ショベルやクレーンなどの中古建設機械の売買が“ネットオークション”の導入で活性化。リアルオークションとの相乗効果も期待

コベルコ建機インターナショナルトレーディング株式会社

業種:
中古建設機械の買取および販売
ショベルやクレーンなどの中古建設機械の売買が“ネットオークション”の導入で活性化。リアルオークションとの相乗効果も期待

中古建設機械の買取および販売を手掛けるコベルコ建機インターナショナルトレーディング株式会社は、ショベルやクレーンなどの売買において、ネットオークションの仕組みを導入しました。以前から開催していたリアルオークションは「封印入札(一般競争入札)」でしたが、ネットオークションでは新たに「競り上がり入札」も採用しました。価格の変動がリアルタイムで確認できることから、締め切りギリギリまで盛り上がりをみせているそうです。リアルからネットへ。この新たな取り組みでご採用いただいたのが「GMOクラウドEC オークション」でした。
 

オークション画面(WebデザインおよびUI/UXデザインはGMO NIKKOが担当)

海外の参加者も多いオークション

コベルコ建機インターナショナルトレーディング株式会社
取締役 業務管理部部長 兼 ショベル営業部 営業グループグループ長
上山 敬様

―― リアルで開催していた中古建設機械のオークションについて教えてください。

上山 敬様(以下、上山様) オークションを始めたのは2013年ごろです。それまでは在庫リストを使って個別に営業をしていました。オークションの方法は、入札の希望額を書いて封筒に入れて提出するという封印入札を採用していました。また、当社のホームページで情報を公開し、FAXまたはメールで希望額などを送っていただくことにも対応していました。

―― それは封印入札や一般競争入札と呼ばれる方式になりますが、ネットオークションでは競り上がり入札も採用しました。封印入札にはどのような課題がありましたか。

上山様 1回提出するだけということもあって、盛り上がりに欠ける感じがありましたね。競り上がり入札であれば、価格を見ながら何度も応札できるので盛り上がるのではないかと期待しました。

―― リアルなオークションは、どのくらいの頻度で実施していたのですか。

上山様 年に3回の頻度で実施していました。ただ、オークションの参加者は海外から来日される方も多いので、新型コロナウイルスの影響で再開ができない状況です。

―― その意味では、参加者のネットオークションへの期待は大きいと思います。今回の取り組みは、新型コロナウイルスがきっかけですか。

村田秀彦様(以下、村田様) そう思われがちですが、計画自体は2016年の中期経営計画に入れていたので違います。たまたま設備投資の関係でずれて、このタイミングになりました。リアルなオークションが開催できなくなったという点では、計画しておいて良かったですね。

 

実績とセキュリティ対策を評価

コベルコ建機インターナショナルトレーディング株式会社
取締役 クレーン営業部部長
村田秀彦様

―― ネットオークションのシステムを構築するにあたり、いくつかのサービスをご検討されたかと思います。「GMOクラウドEC オークション」を採用するにあたって、どのようなことが決め手となりましたか。

上山様 いちばんはセキュリティ対応ですね。Pマーク(プライバシーマーク)やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格を取得していたので安心して任せられそうだと。候補として挙げた企業ではISMSを取得しているところが少なかったのです。もちろん、ネットオークションの実績や大手ネットスーパーでの実績なども決め手の1つとなりました。実際に開発が始まってみると、デザイン担当や開発担当、それからスケジュールなども明確に提示していただき、わかりやすくて良かったです。

―― ネットオークションのシステム開発では、どのようなところに注力されましたか。

上山様 競り上がりの画面や管理者用の画面などでは、ボタンの位置にもこだわるなど、とにかく使い勝手を意識しています。商品についても、カテゴリーの関係で階層が深いのですが、1回で表示されるように工夫しました。

―― カテゴリーという意味では、今回はショベルとクレーンが対象になっています。製品特性による違いはありますか。

村田様 ネットオークションはショベルがメインになります。マーケットの規模は、ショベルがクレーンの10倍ほどです。また、ネットオークションに出すのは中型のものになるため、数も限られます。クレーンはサイズが大きいため、分解して運んで現地で組み立てるというような対応が必要になるため、検討すべき項目が多く、ネットオークションでは難しい部分があります。大型のクレーンは、生で見ていただいてという切り分けで考えています。

―― 競り上がり入札では「セカンドプライスオークション」という落札価格決定方法を採用しました。1番高い価格の方が落札するのですが、2番目に入札価格が高い方の入札価格に1入札単位を足した金額になるという方法です。この方式を採用したのは、どのような背景からでしょうか。

上山様 オークションを盛り上げる施策の1つとして採用しました。セカンドプライスオークションであれば、予定している予算いっぱいで入札価格を入れても、それ以下で収まることがありますので、参加しやすくなる傾向にあります。

回を重ねるごとに参加者が増えて活性化

―― 2022年4月からネットオークションの運用がスタートしました。

上山様 これまでのお付き合いのある企業様に対し、会員登録からお願いしたこともあって、3回目の開催までは期待したような盛り上がりはありませんでした。それが4回目くらいからは会員登録が進んだこともあり、順調に競り上がるようになってきています。参加者は他社の動きを見ながら応札するといったように、オークションならではの流れになりました。この最新の価格を表示するための裏の仕組みは、とても苦労したところです。それがうまく機能しています。

―― 順調な滑り出しと言っていいのではないでしょうか。

上山様 そうですね。でも毎回ヒヤヒヤですよ。ラストの2時間や1時間というところまで静かなことがありますから。多くがオークションの終了間際で盛り上がってくるという感じです。

―― ネットオークションの導入効果は、どのようなところに出ていますか。

上山様 売り上げは良くなりました。競り上がり入札ゆえの盛り上がりで、当社の想定額よりも大幅にアップすることもあります。また、ネットオークションは2週間に1回のペースで開催していますし、数も多くさばけるようになったことも、売り上げに大きく貢献しています。

村田様 現場からは、事務のオペレーションが簡単になったとの声が上がっています。これまでは落札した案件に対して、1件ごとに基幹システムに情報を入力していましたが、システム連携で不要にしました。毎回1時間ほどかかっていた作業が、15分ほどの確認作業で済むようになったと聞いています。入力ミスを回避できるという意味でも、システム連携の効果は大きいと考えています。

リアルも加えてオークションをより活性化

―― 今後については、どのような展開をお考えですか。

村田様 動画のアップを容易にできるようにしたいと考えています。例えば、トランスミッションに不具合があると、修理に何百万円もかかっていまいます。調子の良しあしは音で判断できることもあるため、エンジンの音を聞きたいとか、動かしたときの音を聞きたいというニーズがあるのです。現在では、要望に応じて対応していますが、最初から動画をアップしておけば、問い合わせ対応が効率化すると期待しています。

―― リアルで開催していたオークションは、どうされますか。

村田様 リアル開催のオークションは、いずれ再開したいと思っています。リアルにはリアルの良さがありますし、オークションを理由に来日することを楽しみにしている海外の参加者もいらっしゃいますから。ネットオークションのシステムでは、リアルで採用している封印入札の仕組みも用意しています。その点ではリアルとネットの同時開催も可能ですから、両輪でオークションを盛り上げていきたいと思います。

―― 弊社も運用面でしっかりサポートしていきます。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。