• 最終更新日: 2023.02.16
  • 公開日:2022.05.28

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?いまさら聞けないDXの意味を5分で解説!

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?いまさら聞けないDXの意味を5分で解説!
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テレビCMなどでDX(ディーエックス)という言葉を聞く機会が増えました。

今やビジネスの現場で当たり前のように使われますが、どういう意味かを正確に捉えるのが難しいのがDXです。

この記事ではDXの本当の意味と、ビジネス上での意義について解説していきます。

DXは何の略?

DXは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。

まず始めにつまずきがちな部分の解説をします。

DigitalTransformationなら「DT」が正しいんじゃないの?と思いますよね。

確かにそうなのですが、DXと表記されるのには理由があります。

英語では「Trans」は「Cross」と同義でありCrossは「X」と略式表記されます。

つまり「Transformation=X-formation」と扱われDigital TransformationがDXと省略されるのです。

得意げに他人に吹聴するような知識ではありませんが、勘違いしがちな部分なので知っていると少しお得な気分になれます。

 

ではそもそも「DigitalTransformation=DX」とは一体何なのか

次の項から解説して参ります。

DXとは

DXとはどういう意味?

DXが日本で注目されたのは2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションのガイドライン」を発表してからです。

そこではDXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。

つまりこれがDXの意味です……が、正直なところわかりづらいですよね。

ここでは「DXをひと言で表すとなんだかよくわからない」と理解してくれれば大丈夫です。

DXを理解するには少し迂回する必要がありそうです。

その第一歩となるのが、少し前に散々使われていた用語、「IT化」です

IT化とDXはどう違う?

IT(infomation technology)化は90年代半ばに起こったIT革命からビジネスの現場で使われ始めました。

IT化の意味は「それまでアナログでやっていたものをIT技術のものと置き換えること」です。わかりやすい例でいえば、それまで手紙だったものをEメールにする、などです。このIT化はしばしばDXと混同されます。それはIT化とDXは密接に関わっているからです。

それではビジネスの現場でIT化とDXはどのように行われているのでしょう。

ビジネスにおけるIT化の意義

そもそもIT化はなんのために行うのでしょうか。それはアナログでしていた作業をデジタルで代替することで、作業の省略及び自動化をするためです。また、業務の過程や結果をデータとして蓄積することでそれらを分析して業務の改善に役立てることもできます。ビジネスにおけるIT化の意義はここにあります。

IT化の先にDXが待っている

IT化の先にDXがある

DXが目指すところは、それまでアナログでやっていた業務をデジタルに置き換える‐‐IT化の果てに、ビジネスという大きな枠組みの中で変革を起こすことです。これが経済産業省の定義、「データとデジ タル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する」に該当します。

もう少しわかりやすくするために具体例で説明していきます。

例:個人雑貨店の受注方式

とある個人事業主の運営する雑貨店では、実店舗による販売に加えて遠方からの注文や顧客対応を電話にて受け付けていました。

しかし、人気が出てくると電話対応にかかる時間により業務に支障が出てくるようになります。そこで、これまで電話により受けていた注文や在庫確認をECサイトにECサイトへと置き換えました。

ECサイトでは在庫数や販売時期なども分かるようになり、これまでの電話対応業務を完全に置き換える事に成功します。

さて、ここまでの取り組みでDXは起きたと言えるでしょうか。

答えはNOです。

これだけでは局所的にIT化を起こしただけで、ビジネスモデルの変革‐‐すなわちDXが達成できたとは言えません。

では事例をもう少し進めてましょう。

ECサイトへと置き換える事により、これまで業務負荷のため受けられなかった受注も受けられ、順調に売り上げが伸びていきました。

そして数ヶ月後、売上の9割以上がネット注文である事に気が付きます。そこで、店舗経営をやめ、ECサイトによる販売へと完全移行しました。(ビジネスモデルの変革)

こちらの雑貨店では当初店舗による販売以外念頭にありませんでしたが、IT化の結果により自身のビジネスには必ずしも店舗は必要がない事に気が付きました。そしてECサイトへと切り替えるというビジネスモデルの変革へと踏み出します。これがDXです。

DXはビジネスの環境によってその達成目標が変わる

先ほどのは一例ですが、全てのビジネスでIT化を行いビジネスをデジタルへと移行するという事がDXであるという訳ではありません。DXはそのビジネスモデルや時代や環境によって達成目標が変わります。

どういうことかというと、先の雑貨店の事例のような無店舗型のビジネスモデルは、数十年前ならともかく、今やECサイトプラットフォームの充実により、よくあるモデルであるといえます。

DXの肝心な部分は、ただ既存のビジネスモデルをIT化によって変化させるだけではなく、経済産業省がいうところの「業務そのも のや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」です。

つまり「優位性」を確立できないとDXであると言えないのです。

Aさんはおそらく注文があった時、自分で実在庫を確認して、それらを梱包し、発送しているでしょう。もしこれらの作業を、他のライバルとなりうる無店舗型ビジネスモデルも行っていた場合、その部分をIT技術によって自動化することによって優位性を確立することが出来るかも知れません。

例えばAmazonは自らを「ロジスティクスカンパニーである」と称します。

ロジスティクス ――つまり物流を極めるという意味ではAmazonの施策は非常に革新的であり、実験的です。アマゾン・ロボティクスなどはそのわかりやすい例であり、その他のAmazonの実験も含めて、成功の先に、明らかな優位性の確保が期待されています。

社会全体がDXを目指す――競争上の優位性を目指すことで、より効率的で省力的なビジネスモデルが生み出され、グローバルな競争を迫られている日本のビジネス環境の洗練化が期待できます。

つまりDXとはここ十数年で起きた環境の変化に対応するための必須課題なのです。

ロボットを使った物流

DXの事例

漫画雑誌とマンガアプリ

漫画はかつて雑誌や単行本の紙メディアで消費されていました。

有料の本を本屋などに届け、ユーザーにお金を出して買ってもらうというビジネスモデルに対して、マンガアプリは無料型の広告収益を中心としたビジネスモデルだと言えるでしょう。かつて電子書籍は紙のものを画像や専用のテキストデータとして変換し買ってもらう代替行為でしかありませんでしたが、無料マンガアプリやサブスクリプションモデルの登場によりマンガにまつわるビジネスモデルは変革を迫られています。

紙には紙の、電子には電子の優位性があるのでどちらがより優れているとは現時点では言えませんが、例えば物流、利用しやすさ、ユーザー層の変動などの様々な要因によって今後もDXは目指されていくでしょう。

スマートフォンとフリマアプリ

フリマアプリに限らず、ユーザー同士が実際にものをやり取りする際、最も大きなハードルは「出品」です。商品の詳細を打ち込むことは手間である反面、正確な情報が欠けていると受注の機会を失ったり、後々のトラブルの元にもなります。

そこでアプリによっては、商品についているバーコードをスマートフォンで読み取ることである程度の商品情報を自動で追加できます。

この機能はあるアプリとないアプリでは明らかな優位差があります。

次にフリマアプリがDXで目指すべきものは「発送」かもしれません。未だに発送はユーザーが工夫するべき「手間」であり、ビジネスモデルにおけるこの部分が変革されたサービスが出れば現在の市場において明らかな優位性が生まれることでしょう。

まとめ

DXは「主に業務のIT化によって既存のビジネスモデルに変革を起こし、ビジネスの競争における優位性を確立すること」です。闇雲なIT化、データの乱用、なんとなくのアプリケーションの導入がDXではなく、その施策が既存のビジネスモデルからどのように変革を起こし、ユーザーに新しい価値を届けることができるかを基準に考えるのが肝要です。

今やユーザーは世界中のサービスをインターネットを通じて受けることが可能になりました。加速度的に効率化、省略化されていく世の中の環境変化に対応していくためにも、DX戦略を行うことが今後のビジネスシーンにおける必須課題と言えるでしょう。

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