- 最終更新日: 2025.12.24
- 公開日:2022.07.28
【2025年最新】日本のEC市場規模・動向を徹底解説!BtoB/BtoCの推移とアフター2024の物流課題

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コロナ禍の特需を経て拡大を続けた日本のEC市場は、2025年現在、インフレによる消費マインドの変化や、物流関連法の施行(いわゆる2024年問題)後のコスト増といった新たなフェーズに突入しています。
エンタープライズ企業のEC担当者が今把握すべきは、単なる市場規模の数字だけではありません。「サービス消費への回帰」「BtoB取引のデジタル化」、そして「物流コスト上昇への適応」という構造的な変化です。
本記事では、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査(令和5年度/2024年9月公表)」の確定データを基点に、日本および世界のEC市場規模の推移と、2025年以降の重要トレンドについて専門的な視点で解説します。
目次
日本国内のEC市場規模と推移(BtoC / BtoB)
日本のEC市場は「急拡大期」を終え、社会インフラとしての「定着・成熟期」へ移行しました。ここではBtoC、BtoBそれぞれの最新数値を紐解きます。
BtoC-EC市場:サービス分野の完全回復で約25兆円規模へ
最新の調査結果によると、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、24兆8,435億円(前年比9.23%増)となりました。
特筆すべきは、物販系だけでなく、コロナ禍で落ち込んでいた「サービス系分野」がV字回復し、市場全体の成長を牽引している点です。
| 分野 | 市場規模 | 前年比 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ① 物販系分野 | 14兆6,760億円 | 4.83%増 | 食品、生活雑貨が堅調に推移。EC化率は9.38%へ上昇。 |
| ② サービス系分野 | 7兆5,162億円 | 17.87%増 | 旅行、飲食予約、チケット販売がコロナ前水準を超え急伸。 |
| ③ デジタル系分野 | 2兆6,513億円 | 3.40%増 | 電子出版、動画配信が定着し、安定成長を持続。 |
かつてECは「モノを買う場所」でしたが、現在は旅行やイベントなど「体験(コト)を予約・購入する場所」としての重要性が高まっています。
BtoB-EC市場:465兆円を超える巨大市場へ
エンタープライズ企業が特に注目すべきは、BtoCの約19倍の規模を誇るBtoB-EC市場です。
市場規模は465兆2,372億円(前年比10.7%増)、EC化率は40.0%に達しました。
BtoB領域では、従来のアナログな受発注(電話・FAX)から、Web受注システムやEDI(電子データ交換)への移行が加速しています。これは単なる販路拡大以上に、深刻な人手不足を背景とした「業務効率化」と「コスト削減」が強力な推進力(ドライバー)となっているためです。「卸売」や「製造」におけるデジタル化は、もはや選択肢ではなく必須要件と言えます。
市場規模の「推移」から見るトレンド
過去5年間の推移を見ると、コロナ禍(2020年)以降も市場は縮小することなく右肩上がりを続けています。
【BtoC-EC市場規模の推移(単位:億円)】
- 2019年: 19兆3,609
- 2020年: 19兆2,779(サービス系減により微減)
- 2021年: 20兆6,950
- 2022年: 22兆7,449
- 2023年: 24兆8,435
このデータは、EC利用が一過性のブームではなく、日本の消費行動に完全に定着したことを証明しています。
国内ECモール・サイトの売上ランキングと勢力図

国内EC戦略においては、主要プラットフォームの特性理解が不可欠です。ここでは「流通総額(GMV)」や売上高をベースとした主要プレイヤーの状況を解説します。
3大ECモールの特徴と使い分け
日本のBtoC市場は、引き続き以下の3大モールによる寡占状態です。
- 楽天市場(楽天グループ)
国内流通総額(トラベル等含む)は6兆円規模。
特徴: 「楽天経済圏」による強力なポイントプログラムが武器。リピーター育成やイベント連動型の販促に強みを持ちます。 - Amazon Japan
特徴: 圧倒的な物流網(FBA)による「配送スピード」が最大の強み。型番商品や日用品の指名買いにおいて他を圧倒しています。 - Yahoo!ショッピング(LINEヤフー)
特徴: LYPプレミアムやPayPay決済との連携が鍵。LINEとのID連携が進んでおり、CRM(顧客関係管理)施策の自由度が高まっています。
自社ECサイト(D2C)の動向
モール依存からの脱却やブランディング強化を目指し、自社ECサイトを成長させている企業も増加しています。
売上上位には、ヨドバシカメラ(ヨドバシ・ドット・コム)、ZOZO(ZOZOTOWN)、ユニクロなどがランクインしています。
特にヨドバシカメラは、独自の物流網による「エクストリーム便」でAmazonに対抗しており、実店舗在庫とECをリアルタイム連携させる「OMO(Online Merges with Offline)」の成功事例として注目されています。
【世界・グローバル】EC市場規模ランキング

越境ECを検討する企業にとって、各国の市場規模感を知ることは重要です。eMarketer等の調査データによると、世界のEC市場は依然として中国とアメリカの2強体制が続いています。
- 中国(シェアNo.1)
世界最大のEC市場。ライブコマースやSNS型ECが主流であり、その市場規模は他国を圧倒しています。 - アメリカ
Amazon、Walmart、Shopifyなどが牽引する堅実な成長市場です。 - イギリス
欧州最大のEC市場。EC化率が高く、日本企業の進出先としても有望です。 - 日本
世界4位の規模を維持していますが、成長率の面では新興国に譲る形となっています。
成長率が高い国・地域
市場規模の絶対数では米中が強いものの、成長率で見るとインド、インドネシア、ベトナムなどのアジア新興国が急伸しています。人口増加とスマートフォンの普及が重なるこれらの地域への越境ECは、中長期的なグローバル戦略の要となるでしょう。
2025年以降:EC担当者が直面する「3つの課題」と対策

市場規模は拡大していますが、事業環境は変化しています。今後のEC運営において重要となる3つのテーマを解説します。
1. 物流2024年問題の影響と「送料」のあり方
トラックドライバーの時間外労働規制(物流2024年問題)の施行から1年以上が経過し、輸送能力の不足と配送料の高騰が現実のものとなっています。
対策:
- 「置き配」のデフォルト化やコンビニ受け取りの拡充による再配達削減。
- 顧客単価(LTV)を重視した、送料無料ラインの戦略的見直し。
- 実店舗受け取り(BOPIS)への誘導によるラストワンマイルコストの削減。
2. OMO(オンラインとオフラインの融合)の深化
顧客は「スマホで調べて店舗で買う」「店舗で試してネットで買う」行動をシームレスに行っています。実店舗とECを分断して考える時代は終わりました。
対策:
- 実店舗とECの会員ID・在庫データの一元化。
- アプリを活用した店舗への送客およびECへの誘導。
- 店舗スタッフによるデジタル接客(コーディネート投稿やライブコマース)の評価制度導入。
3. CtoC市場(リユース)と一次流通の共存
メルカリなどのフリマアプリ市場(CtoC)は拡大を続け、消費者の購買行動を変えています。「後で売れる(資産価値がある)から、高くても良い新品を買う」という心理への対応が必要です。
対策:
- 自社でリセール(中古買取・再販)機能を持つ「サーキュラーエコノミー」への参入。
- リセールバリューを意識した、耐久性やブランド価値の高い商品開発。
まとめ
日本のEC市場は、BtoCで約25兆円、BtoBで約465兆円という巨大市場へと成長しました。
しかし、これからの時代は「ECサイトを作れば売れる」フェーズは終わり、「物流コストの最適化」「実店舗とのデータ連携(OMO)」「BtoB業務のデジタル化」といった、経営戦略レベルでのEC活用が勝敗を分けます。
市場データが示す「右肩上がりの推移」を自社の成長につなげるためには、最新の物流事情や顧客の購買行動の変化に即した、迅速な戦略アップデートが必要です。











