株式会社グループセブ ジャパン様が「GMOクラウドEC」でブランドサイトとECを統合し、日本市場に最適化された顧客体験を実現

株式会社グループセブ ジャパン(英名 Groupe SEB Japan Co., Ltd.)

業種:
製造業、輸入販売業
株式会社グループセブ ジャパン様が「GMOクラウドEC」でブランドサイトとECを統合し、日本市場に最適化された顧客体験を実現

フランス発の調理器具・小型家電ブランド「ティファール」を展開する株式会社グループセブ ジャパンは、従来別々に運営していたブランドサイトと公式オンラインストアを統合し、新たな「ティファール公式サイト」(https://www.t-fal.co.jp/)をオープンいたしました。

本記事では、サイトリニューアルの背景や目的、構築で重視した点、そして今後の展望について、同社の山下 裕之様にお話を伺いました。

 


株式会社グループセブ ジャパン 山下 裕之様(以下、山下様)

 

 

ブランドサイトと公式オンラインストアを統合

ーーまず、読者の皆様に向けて、貴社の事業内容と会社紹介をお願いいたします。

山下様:弊社は1857年にフランスで創業したグローバル企業グループの一員として、非常に幅広い事業を手掛けております。日本では「ティファール」のフライパンやケトルの印象が強いかと存じますが、グループとしては多岐にわたるブランドを保有し、人々の生活を支える様々な製品を提供しています。

特に、調理器具と小型家電という大きく異なるカテゴリーを主力としている点が特徴です。キッチン用品は小物から調理器具まで、家電も小型の生活家電を中心に幅広く取り揃え、世界150カ国以上で事業を展開しており、調理器具の分野では世界トップの販売実績を誇ります。

日本では調理器具のイメージが定着していますが、フランス本社では家電事業が中心で、多岐にわたるブランドを保有しております。日本国内ではブランド戦略上、一部WMF、ラゴスティーナブランドを除き、これらをすべて「ティファール」ブランドに集約しています。そのため、皆様のイメージとは異なるかもしれませんが、日本でも売上における家電製品のシェアは非常に大きなものとなっています。

 

ーーありがとうございます。続いて、ECサイトについて伺います。今回のサイトリニューアルに至った目的や背景、また、ブランドサイトとECサイトが分かれていたことの課題についてお聞かせください。

山下様:最も大きな課題は、トラフィックがブランドサイトとECサイトの二つに分散し、SEOの観点から望ましくない状況にあったことです。お客様にはサイト間でリンクを設置していたため、大きなご不便はなかったかもしれませんが、運営側にとってはSEO効果の分散や管理の煩雑さが課題となっていました。

今回のリニューアルは、お客様に快適な購買体験を提供し、サイト内の回遊性を高めることを第一の目的としています。また、以前からSNSとの連携は図っていましたが、サイトが分散していることで、お客様への情報提供が必ずしも円滑ではなかった可能性がありました。そこで、よりスムーズな情報発信と販売チャネルへの動線を確立するため、まずはサイトの窓口を一本化するという結論に至りました。

 

ーーSNS連携の強化という点では、会員情報としての活用、コンテンツマーケティングとしての拡散、集客の入り口としての活用など、どのような点に重きを置いていましたか。

山下様:ブランドの情報発信としてSNSを活用していましたが、そこから購買へと繋がる動線を十分に構築できていないという課題がありました。これは、社内でSNSの運営担当とECの売上担当が分かれており、連携が十分ではなかったことも一因です。サイトを統合することで、両者の連携をより円滑にし、お客様に質の高い購買体験とサービスを提供できるWEBサイトを目指しています。

 

日本に”ローカライズ”したサイトを構築

ーー今回のECサイト構築では、日本の顧客に最適化された「ローカライズ」が最優先事項だったという印象を受けます。

山下様:はい。カスタマーファーストはもちろん重要ですが、今回のプロジェクトでは特に「ローカライズ」を最優先事項としました。つまり、グローバルで統一された仕様ではなく、日本のお客様に最適化されたサイトを構築することに重きを置きました。

 

ーー日本のユーザーに向けたウェブサイトを構築するにあたり、グローバル展開との違いで意識した点はございますか。

山下様:外資系企業ではしばしば聞かれる課題ですが、グローバル本社から提案されるECプラットフォームや展開方法は、日本の商慣習やインフラの実情にそぐわない場合があります。例えば、日本の複雑な郵便番号システムや送料体系への対応など、基本的な機能において認識の齟齬が多く、このままではプロジェクトの円滑な進行が困難になると危惧しました。

 

 

ーーそのような中で、「GMOクラウドEC」を選定いただいた理由をお教えください。

山下様:限られた予算内で将来的な売上拡大を見据える必要があったため、将来性や拡張性が重要な要件でした。その点で、「GMOクラウドEC」はプラットフォームが自動でバージョンアップされること、標準機能が充実していること、そして365日のサポート体制が整っていることが大きな決め手となりました。

以前のシステムでは、機能追加やアップデートの度に多大な費用と工数が発生し、迅速な機能改善が困難でした。もちろん、サードパーティー製アプリが豊富なプラットフォームやオープンソース型のシステムで個別開発を行う選択肢もありましたが、弊社には一つひとつの機能を精査し、運用体制を構築する時間的な余裕がありませんでした。そのため、導入から運用まで一貫してサポートいただけるGMOメイクショップの「GMOクラウドEC」を選定しました。

さらに、GMOインターネットグループという多数のインターネット事業、ソリューションを抱えているグループ企業であることから、セキュリティ面での高い信頼性や、サーバーといったインフラ面でグループの強みを活かしたコスト効率の高い運用が期待できると考えました。営業担当の方からの熱心なご提案も、選定における大きな後押しとなりました。

 

ーー今回、サイト構築で重要視されたポイントとして、デザイン性の高さも挙げられています。どのようなデザインにこだわりましたか。

山下様:デザイン面では、ティファールブランドの世界観を維持しつつ、弊社の根底にある「私たちの製品があることで、食卓を囲む皆様が笑顔になる」というコンセプトを表現するため、サイト全体を明るく楽しい雰囲気にすることを重視しました。その点を汲んでいただき、素晴らしいデザインに仕上げていただいたと認識しています。細かな点ですが、ロゴマークをモチーフにした背景パターンや、遊び心のあるデザイン要素なども取り入れていただきました。

今回は、こちらから細かく指示するというよりも、全体の方向性に関する要望をお伝えした上で、GMOメイクショップからいただいたご提案が我々のイメージに合致した、という経緯となっております。

 

ーーさらに、機能面でのローカライズの自由度の高さも重視された点として挙げられていますが、どのような機能を重視されましたか。

山下様:当初、このプロジェクトはグローバル本社が提供するプラットフォームを利用し、その仕様に沿って進める計画でした。しかし、グローバル統一のプラットフォームでは、日本の消費者や市場に最適化されたサイトを構築することが困難であるという懸念がありました。例えばコミュニケーションツール一つをとっても、LINEが主流なのは日本など一部の国に限られます。このように、日本市場に特化した機能実装やサービス展開が難しいという課題があったため、日本独自のローカライズに柔軟に対応できる自由度の高さを重視し、最終的にGMOメイクショップを選定しました。

 

ーー 様々な視点からご評価いただきありがとうございます。構築中のコミュニケーションについて、ご要望は開発メンバーにスムーズに伝わり、期待通りのサイトが完成しましたでしょうか。

山下様:グローバルの方針でローンチまで1年という厳しいスケジュールが設定されており、非常にタイトなご依頼となりました。そのため、実装したい機能について弊社側で優先順位をつけ、取捨選択を行いましたので、当初の要望をすべて実現できたわけではありません。そのような状況下で、スケジュールに沿って開発を進めていただき、無事にサイトを公開できたことに大変感謝しています。

将来的に導入したい機能は多数ありますので、まずはスモールスタートでローンチし、フェーズを分けて段階的に機能拡張していく計画です。

 

ーー「運用サポート(運用代行やコンサルティング、ディレクション)」について、実際に導入されたご感想はいかがでしょうか。

山下様:

これはリニューアル前の委託先様も同様の条件で選定しておりましたが、弊社では、EC運用のバックグラウンドが整っておらず、お客様への直接配送や顧客対応といった仕組みが社内で整っていないため、トータルでサポートしていただける委託先様でなければ選定が難しいという事情がございました。

その上でGMOメイクショップには、物流、決済、サイト運用を一元的に管理・サポートいただいており、その点を高く評価しています。また、売上向上のための定例会を毎月実施するなど、運用開始後のサポートにも大変満足しています。

 

 

 

新サイトでさらなる売上拡大を目指す

ーー今後のブランディングやプロモーションなどの取り組みについてはいかがでしょうか。

山下様:先述の通り、以前はブランドサイトとオンラインショップが別れており、運営に関するコミュニケーションも一部で個別に行われていました。しかし、今回のサイト統合を機に、マーケティング部門と「どのような施策を、どの方向性で進め、いかに連携させるか」といった議論をこれまで以上に密に行っております。その結果、連携は格段に円滑になったと実感しております。

今後の取り組みとしては、実店舗との連携強化を掲げています。これまでは、実店舗とオンラインショップのプロモーション連携はあまり図れていませんでした。実現の時期や方法はまだ具体化していませんが、今回のリニューアル目的の一つとして、実店舗とオンラインの会員情報を連携させ、データを活用した施策を展開していくことを中長期的な目標としています。

 

ーー最終的には、実店舗とオンラインの顧客が双方のチャネルを快適に行き来できる、いわゆるOMO(Online Merges with Offline)の形を目指されるのでしょうか。

山下様:はい、まさしくOMOの実現が目標です。ただし、一般的なOMOの成功事例が、そのまま弊社に当てはまるとは考えていません。例えば「オンラインで注文して店舗で受け取る」といったサービスは、弊社の直営店の多くがアウトレットモール内にあるという特性上、お客様の利用シーンが限定される可能性があります。企業ごとに置かれた状況は異なるため、画一的なOMOではなく、弊社独自の最適なアプローチを模索する必要があります。

一方で、会員情報やプロモーションの連携については、メリットこそあれデメリットはないため、積極的に推進すべきだと考えています。

 

ーー事業としての今後の展望はいかがでしょうか。

山下様:今後の展望としましては、商品ラインナップの拡充、プロモーション連携、会員連携、そしてサービスの向上を掲げています。自社ECサイトである以上、価格競争力だけで勝ち残ることはできません。サービスという付加価値でいかに差別化を図るかが重要です。

そして明確な目標として、大手ECモールの集客力に依存することなく、自社サイト単体で売上を確立していくという点は極めて重要です。今回、GMOメイクショップにサイト構築をお願いした背景には、この「自社ECサイトの成長」という大きなテーマがありました。

 

ーー最後に、この記事の読者へアドバイスがございましたらお願いします。

山下様:アドバイスというには恐縮ですが、ECサイトのあり方は、取り扱う商材(消費財、アパレル、耐久消費財など)や企業の状況によって全く異なると考えます。各企業様も無限に予算があるわけではないと思われますので、限られたリソースの中で「何を優先事項とするか」を社内で明確に定義することが、プロジェクト成功の鍵になると考えております。

 

 

「ティファール公式サイト」について

https://www.t-fal.co.jp/

株式会社グループセブ ジャパン(本社:東京都港区/代表取締役社長:ジュリアン・メジャー)は、2025年 1月29日(水)、フランス発の調理器具・小型家電ブランド「ティファール」のブランドサイトと公式オンラインストア を1つに統合し、新たな『ティファール公式サイト』をオープンいたしました。 この度、ブランドサイトと公式オンラインストアが1つになることで、製品に関する情報、3,000以上のティファー ル製品を使ったレシピ、最新のニュース、お得なキャンペーンなど「ティファール ブランド」に関する様々なコンテ ンツが1つのサイトでご覧いただけます。これまで以上に分かりやすくスムーズに情報をご覧いただけるだけで なく、気に入った製品はそのまま購入いただくことが可能になります。 

 

「GMOクラウドEC」について

「GMOクラウドEC」はフルオーダーによる構築へと対応した最新のECプラットフォームです。ヘッドレスコマースの採用により、自由なシステムの構築が可能となっています。その為、パッケージでは対応しきれない要件へもお応えする事が可能です。そしてEC本体のシステムとセキュリティは自動でアップデートされる為、パッケージ・フルスクラッチ構築の課題であるシステムの老朽化・陳腐化といった問題も解決しています。

今回のようなゲスト購入機能はもちろん、複数のサイトやアプリ・システムを連携する必要があるオムニチャネル・OMOの実現や、モール型のECサイトやオークションやサブスクリプションといった、あらゆるECサイトを柔軟に構築する事が可能となっています。

GMOクラウドEC

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