2022.05.27

EDIとは?電子化のメリット・デメリットから2024年問題、導入事例まで徹底解説

EDIとは?電子化のメリット・デメリットから2024年問題、導入事例まで徹底解説

EDIとは、「Electronic Data Interchange」の略で、専用回線や通信回線を利用して発注書や請求書をやりとりすることを指します。今回は、EDIのメリット・デメリットをはじめ導入手順やおすすめのツールについて詳しく解説します。

EDIとは

EDIとは、専用回線や通信回線を利用して、発注書や請求書をやりとりすることです。企業間における取引の効率化、業務負担の軽減などを目的として導入されます。
EDIを用いた取引の具体例は、BtoBで商品を売買するケースです。たとえば、卸売業者Aが小売業者Bに商品を販売するケースでは、BからAへの発注書、AからBへの納品書や請求書をEDI経由で送信します。
EDI経由で送信されたデータは、自動でPCに取り込まれて取引の当事者はどちらも自由にアクセスできます。

EDIの意味

EDIは、Electronic Data Interchangeの略称です。和訳すると「電子データ交換」となり、ビジネス文書の電子化をEDIと呼ぶのが一般的です。なお、EDIは物流業界においてもよく用いられます。
主な目的は、受発注の管理や出荷指示、その他業務の効率化です。「JTRN」や「物流XML/EDI標準」などの標準規格に統一されており、XML形式でのやりとりに適しています。

EOSとの違い

EOS(Electronic Ordering System)の略称です。和訳すると「電子発注システム」となり、EDIの一部として扱われます。EOSはあくまでもEDIの一部に過ぎず、発注業務を自動化するシステムです。スーパーマーケットのような小売店において導入されるケースが多く、発注や仕入れ、支払いなどの業務をシステム上で管理できます。

EDIの種類

EDIの種類
EDIは、システムの特徴によっていくつかの種類に分けられます。EDIは相互に互換性のあるシステムを利用しなければならないため、種類とそれぞれの違いを把握しておくことは非常に重要です。
以下では、EDIの種類について解説します。

個別EDI

個別EDIとは、専用のシステムを構築するEDIです。取引先ごとに通信形式や識別コードがわりふられており、個々の取引先に対して個別のEDIを構築する必要があります。
取引先の要件に応じて仕様を設定できる一方、取引先ごとに異なるEDIのデータを変換して管理する手間がかかります。また、個々にEDIを構築する時間やコストがかかる点もデメリットです。

標準EDI

標準EDIとは、通信形式やフォーマットを標準化して、複数の企業が同一の規格で取引するEDIです。同一の規格に対応できる企業とはスムーズにやりとりができるうえ、標準規格のEDIから社内用データに変換するだけで複数の企業と取引ができる点がメリットです。
一方、取引先企業が標準化されたEDIへの対応が難しい場合、管理が煩雑になってしまうおそれもあります。

業界VAN

業界VANとは、特定の業界に特化したネットワークサービスを用いて取引するEDIです。標準EDIの一種として扱われますが、通信プロトコルやフォーマットを変換してやりとりできるため、異なる機種間でも取引が可能です。
一方、業界VANは特定の業界において取引をする目的で構築されているため、他業界との取引には利用できないデメリットもあります。

Web-EDI

Web-EDIとは、インターネット回線を利用して取引するEDIです。システムを構築する手間がかからないうえ、ブラウザ上で手軽に利用できる点がメリットです。
しかし、いまだWeb-EDIは標準化されておらず、導入している企業もそれほど多くありません。そのため、Web-EDIを導入するには、取引先の利用しているEDIシステムの通信プロトコルが、Web-EDIに対応していることを確認する必要があります。

Web-EDIについては以下の記事で詳しく解説しております。
WEB EDIとは? 導入メリット・デメリットをご紹介

EDIを取り巻く現状

EDIを取り巻く現状
EDIは企業間の取引において業務を効率化できるツールですが、いくつか問題点も指摘されています。
とくに2024年問題やセキュリティ問題は、EDIを利用している企業にとって大きな課題です。
以下では、EDIを取り巻く現状について解説します。

2024年問題

2024年問題とは、2024年1月をもってNTTがISDNサービスを終了することです。従来、固定電話回線として広く用いられていましたが、新たな加入者の減少にともなって廃止が決定されました。
しかし、電話回線を用いるEDIの中にはISDNを利用しているものも多く、企業はEDIの再構築を迫られています。ただし、EDIは取引先と互換性のあるシステムを利用しなければならないうえ、長年利用したシステムの再構築にはコストや時間がかかるなどの懸念点もあがっています。

Web-EDIのセキュリティ問題

Web-EDIは手軽に利用できるうえ、前述の2024年問題にも対応できるメリットがありますが、セキュリティ面では従来型のEDIに劣っています。通常のインターネット回線を利用するため、サーバーへの攻撃や回線への不正アクセスがあると、情報が漏えいしてしまうリスクがあります。
Web-EDIを利用する際は、セキュリティ対策や定期的なメンテナンスが必須です。

電子帳簿保存法の改正

2021年度、帳簿書類の電子データ保存に関する電子帳簿保存法が改正されました。EDI経由で取引したデータは電子データに分類されるため、電子帳簿保存法にのっとって管理しなければいけません。
2021年度の改正において、電子データの保存に関する要件は大幅に緩和されました。今後、EDIの導入を検討している企業の担当者は、変更の内容についておさえておきましょう。

EDIのメリット

EDIのメリット
EDIの導入は、発注や請求に関する業務効率化のほか、正確な取引やペーパーレス化にも効果的です。EDIの導入に際してどんなメリットがあるのかを知っておくと、システムを導入すべきかの判断にも役立ちます。
以下では、EDIのメリットについて解説します。

発注・請求などの業務効率化

EDIは、専用回線を用いて取引をするだけではなく、一部の業務を自動化できるシステムです。発注や請求に関する書類は電子データとして取引されるため、書類を送付する手間がなくなります。
確認や検収も含めると、相互にやりとりをする必要があり、発注側と受注側の双方が工数を削減できるでしょう。

入力ミスの防止

紙媒体で取引をする場合、スタッフが書類に記載してある情報をもとに対応するため、ヒューマンエラーのリスクを避けられません。
しかし、EDIを導入するとシステムを介して電子データで取引するため、転記や集計は自動で算出されます。人的作業が減る分、ミスも発生しにくくなるメリットがあります。

ペーパーレス化の促進

紙媒体の取引を電子化することによって、ペーパーレス化につながります。紙や印刷、書類の送付にかかるコストを削減できるだけでなく、企業として環境問題に貢献できる点もメリットです。
ペーパーレス化によるコストの削減は、取引先の数が多いほど、効果を発揮するでしょう。

EDIのデメリット

EDIのデメリット
EDIは利便性に長けている一方、導入時のハードルやEDIならではのトラブルなどのデメリットもあります。あらかじめデメリットを把握しておくことは、万が一トラブルが起こった際のリスクヘッジにもつながるため、非常に重要です。
以下では、EDIのデメリットについて解説します。

取引先のシステムとの互換性が必須

EDIを利用するには、受注側と発注側の双方がシステムを利用できる環境でなければいけません。つまり、EDIを導入していない企業との取引において、EDIを用いた電子化は不可能です。
さらに、双方のシステムに互換性が必須である点にも注意が必要です。そのため、導入時には、取引先が利用しているシステムとの互換性を意識するとよいでしょう。

導入にはコストがかかる

EDIに限らず、システムの導入には費用がかかります。そのため、予算に余裕のある企業でないと導入は難しいでしょう。また、コストに見合うだけのリターンがあるかどうかも重要な要素です。
利便性の高いシステムとはいえ、紙ベースで取引をした場合に比べて、どの程度コストや工数を削減できるかはチェックしておかなければいけません。

システムトラブルが発生するリスク

EDIをはじめとするシステムには、トラブルがつきものです。システム障害や通信エラーが発生すると、正常にデータを取引できなくなる可能性もあります。しかし、万が一EDIが利用できなくなった場合に、取引がストップしてしまうようでは取引先に迷惑がかかります。
EDIが利用できない場合の代替方法、EDIトラブルへの対応フローなどを事前に決めておくことが大切です。

EDIの導入手順

EDIの導入手順
EDIは、企業間の取引のおいてはよく用いられますが、日常生活の中ではなじみのないシステムです。そのため、具体的な導入手順がわからない方も多いはずです。
以下では、EDIの導入手順について解説します。

ステップ1.EDIの種類と構築方法を決める

まず、導入に際してEDIの種類と構築方法を決めます。EDIの種類は、前述の個別EDIや標準EDI、Web-EDIなどです。
構築方法には、ゼロから開発するフルスクラッチ、既存のパッケージをもとに開発するハーフスクラッチなどがあります。また、SaaSやクラウドシステムをデフォルトの機能のみで利用する手もあります。
EDIの種類や構築方法は、要件に応じて決めるとよいでしょう。

ステップ2.自社に適したシステムを探す

種類と構築方法が決まったら、その中から自社に適したシステムを探します。
システムを選ぶ際の基準は、業務課題を解決できるか、導入や運用にかかる費用が予算内におさまるかの2点です。まずはこの2点を重視しつつ、それでも複数の候補がある場合には管理画面の使いやすさをもとに選ぶのがおすすめです。

ステップ3.導入の準備をする

導入するシステムが決まったら、本格的な準備に入ります。具体的には、社内向けマニュアルの作成や運用体制の整備、業務フローの周知などがあげられます。
準備がおろそかになってしまうと、導入後の業務に支障が出るおそれもあるため、入念な準備は必須です。

EDIの導入事例

EDIの導入事例
EDIは、物流や小売をはじめ、BtoBの取引がある業界において導入されています。EDIの導入を検討したり、スムーズな取引を実現したりするうえで、導入事例を知っておくことは重要です。
以下では、EDIの導入事例について紹介します。

【物流】第一倉庫冷蔵株式会社

第一倉庫冷蔵株式会社は、1958年創業の老舗総合物流会社です。2004年から利用していたシステムはWindows XPで運用していましたが、サポート終了にともない新たなECパッケージ「ROS3」に乗り換えました。
複数のプロトコルに対応しているROS3は、従来のシステムで利用していた全プロトコルに対応できるうえ、サーバー構成がシンプルな点が導入の決め手となりました。一元管理によって全社との取引状況を把握できるほか、ログの日本語出力も強みです。

【小売】株式会社スリーエフ

株式会社スリーエフは、コンビニエンスストアを展開する小売企業です。同社の基幹システム「T-TIMES」で利用するEDIとして「ROS3」を導入しています。コンビニエンスストアは納品までのリードタイムが短いため、つねに安定して稼働するシステムを導入する必要があり、実績のあるROS3が選ばれました。また、多くの取引先と円滑にやりとりを進めるうえでHTTPSのプロトコルに対応できる点も決め手の一つです。

【比較用】EDIツールのおすすめ5選

【比較用】EDIツールのおすすめ5選
EDIツールにはさまざまなものがあるため、どのシステムを導入すべきか迷ってしまう方も多いでしょう。そんなときは導入実績が豊富なツールを中心に、各システムの特徴を比較してみるのがおすすめです。
以下では、おすすめのEDIツールと特徴について解説します。

スマクラ

スマクラ
https://www.smclbms.com/smcl
スマクラは、8,000サイト以上への接続実績をもつEDIツールです。幅広い業界において用いられており、従来型のEDIとWeb-EDIの双方に対応できる点が評価されています。
365日24時間体制でサポートを提供しているため、万が一トラブルが発生した際も安心です。

らくうけーる

らくうけーる
https://www.rakuuke.com/
らくうけーるは、商品の受発注に強みをもつEDIツールです。FAXとWebのどちらにも対応できるうえ、日によって入荷量や価格が変動する生鮮品の受発注も使い分けられます。
タブレットやスマートフォンでも利用できるほか、WindowsやMacなどのOSを問わず導入可能です。

BtoBプラットフォーム受発注

BtoBプラットフォーム受発注
https://www.infomart.co.jp/products/asp.asp
BtoBプラットフォーム受発注は、販売管理や会計、店舗管理、倉庫管理などのシステム連携を得意とするEDIツールです。自社で運用中のシステムと連携できるため、システムの入れ替えは不要かつ業務効率を大幅に向上させられます。
導入にかかる期間が1~2か月程度と短い点も魅力的です。

TRADESHIFT

TRADESHIFT
https://tradeshift.com/ja/
TRADESHIFTは、世界最大級のEDIツールです。基本的な機能は無料で利用できるうえ、世界的に導入されているシステムのため、海外企業との取引が多い現場では重宝されるでしょう。
使いやすいUIも高い評価を受けている要因です。

ACMS WebFramer


https://www.dal.co.jp/products/webedi/webframer/outline.html
ACMS WebFramerは、中小事業者との取引が多い企業におすすめのEDIツールです。一般的なEDIは取引先においても同様のシステムを導入する必要がありますが、ACMS WebFramerはWebブラウザさえあれば利用できます。
多言語対応も実装されており、越境取引のある企業にも向いています。

まとめ

まとめ
EDIは、BtoB取引を円滑に進めるためのツールとして長く利用されています。
しかし、2024年のISDNサービス終了にともない、大きな転換期を迎えています。今後はSaaSやクラウドなどのWeb-EDIが主流となるでしょう。
そのため、すでにEDIを利用している企業にとっても見直しのタイミングが訪れています。EDIの導入やシステム入れ替えの際は、ツールごとのメリットやデメリットを理解したうえで、自社に適したプラットフォームを選択することが大切です。

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