- 最終更新日: 2026.01.30
- 公開日:2022.05.27
EDIとは?EDIシステムの種類・連携例・導入効果から「2024年問題」までわかりやすく解説

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EDIとは「Electronic Data Interchange(電子データ交換)」の略で、企業間の受発注・出荷・請求などの取引データを、システム同士で安全かつ自動的にやり取りする仕組みです。紙やFAX、メール添付による取引を減らし、業務効率化や入力ミス防止につながることから、エンタープライズ企業のEC運用においても重要性が高まっています。
本記事では、EDIシステムの基本から、EDIの具体例(edi 例)、導入による効果(edi 効果)、他システムとの連携(edi 連携)、さらにレガシーEDIの見直しが求められる「EDIの2024年問題」までを、実務視点でわかりやすく解説します。
目次
EDIとは(EDIシステムの基本)

EDIとは、取引先との間で発注書・納品書・請求書などの取引データを、あらかじめ定めた通信手順やフォーマットに基づいて電子的に交換する仕組みです。EDIを利用することで、取引データを社内システムに自動で取り込み、出荷指示や売上計上、請求処理といった後続業務へスムーズにつなげることができます。
EDIの意味
EDIは「電子データ交換」を意味します。単にPDFファイルをメールで送付することとは異なり、システムが処理しやすい構造化データを、一定のルールに基づいて交換する点が大きな特徴です。物流業界では「JTRN」や「物流XML/EDI標準」など、業界標準に基づいた運用も進んでいます。
EOSとの違い
EOS(Electronic Ordering System)は、発注業務に特化した仕組みで、広い意味ではEDIの一部として扱われます。EDIは発注に限らず、受注応答、納品、請求、支払通知など、取引全体のデータ交換を対象とできる点がEOSとの主な違いです。
EDIの例(edi 例):BtoB・EC取引における代表的なフロー
EDIは、BtoB取引やエンタープライズECの現場で、さまざまな業務フローに組み込まれています。ここでは、実際の業務をイメージしやすい代表的なEDIの活用例を紹介します。
- 発注:小売企業から卸企業へ発注データを送信
- 受注応答:卸企業から受注確定および納期情報を返信
- 出荷指示・出荷実績:倉庫(WMS)と連携し、出荷情報を共有
- 請求:締め処理後に請求データを送信
- 支払通知:支払予定や支払実績データを連携
このようにEDIを活用することで、取引データのやり取りを標準化・自動化でき、取引先が増えても安定した業務運用を実現しやすくなります。
EDIの種類(edi システムの代表的な分類)

個別EDI
取引先ごとに通信方式やデータ形式を個別に定義して構築するEDIです。柔軟性は高いものの、取引先が増えるほど改修や運用の負荷が増大しやすい点が課題です。
標準EDI
業界や企業間で通信形式やフォーマットを標準化し、共通ルールで取引を行う方式です。標準対応企業との接続は容易ですが、未対応企業との併用運用が必要になる場合もあります。
業界VAN
特定業界向けに構築されたネットワーク(VAN)を利用する方式です。異なる機種間の変換を吸収できる一方で、対象業界外との取引では別方式が必要になるケースもあります。
Web-EDI
ブラウザ上でログインし、画面操作やファイルのアップロード・ダウンロードによって取引を行う方式です。導入ハードルは低いものの、システム間の自動連携が限定的で、手作業が残る場合があります。
インターネットEDI(クラウドEDIを含む)
インターネット回線を利用し、AS2やSFTP、APIなどの方式でシステム同士が自動送受信を行うEDIです。近年はクラウド型EDIサービスも増えており、基幹システムやECとの連携がしやすい点が特徴です。
EDIを取り巻く現状:2024年問題・セキュリティ・法対応

EDIの2024年問題とは
EDI分野で語られる「2024年問題」とは、ISDN回線を前提としたレガシーEDIで利用されてきたINSネットのディジタル通信モードが2024年1月から地域ごとに段階的にサービス終了となり、従来型EDIの見直し・移行が必要になったことを指します。さらにINSネットは、2024年8月に新規販売を終了し、2028年12月末にサービス提供終了が予定されています。
Web-EDIのセキュリティに関する留意点
インターネットを利用する以上、認証強化、アクセス制御、通信の暗号化、ログ管理などのセキュリティ対策が不可欠です。
電子帳簿保存法への対応
EDIで受領・送信した取引データは「電子取引データ」として保存義務があり、適切な運用設計が求められます。
EDIの効果(edi 効果)

EDIを導入する最大の目的は、企業間取引における業務効率化と品質向上です。ここでは、エンタープライズECの現場で特に実感されやすいEDIの主な効果を整理します。
- 受発注・請求業務の工数削減
- 入力ミスや二重入力の防止
- リードタイム短縮による取引スピードの向上
- 取引状況の可視化および内部統制の強化
- 取引先増加にも対応できる業務スケーラビリティの確保
EDIの効果は単なる省力化にとどまらず、事業成長に耐えうる業務基盤を構築できる点にあります。
EDIのデメリットと注意点

一方で、EDIには導入前に把握しておくべき注意点やデメリットも存在します。ここでは、検討段階で押さえておきたい代表的なポイントを整理します。
- 取引先とのシステム互換性の調整が必要
- 初期導入や移行に一定のコストがかかる
- 障害発生時に備えた代替フローの設計が必須
これらの課題は、事前の要件整理と運用設計によって多くを回避できるため、計画段階での検討が重要です。
EDI連携(edi 連携):EC・基幹・物流をつなぐ
EDIの価値を最大化するためには、単体での導入ではなく、周辺システムとの連携を前提に設計することが欠かせません。
- ERP(基幹システム)
- OMS(受注管理システム)
- WMS(倉庫管理システム)
- 会計システムおよび電子帳簿保存対応システム
EDI連携を前提とした設計を行うことで、部門をまたいだ業務の分断を防ぎ、全体最適なEC運用を実現できます。
EDIの導入手順
EDI導入を成功させるためには、段階的かつ計画的に進めることが重要です。以下は、一般的なEDI導入の流れです。
- 導入目的と対象業務範囲を明確にする
- 接続方式(Web-EDI/インターネットEDIなど)を選定する
- データマッピングおよびテスト計画を策定する
- 運用ルールと障害時対応を整備する
導入後の運用まで見据えて準備することが、EDIを定着させるための重要なポイントです。
EDI導入事例(edi 事例)

ここでは、公開情報として確認できる具体的な導入事例をもとに、EDIがどのような課題を解決し、どんな効果につながったのかを紹介します。自社の状況に近いケースを参照すると、要件整理や社内説明の精度が上がります。
【製造】三菱重工冷熱株式会社:ISDN回線終了を契機にクラウドEDIへ移行し、運用負荷とダウンタイムを抑制
三菱重工冷熱株式会社は、ISDN回線終了を背景にEDIシステムの統合・移行を検討し、クラウドEDIの導入によってサーバ管理や停電時リカバリーなどのメンテナンス負荷を大幅に軽減しています。あわせてデータ処理の高速化によるサービス向上とコスト削減、システムのダウンタイム最小化による安定運用も実現できたとされています。
【物流】SBS東芝ロジスティクス株式会社:5カ月でサービスイン、運用コストを従来の5分の1に削減
SBS東芝ロジスティクス株式会社は、クラウド型EDIサービスを導入し、公開事例では5カ月の短期間でサービスインしたことが示されています。さらに、定額制で費用を固定化し、運用コストを従来の5分の1に削減、操作性の高いコンソールにより少人数体制でも運用・保守の内製化を実現し、取引先調整や新規EDI開始までのリードタイム短縮にもつながったとされています。
【航空】日本航空株式会社:回線敷設・サーバ運用なしで銀行とのセキュアなEDI取引を継続し、運用負荷を軽減
日本航空株式会社の公開事例では、ISDN回線のサービス終了を受けて、銀行とのEDI取引継続のためにクラウドサービスを活用し、自社で回線敷設やサーバ設置を行わずに専用サービスを利用できた点が挙げられています。加えて、クラウド上でEDIシステムと専用回線をワンストップで利用でき、運用負荷を大幅に軽減、リモート環境からのプロセス監視が可能になったとされています。
これらの事例からも分かるとおり、EDIは「取引データを送る仕組み」にとどまらず、運用負荷・コスト・立ち上げ速度・可用性といった経営課題の改善に直結します。自社の課題を「回線更改」「運用負荷」「取引先拡大」「スピード」「内部統制」のどこに置くかを明確にすると、最適な方式・サービスを選びやすくなります。
まとめ
EDIは、企業間取引を支える重要な基盤であり、特にエンタープライズECにおいては業務効率化とスケーラビリティ向上に直結します。2024年問題を契機に、レガシーEDIからインターネットEDIやクラウドEDIへの移行を検討する企業は今後さらに増えていくでしょう。
自社の取引先構成や業務フローを整理したうえで、最適なEDIシステムと連携設計を行うことが、安定したEC運用を実現するための第一歩となります。











