- 最終更新日: 2021.07.27
- 公開日:2021.07.27
【コラム】“商慣習”か“商習慣”か。玄人に使ってほしいのはこっち 〜商慣習であり商習慣であるのが量子的?〜
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「商慣習」か『商習慣』か。あれれ、「商慣習」でしょ? などと思うわけですが、どっちも正解というのが結論なんだそうです。「商慣習」が正しいと教わった身としては納得できませんが、ECの業界でも『商習慣』が使われがちで、肌感覚としては『商習慣』が優勢な気がしています。
どれくらい『商習慣』が優勢なのかというと、検索サイトでは検索のヒット件数が10倍ほどの差となっています。この開きは大きい。もはや、「商習慣」が正解というべきでしょう。
日本の某大手経済新聞の記者に確認しました。特に指定はないそうです。取材相手が『商習慣』と言えば、『商習慣』と書くのかもしれません。そうだとすれば、主流の『商習慣』を使うことが多くなります。同新聞のネット記事を検索したところ、『商習慣』を使う記事のほうが優勢でしたから、やはりビジネスの世界でも『商習慣』を使うことが多いのでしょう。
また、某大手経済新聞の記者によると、「慣習」と『習慣』の意味で使い分けているとも。「慣習」は「昔から決まっていること」、『習慣』は「その人の決まりになっていること」というニュアンスですから、『商習慣』は個人商店のローカルルールという感じ。一般的な商売の話なら、「慣習」を使ったほうが玄人っぽい感じがします。
手もとにある30年前の国語辞典(新明解国語辞典第四版)を開いてみたら、掲載されているのは「商慣習」のみでした。『商習慣』が掲載されていないところをみると、30年前は「商慣習」が主流だったのかも。言葉は変わっていくものですが、「商慣習」がもともと誤用だとしたら、玄人には「商慣習」を使ってほしいものです。
とどめは商法に出てくる「商慣習法」。法律の世界では「商慣習」なんです。『商習慣法』は存在しません。ということは、法的には「商慣習」の勝利と言えそうです。法律の世界での勝利だけに「商慣習」が玄人っぽく感じませんか。「商慣習」に一票です。
冒頭では「商慣習」か『商習慣』かについては、どちらも正解だと紹介しました。どちらも正解ですから、EC関連の業界においても両方が使われています。「商慣習」であり、『商習慣』でもあるのです。で、ここからが本題です。「商慣習」であり、『商習慣』でもあるというところが、まるで「0」と「1」の両方の値を同じビット上で扱うことのできる量子コンピュータのようではないですか。EC事業の内容を分析することを量子回路だと思えば、その分析結果で「商慣習」と『商習慣』のどちらが答えなのかが見えてくるというわけです。こんなことを日々妄想するのが「慣習」、いや『習慣』になっています。