• 最終更新日: 2023.10.26
  • 公開日:2023.10.26

ソーシャルコマースっていったい何?SNSとECをつなぐ仕組みを徹底解説!

ソーシャルコマースっていったい何?SNSとECをつなぐ仕組みを徹底解説!
  • BtoC
  • EC
  • マーケティング
  • 用語・知識

EC業界はインターネットインフラの整備とともに成長してきました。同時期に多くの人々に浸透したものがSNSです。この二つは一見大きな親和性があるようで、SNSのユーザーをECに誘導することは思ったより簡単なことではありませんでした。そこでSNSからECサイトへ簡単に誘導できる仕組みとして「ソーシャルコマース」が生まれました。

この記事では「ソーシャルコマース」の意味や種類、メリットとデメリットについて解説します。

ソーシャルコマースの基礎知識

ソーシャルコマースとは?

ソーシャルコマースとは、SNSやコミュニティを活用して商品やサービスを販売するビジネスモデルのことを指します。つまり、ソーシャルメディア上での交流や情報共有を通じて商品を紹介して顧客の獲得から購買を促進、売り上げを向上していく方法です。

例えば、InstagramやFacebookなどのソーシャルメディアプラットフォームで、有名なファッションブランドの新作商品を紹介し、ユーザーが直接その商品を購入できるリンクを提供することが一般的です。これにより、ユーザーは気に入った商品をソーシャルメディア上で発見し、簡単に購入できるようになります。

ソーシャルコマースとEコマースの違い

ソーシャルコマースと従来のEコマースとの違いは、主にプラットフォームとアプローチにあります。Eコマースは、専用のオンラインストアやウェブサイトを通じて商品を販売するのが一般的であり、ソーシャルメディアは商品のプロモーションや顧客とのコミュニケーションの手段として活用されます。

一方、ソーシャルコマースは、ソーシャルメディアそのものが販売プラットフォームとして使われ、ユーザーはソーシャルメディア内で商品を見つけ、購入できるようになります。このアプローチにより、ユーザーはソーシャルメディア内での滞在時間を最大限に活用し、購買行動を促進することができます。

日本国内におけるソーシャルコマースの市場規模

日本国内におけるソーシャルコマース市場は着実に成長しています。特に若い世代を中心に、ソーシャルメディアの利用が広まったことが、この成長に大きく寄与しています。ソーシャルコマースは、InstagramやTwitter、LINEなどの人気プラットフォームを活用して、商品を販売するため、多くのユーザーにアクセスできる利点があります。

さらに、日本の消費者はオンラインショッピングに対する信頼が高く、セキュリティに対する懸念も低い傾向があります。これが、ソーシャルコマース市場の成長を後押ししています。

ソーシャルコマースの種類

ソーシャルコマースの種類

ソーシャルコマースにはさまざまな種類があり、それぞれ異なるアプローチを取っています。以下では、主要なソーシャルコマースの種類について詳しく説明します。

SNS・ソーシャルメディア型

SNS・ソーシャルメディア型ソーシャルコマースは、ソーシャルメディアプラットフォーム上で商品を紹介し、購買を促進するモデルです。有名なファッションブランドや美容製品メーカーがこの方法を活用しています。ソーシャルメディアのフォロワーに対して新商品やセール情報を発信し、直接購入できるリンクを提供します。例えば「facebook」「Instagram」が代表的です。

このアプローチは、ブランドのファンを活用し、ソーシャルメディア上での口コミやシェアを通じて広告効果を高めることができます。ユーザーは自身の好みや関心に合った商品を発見しやすく、購買意欲が高まります。

グループ購入型

グループ購入型ソーシャルコマースは、複数のユーザーが一緒に商品を購入し、割引や特典を享受するモデルです。このタイプのプラットフォームでは、一定数のユーザーが商品を購入する必要があります。例えば、「Groupon」などがこのモデルを採用しています。

グループ購入型ソーシャルコマースは、ユーザー間の連帯感を高め、共同購入の楽しさを提供します。また、商品を大量に仕入れることでコスト削減が可能となり、割引価格を提供できるため、消費者にとって魅力的です。

ユーザーキュレーション型

ユーザーキュレーション型ソーシャルコマースは、ユーザー自身がコンテンツをキュレーションし、商品を紹介するモデルです。ユーザーは自分の好みや興味に合った商品を選んで紹介し、他のユーザーと共有します。これにより、ユーザー同士の情報交換が活発化し、商品の発見が促進されます。

例えば、PinterestやTumblrなどがユーザーキュレーション型ソーシャルコマースをサポートしています。ユーザーは自分のスタイルや趣味に合った商品を見つけるため、購買意欲が高まります。

ユーザー参加型

ユーザー参加型ソーシャルコマースは、ユーザーが商品の開発やデザインに参加できるモデルです。例えば、Tシャツのデザインをユーザーに募集し、最も人気のあるデザインを商品化する形式があります。ユーザーは自分が関与した商品に強い愛着を持ち、購買意欲が高まります。

このモデルは、ブランドとユーザーの共感を深め、ブランド忠誠度を高める効果があります。ユーザーが商品の一部として参加することで、商品に対する愛着や所有感が強化されます。

C2C型

C2C型ソーシャルコマースは、消費者同士が商品を売買するモデルです。代表的なプラットフォームとして「メルカリ」「ヤフーオークション」「ebay」などがあります。ユーザーは自分の不要な商品を出品し、他のユーザーがそれを購入する形式です。ソーシャルメディアを通じて商品情報を発信し、取引相手を見つけることができます。

このモデルは、出品側にとっては不用品を比較的高く買い取って貰え、購入側は新品よりも安く購入出来るなど、双方のユーザーにメリットがあります。また、初心者でも簡単に始められるため、多くの人に利用されています。

O2O型

O2O型ソーシャルコマースは、オフラインとオンラインの両方を組み合わせたモデルです。ユーザーはオンラインで商品を購入し、実際に店舗で受け取るか、店舗での割引や特典を利用できます。この方法は、実店舗とオンラインショッピングを統合することで、顧客の購買体験を向上させます。

O2O型ソーシャルコマースは、地域密着型のビジネスに適しており、顧客を店舗に誘導することができるため、小売業や飲食業に多く採用されています。ユーザーはオンラインで商品を発見し、実際に店舗に足を運びます。

ソーシャルコマースのメリットとデメリット

メリットとデメリット

ソーシャルコマースのメリット

より手軽に構築・運営ができる

ソーシャルコマースは、既存のソーシャルメディアプラットフォームを活用することで、手軽に販売を始める事が出来、コストや時間を節約できます。また、プラットフォーム提供者が決済処理やセキュリティを管理してくれるため、安心してビジネスを展開できます。

ユーザーの囲い込みを行うことができる

ソーシャルコマースは、ユーザーとのコミュニケーションを強化し、フォロワーや顧客を獲得しやすくします。ソーシャルメディア上での対話や情報共有を通じて、顧客との関係を深め、忠誠度を高めることができます。顧客が商品をシェアし、友人に勧めることで、口コミ効果も期待できます。

ソーシャルコマースのデメリット

情報更新にかかる作業が増える

ソーシャルコマースを成功させるためには、定期的なコンテンツの更新や商品情報の管理が必要です。ソーシャルメディア上での投稿やプロモーション活動は、継続的な作業を必要とし、それにかかる時間や労力が増えることがあります。また、競合他社との競争も激化しているため、コンテンツの質と頻度が重要です。

売上向上までに一定の時間を要する

ソーシャルコマースは、顧客を獲得し、売上を増やすまでに一定の時間がかかることがあります。ソーシャルメディア上での信頼を築き、フォロワーを増やすには時間がかかります。また、競争が激しいため、市場に浸透するまでには戦略と忍耐が必要です。

ソーシャルコマースの活用事例

ハイブランドのファッション企業の事例

多くの高級ファッションブランドは、ソーシャルコマースを活用して成功を収めています。例えば、ルイ・ヴィトンやグッチなどは、InstagramやFacebookを通じて最新コレクションをフォロワーに紹介し、直接購入できるリンクを提供しています。この方法により、ブランドのファンは新作商品を簡単に購入でき、ブランドとの交流が深まります。

アパレルブランドの事例

アパレルブランドもソーシャルコマースを積極的に活用しています。たとえば、ZARAやH&Mは、Instagramのストーリーや投稿を通じて最新のトレンド商品を紹介し、ユーザーがショッピングを楽しめるように工夫しています。フォロワーは新商品を発見し、簡単に購入できるため、購買意欲が高まります。

ソーシャルコマースの未来と展望

ソーシャルコマースの未来と展望

ソーシャルコマースの今後の展望

ソーシャルコマースは今後も成長が期待されています。ソーシャルメディアの普及率が高まり、ユーザーの購買行動がオンラインにシフトしているため、新たなビジネス機会が広がっています。特に、若い世代はソーシャルメディアを積極的に利用し、ブランドとの関係を大切にします。したがって、ソーシャルコマースはこれからも成長し続けるでしょう。

ライブコマースの重要性

ライブコマースは、今後のソーシャルコマースで重要な役割を果たすでしょう。ライブコマースは、リアルタイムで商品のデモンストレーションや説明を行い、視聴者がその場で商品を購入できる形式です。中国など一部の国では既に非常に人気があり、他の地域でも急速に普及しています。

ライブコマースは、商品の詳細情報を提供し、購買意欲を高める効果があります。消費者はリアルタイムで商品を見て、質問や疑念を解消できるため、信頼性が高まります。

拡張現実(AR)の活用

拡張現実(AR)技術は、ソーシャルコマースに新たな次元をもたらす可能性があります。ARを活用することで、ユーザーは仮想的な試着や製品体験を行うことができます。たとえば、眼鏡や洋服の試着をリアルな感覚で行えるARアプリケーションが開発されています。これにより、ユーザーは購買前に商品を体験し、購買意欲を高めることができます。

ソーシャルコマースのトレンド

ソーシャルコマースのトレンドとして、マイクロインフルエンサーの活用やコンテンツショッピングの拡大が挙げられます。マイクロインフルエンサーは、一般のユーザーでも信頼性が高く、特定の商品やブランドを紹介する力を持っています。また、コンテンツショッピングでは、ソーシャルメディア上で商品を直接購入できる機能が拡充され、ユーザーエクスペリエンスが向上します。

まとめ

ソーシャルコマースは、ソーシャルメディアとEコマースの融合により、新たなビジネスチャンスを提供しています。手軽に始められ、ユーザーとのコミュニケーションを強化し、購買意欲を高める要素が豊富にあります。今後はライブコマースや拡張現実の活用、マイクロインフルエンサーの重要性など、さまざまなトレンドが台頭するでしょう。ソーシャルコマースは、顧客との綿密な関係構築や創造的な販売方法を通じて、さらなる成長を遂げることが期待されます。初心者からプロまで、幅広いビジネスにとって注目すべき分野です。

  • EC Newsアイコン

    EC News編集部

    2019年にスタートしたEC特化メディア。昨今のECシステムの様々な情報を発信します!