押しします。

髙橋 和夫「EC担当者は、一気に新商品上げる時はもうその1回の作業でなるべくやってしまいたいっていう考えがありますんで、やっぱりいかにその情報、質が高い情報を最初から準備できているかっていうのは、スタート決める重要なポイントかなというふうに思いますね。」

PIM/DAMによって質の高い商品情報と素材を常に準備できるようになることは、ECサイトの購入率向上に直結し、結果として売上を大きく左右する要因となります。

EC刷新の成果は裏側基盤で決まる

EC刷新やCRM・アプリ連携といったフロント施策の拡大・複雑化は、同時に裏側業務(商品情報確認・連携、チャネル別素材準備、システム別登録作業、更新漏れ・ミスリスク、部門間調整コストなど)のボトルネックを重くします。これらの課題は、CIERTOの統合基盤によって解決できます。CIERTO(PIM)で商品基本情報、販促属性、価格情報、SKU・在庫連携を、CIERTO(DAM)で商品画像・動画、販促素材、制作ワークフロー、版管理・著作権を一元管理することで、EC刷新対応、アプリ施策、CRM施策、販促高速化、全社共有といった全チャネル展開がスムーズになります。

実際に、多数の販売店を抱えるSSK様では、CIERTO PIM/DAMを導入し、販売店向けEC掲載用データの個別対応・手作業依存を解消しました。商品情報・画像を10,000点以上、動画を1,000点以上、販促素材を5,000点以上一元管理。販売店ごとに異なる契約商品を自動制御し、必要な商品情報と画像をオンラインで即座に取得できる環境を構築しました。これにより、販売店のEC商品登録・更新業務が効率化され、運用負荷が大幅に軽減された事例が紹介されました。

SSK様事例:販売店ECの商品登録・更新を効率化する商品情報配信

📎 スライド52:SSK様事例:販売店ECの商品登録・更新を効率化する商品情報配信

髙橋 裕樹氏「PIM、DAMでしっかり販売店の属性に応じた商品画像と情報を、彼らがログインするとそれだけ見れますよ。で、じゃあ向こうの販売店さんのEC担当者、すごく楽になる。より早く自分のSKUの経由の商品を早くECに上げてくれるようなことがあった。」

この事例は、B2Bにおける商品情報管理の効率化が、パートナー企業の売上向上にも貢献する可能性を示唆しています。

第4部:まとめ

今回のウェビナーを通じて、EC担当者が抱える日々の更新業務の負荷がいかに大きく、それがEC事業の成長を阻害するボトルネックとなっているかが明確になりました。その解決策として提示されたのが、PIMとDAMをECと連携させることで、商品情報と販促コンテンツを正しく、そして素早く届ける基盤を構築することです。

髙橋 裕樹氏「ECの成功、ECで売上を上げる体制を作る時に必ず必要になってくるのが商品情報と販促素材になってくるので、これを正しく早く届ける基盤を用意することで、今までの作業から売上につながるクリエイティブな運営チーム、運営体制っていうのに変わる。」

PIM×DAM×ECの連携は、単に業務効率化を図るだけでなく、EC担当者が本来注力すべき「売る」ための戦略立案や施策実行に時間を割けるようになり、結果としてECサイト全体の売上と顧客体験の向上に貢献します。貴社のEC事業を次のステージへと進化させるために、この「管理基盤」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。