• 最終更新日: 2019.11.29
  • 公開日:2019.11.29

【前編】【2019年度版】ECパッケージの魅力と選び方を徹底解説

【前編】【2019年度版】ECパッケージの魅力と選び方を徹底解説
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ECパッケージの魅力


ECサイトの開設を検討するにあたり、ECサイトの開設を検討しているけれど何から始めたらよいか分からない、ECパッケージは種類が多すぎて選べないという方は意外に多いです。「ECサイトの運営は難しくて手間がかかりそう」「専門的なことは分からない」という理由で導入を悩んだり、諦めてはいませんか?

このようなお悩みをお持ちの方に「ECパッケージ」は強い味方となります。ECパッケージには、ショッピングカートやサイト内検索などの基本的な機能をはじめ、商品登録や在庫管理、クーポン発行、セール開催など運営をサポートする機能も備わっていることが多いです。更に専門的な知識をお持ちでない方でも直感的に使える仕組みになっています。ゼロからECサイトのシステムを構築する必要はありません。自社に合わせたカスタマイズを行えることもあり、多くの企業が導入しています。

とはいえ、多くのECパッケージの中から自社に合ったサービスを選ぶには、正しい知識や情報が重要となります。そこで、ECパッケージとは何か、SaaSとの違いやメリット、特徴などをご紹介いたしますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

ECパッケージを解説

ECパッケージは、ECサイト(ネットショップ)を構築・運営するために必要となる機能をパッケージ化したものです。カート機能や商品検索など基本的な機能はもちろん、商品管理や会員管理、売上分析など、運営者にとって必要な機能がはじめから備わっています。システムをゼロから構築する必要がないので、構築にかける時間を短縮することができ、運営もスムーズに行えます。自社のイメージに沿ったデザインや機能を持たせるなどのこだわりのカスタマイズにも対応可能です。またクーポンの発行やキャンペーン・セールなど、独自のプロモーションに対応できるほか、複数のショップを開設したり、越境ECやオムニチャネルにも柔軟に対応できます。さらには販売管理システム、顧客管理システム、物流システムなどとのシステム間連携にも対応でき、より一層の業務効率化を図ることも可能です。

ECパッケージの市場規模

平成29年度、経済産業省の電子商取引に関する最新の調査では、国内BtoC-EC市場(法人と個人間の電子商取引)が16.5兆円を突破したと発表されました。前年度は15.1兆円で、前年比は9.1%増です。また、BtoB-EC(企業間電子商取引)も、317.2兆円を突破し、前年度の291.0兆円と比較し、9.0%増と、いずれも大きな伸び率を示しています。

経済産業省においても電子商取引の調査や促進など、ECサイトへの高い関心度と注力が伺えます。これは今後ますます電子商取引の市場が拡大し、国内のみならずグローバルな展開を見越していると思われます。

スマートフォンを始め、多くの端末が普及した現在、エンドユーザーが出向く必要がなく、どこに居ても快適でスムーズな購買が当たり前となってます。販売側は、そうした背景を踏まえ、顧客が購買しやすいシステムを構築し、且つ顧客が望む以上のサービスを提供することが急務となっているのが現状です。

今後、より拡大する電子商取引市場に合わせ、ECパッケージの市場規模も拡大を見せることは間違いありません。急成長を遂げている今こそ、正しい知識を学び、電子商取引市場でも利益を出せる企業へと成長できるよう準備しておくことが大切です。

ECパッケージは、どういう運営者(会社)向けか?

ECサイトの構築方法は様々ありますが、競合のECサイトに対抗するためには他社との差別化が必要です。SaaSは初期費用が少なくて済み、操作も比較的容易ですが、デザインはテンプレートに依存することが多く、また独自機能のカスタマイズに制約があることが多いです。

ECパッケージは小規模~大規模ECサイトまで対応が可能で、店舗の大小や商品の数、種類なども選びません。ただし、初期費用は導入しやすいASPに比べ高額になります。趣味で始める方や、個人事業主としてのショッピングサイトの運営であれば、まずはSaaSから始めて、売り上げが伸びてきたらECパッケージへの乗り換えを検討するのも良いでしょう。

また、自社製品を海外へアピールして販売したい方や、顧客の実店舗での購買パターンや利用頻度などを把握したい経営者の方にとっても、越境ECやオムニチャネルに対応可能なECパッケージは強い味方になります。

ECパッケージとSaaSそれぞれのメリット


ECパッケージとSaaSのメリデメを解説

ECパッケージとSaaS、どちらを選べばよいか悩まれる方の中には、ECパッケージとSaaSのサービスを混同し、選択肢を増やしてしまっている人がいます。まずは、ECパッケージとSaaSの違いと、それぞれのメリット・デメリットを知り、その上でどちらが自社に適しているか比較検討することをおすすめします。

■ECパッケージ
ECパッケージは、ECサイトの構築や運営に必要な機能がパッケージされているサービスで、自社サーバーにインストールして使う「オンプレミス型」と、インターネットを介して運営する「クラウド型」があります。オンプレミス型はアクセス数が多い大規模ECサイトに適していますが、高コストになりやすいという特徴があります。一方クラウド型は、自社サーバーにシステムをインストールする必要がなく、サーバーを管理できるエンジニアがいない企業や、初めてECサイトを運営する方に適しています。近年はハードウェアリソースなどの拡張性、可用性の観点でクラウド型を利用するECサイトが増えています。

■SaaS
SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアを利用者(クライアント)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウェアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用する形態です。ECサイトの構築ソリューションとしてのSaaSとECパッケージは、ECサイト構築や運営に必要な機能が始めから備わっている点は同じですが、費用やカスタマイズの自由度、機能の充実度などが大きく異なります。

■ECパッケージとSaaSの違い
ECパッケージとSaaSの違いを一言で説明すると以下のようになります。

  • ECパッケージ:ECサイトに必要な機能が豊富。デザインや機能もカスタマイズが可能。初期費用は高め。
  • SaaS:ECサイトに最低限必要な機能が備わっている。デザインはテンプレートの中からしか選べないなど、柔軟なカスタマイズができない。初期費用が抑えられる。

 

SaaSは独自の機能を追加したい、外部連携を行いたい、他社とは違うデザインにしたいといったカスタマイズが難しい反面、導入時の初期費用や管理費を抑えられるメリットがあります。対してECパッケージは、自社のイメージに合うデザインや機能にカスタマイズすることが可能で、サポートも充実していますが、その分費用は高めになります。

どちらを選択するかは費用や運営するECサイトの規模にもよりますが、ECパッケージを導入している中規模~大規模企業は数多くあります。デザインやサイトの雰囲気が違うため、同じECパッケージであるかどうか判別できないケースも多々あります。

ECパッケージの最大のメリットは、標準機能の豊富さ、専用環境としてハードウェアリソースの拡張が可能なこと。また、自由にカスタマイズできる点や、デザインもオリジナリティ性を持たせることができるため、他者との差別化を図ることが可能な点も魅力です。ただし、SaaSに比べ初期費用が高額になりがちで、選択するパッケージによっては専門知識を要する人材が必要になったり、不要な機能まで付帯することがデメリットとなる場合もあります。

SaaSは、難しいITの専門知識がなくても直感的に使用できるという利点がある半面、利用者は共通のシステムを使うためデザインが似てしまう、カスタマイズができないなどのデメリットがあります。初期費用は抑えられますが、売り上げが伸び、規模を拡大したいときや、機能を増やしたいときは自由が利かないデメリットがあります。

その他

ECサイト構築の方法は、ECパッケージ・SaaSのほかに、フルスクラッチやオープンソースを利用するという方法もあります。フルスクラッチは、ゼロからECサイトを構築する方法で、システムやネットワーク、自社サーバーなどの専門知識が豊富で、しっかりと管理・運用できる人材がいる会社であれば検討しても良いかもしれません。しかし、セキュリティ上の問題やサーバーにかかる負荷、人件費などの観点から考えると、既にECパッケージやSaaSなどのサービスが向上している現在ではフルスクラッチよりもECパッケージやSaaSを選択した方が効率的ではあります。

オープンソースは、無償のソフトウェアを活用したECパッケージで構築する方法です。ソースコードは無償で入手できるので費用は抑えられ、カスタマイズも自由に行えます。フルスクラッチのようにゼロから開発する必要もありません。その代わり、不明な箇所や問題が発生した場合も自社で対処しなければならず、専門的な知識は不可欠です。

特にECサイトの場合、問題が発生した場合はその間の運用や取引はストップし、信用にも関わるため、フルスクラッチやオープンソースでのECサイト構築は多くの知識と技術を要します。これらの方法でECサイト構築を検討する場合は、十分な実務経験がある担当者がいる前提で検討するとよいでしょう。

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    EC News編集部

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