• 最終更新日:2022.08.31
  • 公開日:2022.08.31

【2022年6月施行】特定商取引法の改正のポイント EC事業に対する影響は?

【2022年6月施行】特定商取引法の改正のポイント EC事業に対する影響は?
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特定商取引法の改正が令和3年6月に公布され、1年後の令和4年6月に施行されました。ここでは特定商取引法の改正のポイントを押さえ、EC事業を中心にどのような影響があるのかを解説していきます。

特定商取引法の成立の経緯と意義

特定商取引法とは正式名称を「特定商取引に関する法律」といい、被害を受けやすい特定の商取引に関して、一定の規制を設けて消費者を保護することを目的とした法律です。その歴史は古く、昭和51年から存在しています。

特定商取引の7つの類型

消費者庁のホームページによれば特定商取引には以下の七つの類型があります。

①訪問販売

事業者が消費者の自宅に訪問して、商品や権利の販売又は役務の提供を行う契約をする取引の事。 キャッチセールス、アポイントメントセールスを含みます。

②通信販売

事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のこと。 「電話勧誘販売」に該当するものを除きます。

③電話勧誘販売

事業者が電話で勧誘を行い、申込みを受ける取引のこと。 電話をいったん切った後、消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合にも該当します。

④連鎖販売取引

個人を販売員として勧誘し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせるかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務の取引のこと。

⑤特定継続的役務提供

長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。 現在、エステティックサロン、語学教室など7つの役務が対象とされています。

⑥業務提携誘引販売取引

「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のこと。

⑦訪問購入

事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引のこと。

(引用:特定商取引法ガイド https://www.no-trouble.caa.go.jp/より)

 

その特定商取引についての法律の改正が令和4年の6月に施行されます。

今回の改正は主に上記の②通信販売を中心に行われました。

同年3月に消費者庁取引対策課より実施された「令和3年特定商取引法・預託法等改正に係る令和4年6月1日施行に向けた事業者説明会」にて経緯と改正のポイントが説明されています。

改正のポイント①通信販売に関する規定の新設

詐欺的な定期購入商法についてのトラブルが増えている近年、消費者庁への相談件数は2015年の4141件から2020年には59560件まで増加しています。

詐欺的な定期購入によるトラブル

消費者庁は主に二つの手口で定期購入での詐欺が行われていると発表しました。

  • ・「初回無料」や「お試し」と表示があるのに実際には定期購入が条件となっていた。
  • ・「いつでも解約可能」と表示してあるのに、実際には解約に細かい条件があった。

登録画面では以上の文言を強調しつつも、離れた場所に非常に小さい文字で定期購入であることのアナウンスや、解約条件を表示しているケースがあり、酷いものになると表示していないことさえありました。

以上を受けて、通信販売の申し込み段階において、商取引を行う上で通常必要な基本的事項として、「定期購入である場合その表示を義務付けること」、また、「誤認させるようにな表示を禁止」するように改正されます。

改正のポイント②電磁的記録による、クーリングオフの導入

消費者と事業者が継続的なサービス(特定継続的役務提供)の契約を締結した場合、事業者は特定商取引法の42条に規定された書面を消費者に渡さなければなりません。消費者はその書面を受け取ってから8日以内であれば、書面により契約を解除することができます。これがいわゆるクーリング・オフです。クーリング・オフは以上のケース以外にも、契約の際に事実と違うことを告げたり、脅したり、不安を感じさせたことにより、契約者が困惑したり、誤認したりしてクーリングオフをしなかった場合、上記の期間が経過していても書面によってクーリング・オフすることが可能になります。クーリング・オフの書面に関しては、送付と受け取りの記録を残すために、書留、内容証明郵便や特定記録郵便で送ることがいいとされています。

このクーリング・オフについて、今回の改正により、従来の書面に加え、電磁的記録(EメールやUSBメモリの送付)によって申し込みの撤回、及び契約解除の通知をすることも可能になりました。

改正のポイント③預託取引に係る抜本的な規制強化

預託取引とは、以下のようなケースを指します。

  • ①事業者が提供する物品を消費者に販売
  • ②消費者は物品の代金を事業者に支払う
  • ③消費者は購入した物品を事業者に預ける(預託)
  • ④事業者は④で預かった物品を第三者のユーザーにレンタルする
  • ⑤レンタルユーザーが事業者にレンタル料の支払いを行う
  • ⑥事業者が⑤で得られたレンタル料から、預託している消費者に対して配当金と称するお金の支払いをする

実際には、この事業者によるレンタルの実績や運用による利益が無かったり、預かったとされる物品がほとんどないという実態があったようです。

このような預託取引は原則禁止とされています。

改正前は特定商品制(規制対象を政令指定)の物品が規制対象とされていました。

  • ・貴石、半貴石、真珠、貴金属
  • ※それらを用いた装飾用調度品、身辺細貨品を含む
  • ・凡才、鉢植えの草花、その他の観賞用植物
  • ※切花、切枝を除く
  • ・哺乳類、鳥類に属する動物
  • ※人が飼育するもの
  • ・自動販売機、自動サービス機
  • ・動物及び植物の加工品で人が摂取するもの
  • ※一般の飲食の用に供されないもので医薬品を除く
  • ・家庭用治療機器

改正後は以上の商品に限らず、規制対象の範囲が全ての物品に拡大されます

ECサイト・通信販売に関する様式等における表示義務について

改正法第12条の6において「事業者が定める様式等に基づいて申し込みが行われるもの」について通信販売の申し込み画面での表示について規定が示されました。

ECサイトにおける表示義務について

通信販売においては、カタログ・チラシ等を利用したものとインターネットを利用したものに分類されます。

それぞれの表示義務が適用されるのは以下の通りです。

  • ・カタログ・チラシ等を利用したもの→申込書面(申込用はがき、申込用紙等)
  • ・インターネットを利用した通信販売→最終確認画面に相当する画面

※事業者が定める様式に基づかない申し込み(テレビのCMを視聴した消費者が電話で行う申し込み)は対象外になります。ただし、電話の後、申込を郵便やインターネットで行う場合は対象に含まれます。

表示義務とされる項目

ECサイト事業において、以下の項目を最終確認画面に表示する必要があります。また、広告上の表示義務も改正によって変わっているのでよく確認しましょう

〇分量

この項目では、商品の場合は数量サービスでは回数の表示が必要です。商品やサービスの受け渡しが期間で区切られる場合(定期購入契約など)その期間を表示し、一回に購入者に引き渡される商品・サービスの分量と、回数の合計、そして期間契約中すべての引き渡しが終わった場合の合計した送料を表示する必要があります。

また、無期限で期間が区切られないものを販売する場合、一年間や一か月など、一定の期間を区切った分量を目安に表示するといいでしょう。

サブスクリプションなど契約期間中に物品やサービスの権利が発生するものは、利用回数が決められている場合はその回数を表示します。サービスの提供期間について、自動更新である場合や、上述のような無期限である場合も明記するべきでしょう。

〇販売価格・対価

物品の場合、送料を含めた販売価格、複数の場合は総額も表示します。サービスの対価も同様です。

定期購入の場合は一回ごとの価格と期間中の総額の表示が必要になります。

無期限である場合は分量と同じく、一定の期間に区切った価格を目安として示します。サブスクリプションの場合、無料期間から有料に切り替わるケースが想定されますが、自動で切り替わる場合はいつ移行するのか、そしてその後に支払う金額も必要です。

〇支払時期及び支払い方法

支払い方法は、クレジットカードや銀行の振り込み、コンビニでの支払いや、商品の場合は代金引換などもあります。

いずれの場合も、前払いか後払いかを明記し、かつその支払いをいつまで完了するかを表示しましょう。定期購入やサブスクリプションの場合も支払いがいつになるかを明示する必要があります。

〇引き渡し時期・移転時期・提供時期

物品や商品がいつ消費者に提供されるのかを説明する必要です。

物品の場合、配送が必要になります。配送の状況によって商品が提供される時期は左右されますが、注文の段階での配送時期の見込みを表示しましょう。

〇申込みの期間がある場合、その旨・その内容

申し込み期間がある場合、期間限定で値段が安くなるなどのタイムセールが想定されます。タイムセールや期間限定で販売されるサービス、物品の場合はその期間を明示する必要があります。

また、期間限定で値引きしていると表示して販売しているにも関わらず、その期間を過ぎても同じ値段で販売していた場合、不要表示となる可能性があるのでタイムセールの値引きでは注意しましょう。

〇申し込みの撤回・解除に関する事項

この項目では、実際に撤回や解除するための方法や条件を表示する義務があります。定期購入などの期間が区切られたサービス・物品の場合、期限を示した上で、違約金及び購入者に不利益が生じる契約の場合は内容も表示しましょう。解約に条件がある場合「お試し」や「トライアル」、「いつでも解約可能」など人を誤認させるような表示は認められません。

方法を明示した場合でも、その撤回や解除方法が不当に複雑だったり、困難であるように消費者の撤回・解除の権利を不当に制限する場合は契約そのものが無効になる場合があります。

広告上の表示義務事項について

「申し込み期間がある場合、その旨・その内容」を追加する必要があります。期間限定で料金が安くなる場合、その期間を明示する義務があります。

また役務提供契約(サービスのこと)についても「申し込みの撤回・解除に関する事項」を表示する義務が生じました。物品ではなくサービスを販売する場合も、申し込みの撤回方法や解除についての事項を広告に表示する必要があります。

申込書面における表示方法

基本的に上記の内容を申込書面に該当する枠内に全ての事項を表示します。

ただし、形式上全ての事項を申込書面に記載できない場合や全ての事項を記載するとかえってわかりにくくなる場合は、消費者が明確に認識できることを前提として、対象となる表示事項・参照箇所を明記し、広告の該当箇所などを参照させる形式も可とされています。

最終画面における表示方法

ECサイトなどの最終画面においては、上記と同じく最終画面に全ての事項を網羅的に表示しなければなりません。

ただしECサイトは消費者の閲覧する環境によって画面の大きさや表示形式が異なる可能性があります。またECサイトなど扱っている点数が多い場合、商品ごとに販売条件等が異なるなど、全ての事項を記載するとわかりにくくなる場合もあります。

その時は消費者が明確に認識できることを前提として事項・参照箇所を明記し、広告の該当箇所などを参照させる形式も可とされています。

 

まとめ

令和4年6月から特定商取引法の改正によって、ECサイト事業者には、その商品や役務提供の販売の最終確認画面において様々な項目の表示義務が発生します。法律の規定をよく確認して、知らない間に違反していた、なんてことにならないように注意しましょう

参考:消費者庁 事業者向け説明会資料

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2021/assets/consumer_transaction_cms202_220322_01.pdf

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