- 最終更新日: 2026.01.14
- 公開日:2021.09.29
単なるEDIの進化版ではない「BtoB EC」〜エンタープライズ企業のためのBtoB ECガイド〜

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BtoB EC(B2B EC)とは、「Business to Business Electronic Commerce」の略で、企業間取引をオンライン上で行う電子商取引の仕組みを指します。
従来、企業間の受発注業務はFAX・電話・メールを中心に行われてきました。しかし近年は、業務効率化や人手不足、働き方の変化を背景に、こうした業務をデジタル化・標準化する取り組みが広がっています。実際に、経済産業省の市場調査では、国内BtoB-EC市場規模が拡大し、EC化率も上昇傾向にあることが示されています(2024年:BtoB-EC 514.4兆円、EC化率 43.1%)。
本記事では、エンタープライズ企業のEC担当者に向けて、BtoB ECの基礎から具体的な活用方法、さらにクラウド/SaaS型BtoB ECプラットフォームを検討する際の観点までを整理します。
目次
BtoB ECとは何か?Web-EDIとの違い
企業間取引のデジタル化と聞くと、Web-EDIを思い浮かべる方も多いでしょう。Web-EDIは、受発注や請求などの取引データを、あらかじめ合意したフォーマットで電子的にやり取りする仕組みとして運用されます。業界によっては、ファイル転送型EDIを補完する形でWeb-EDIを活用し、併用していく考え方も示されています。
一方、BtoB ECは、ECサイトの仕組みを企業間取引に適用し、
- 商品情報をオンラインで提示する
- 取引先ごとに価格や条件を設定する
- 見積から注文までの流れを一元化する
- 購買履歴を活用し、再注文をしやすくする
といった、「取引条件」や「購買体験」を含めて設計しやすい点が特徴です。
役割の違い
- Web-EDI:定型的な取引データ交換の効率化に向く
- BtoB EC:取引条件や購買プロセスを含め、柔軟に設計しやすい
実務では、BtoB ECとWeb-EDI、さらに基幹システムを併用し、それぞれの役割を分担するケースもあります。
なぜ今、BtoB ECが求められているのか

BtoB ECの検討が進む背景には、次のような課題があります。
- 受発注業務が電話やメールに分散している
- 対応時間が限られ、業務が属人化しやすい
- 在宅勤務や拠点分散に対応しづらい
BtoB ECは、これらの課題を仕組みで吸収し、
- 受注業務の標準化
- 顧客によるセルフオーダー
- 情報の一元管理
を目指す際の有力な選択肢になります。
BtoB ECで活用される主要な機能

クローズドショップ(会員制BtoB EC)
BtoB ECでは、不特定多数に商品を公開しないクローズドショップ型が採用されることがあります。用途としては、以下が代表例です。
- 既存取引先専用の受発注サイト
- 代理店向けのポータルサイト
- 製造業における部品・消耗品の販売
ログイン必須や管理者承認制を設けることで、取引先の契約条件や与信状況に応じた運用が可能になります。
会員グループによる取引条件の管理
BtoB取引では、取引先ごとに条件が異なるのが一般的です。
- 販売価格
- 購入可能な商品
- 決済方法
会員グループ機能を活用すれば、これらの条件をルールとして整理・管理でき、運用の属人化を防ぐことができます。
オンライン見積機能
BtoB取引では、見積を取得し、社内承認を経てから注文する流れが採られることがあります。オンライン見積機能により、
- ECサイト上で見積書を自動発行できる
- 見積からそのまま注文へ進める
ようになり、営業部門・バックオフィス双方の業務負荷を軽減できます。
ロット購入・バンドル購入・リピート購入
BtoB ECでは、以下のような購買形態に対応することが重要です。
- ロット購入:最低購入数や最低購入金額を設定する
- バンドル購入:関連商品や部品をセットで販売する
- リピート購入:過去の購入商品を簡単に再注文できるようにする
特に製造業では、関連部品を迷わず購入できる導線を用意することが、アフターセールスの強化につながります。
アフターセールス・レンタルへの活用

アフターセールスでの活用
高額商品の初回契約は営業担当が対応し、2回目以降の追加購入や部品販売をBtoB ECに任せる運用は、現実的な選択肢になり得ます。顧客は問い合わせの手間なく必要な商品を購入でき、企業側は業務効率化と売上の取りこぼし防止を両立できます。
レンタル業務への応用
貸出・返却・期間管理などの要件に対応できる場合、BtoB ECをレンタル受付の窓口として活用することも可能です。ただし、対応の可否はプラットフォームや設計内容によって異なります。
BtoB ECプラットフォーム選定の考え方

BtoB ECの立ち上げでは、最初から完璧を目指しすぎないことが重要です。
エンタープライズ企業が重視すべき視点
- 基幹システム(ERP・販売管理など)との連携
- 権限管理や承認フローへの対応
- セキュリティと運用統制
- 将来的な拡張性
クラウド/SaaS型のBtoB ECプラットフォームは、スモールスタートと段階的な拡張に適した選択肢になり得ます。
クラウド型BtoB ECプラットフォームの具体例:GMOクラウドEC
クラウド型BtoB ECプラットフォームの一例として、「GMOクラウドEC」が挙げられます。「GMOクラウドEC」は、BtoB ECを含むさまざまなECビジネスに対応可能なクラウド型ECプラットフォームで、スモールスタートから事業成長に応じた拡張までを見据えた設計が特徴です。
GMOクラウドECでは、独自の業務ロジックを外部化するアーキテクチャを採用しており、カスタマイズ性とアップデート性の両立を図っています。また、WebhookやAPIを通じて、基幹システム(ERP・販売管理・CRMなど)との連携を前提とした構成が可能とされています。
そのため、BtoB ECにおいて求められやすい、取引先別の価格・権限管理、承認フロー、既存システムとのデータ連携といった要件にも対応しやすく、エンタープライズ企業における段階的なEC導入・拡張の選択肢の一つとなります。
ただし、どのプラットフォームでも共通して言えることですが、実際の適合性は業務要件や運用設計によって大きく左右されます。RFP(提案依頼書)レベルで、「標準機能で対応する範囲」と「追加開発・外部連携が必要な範囲」を整理したうえで、自社に適したプラットフォームを検討することが重要です。
→「GMOクラウドEC」のBtoB ECサイト構築について詳しくはこちらから
まとめ|BtoB ECは「取引を支える基盤」へ
BtoB ECは、単なる受発注業務の効率化ツールではありません。取引条件を整理し、顧客との接点をECに集約することで、
- 業務効率化
- 顧客体験の向上
- アフターセールスの強化
を支える、企業間取引の基盤となります。
まずは標準化しやすい領域から導入し、運用を通じてデータとノウハウを蓄積しながら、段階的に拡張していくことが、BtoB EC成功への近道です。











