• 最終更新日: 2026.06.18
  • 公開日:2026.06.18

ECサイト構築を大手が依頼すべき開発会社とは?費用や選び方のポイントを解説

ECサイト構築を大手が依頼すべき開発会社とは?費用や選び方のポイントを解説
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「大規模なオンラインショップを作りたいけれど、どの会社に任せれば安心だろうか」「既存の基幹システムとの連携や、数万人規模のアクセス集中に耐えられるセキュリティ対策は万全だろうか」と、不安や疑問を抱えているEC担当者の方も多いのではないでしょうか。

大手企業におけるECサイト構築は、単なるWeb制作の領域を超え、企業の経営基盤を支える大規模なシステム開発プロジェクトとなります。事業のさらなる成長を支えるためには、実績が豊富で高い技術力を持つパートナー企業を早期に選定することが不可欠です。

この記事では、大規模なネットショップの立ち上げやリニューアルを検討している担当者に向けて、以下のポイントを分かりやすく解説します。

  • 大規模なECサイト構築を得意とする開発会社の特徴
  • 各構築手法(クラウド・パッケージ・フルスクラッチ)の費用目安と開発期間
  • 失敗しない依頼先の選び方と制作フロー

自社のビジネスモデルや目的に適した依頼先を選ぶことで、長期的な売上アップやバックオフィス業務の劇的な効率化が実現します。プロジェクトを成功へ導くための要点をまとめたので、ぜひ参考にしてください。


目次

大手がECサイト構築を依頼すべき開発会社の特徴

大手企業がECサイトの構築・刷新を外注する際、最も重視すべきなのは「大規模トラフィックへの対応力」「堅牢なセキュリティ実績」を持つ開発会社の選定です。

全国展開するような大企業では、テレビCMの放映や大型セール、SNSでのトレンド入りによって、予測をはるかに超えるアクセスが突発的に集中します。もしシステム負荷によってサイトがダウンすれば、数千万円から数億円規模の機会損失を招くだけでなく、企業の信頼を一瞬にして失う事態に発展しかねません。

このような経営リスクを徹底的に回避するためにも、単に「デザインが優れたサイト」を作る会社ではなく、止まらないシステムを構築できる高度なノウハウと、個人情報を守り抜く防衛策を持つパートナーを選ぶ必要があります。

大規模アクセスに耐える強固なインフラ技術

大手企業のECサイトには、秒間数万件のアクセスや月間数千万PVといった高負荷に耐えうる強固なインフラ技術が求められます。具体的には、AWS(Amazon Web Services)やGoogle Cloudなどのパブリッククラウドを活用し、アクセス数に応じてサーバーリソースを自動で増減させる「オートスケーリング機能」の構築ノウハウが必須です。

さらに、大容量の画像・動画データを分散配信してサーバー負荷を軽減する「Akamai」や「Cloudflare」といったCDN(コンテンツ配信ネットワーク)サービスの導入実績も重要な指標となります。近年では、フロントエンド(画面表示)とバックエンド(機能・データ処理)を分離して負荷を分散させる「ヘッドレスコマース」に対応できる技術力を持った開発会社への注目が高まっています。

高度なセキュリティ対策と保守運用体制

膨大な顧客情報やクレジットカード決済データを扱う大手ECサイトは、常にサイバー攻撃の標的となります。ウェブアプリケーションの脆弱性を突いた攻撃を防ぐ「WAF(Web Application Firewall)」の導入はもちろん、クレジットカード業界の国際基準である「PCI DSS」への準拠、情報セキュリティの国際規格「ISMS認証(ISO/IEC 27001)」を取得している開発会社を選ぶことが必須条件です。

また、システム障害による機会損失を最小限に抑えるため、24時間365日体制の監視体制を整えているか、緊急時に迅速な復旧対応が可能な保守体制があるかどうかも事前に必ず確認してください。

既存の社内基幹システムとの連携ノウハウ

大手のECサイト構築において最も難易度が高いのが、社内の既存システムとのシームレスなデータ連携です。多くの大企業は「SAP」や「Oracle」などのERP(統合基幹業務システム)、あるいは「Salesforce」をはじめとするCRM(顧客管理システム)を既に運用しています。昨今では、ERP自体の刷新(S/4HANAへの移行など)と同時にECサイトをリプレイスするケースも増えています。

ECサイトで発生した受注や在庫のデータを手作業で連携する運用では現場の業務が逼迫し、売り越しなどの重大なヒューマンエラーの原因になります。リアルタイムな在庫引き当てを可能にするAPI接続や、大量のデータを夜間一括処理するバッチ処理を適切に設計・実装できる、業務理解の深い開発会社を選ぶことがプロジェクト成功の鍵です。


【比較】大手向けECサイト構築に強い開発会社

大手企業のECサイト構築手法には、大きく分けて「クラウド型(SaaS/エンタープライズ)」「パッケージ型」「フルスクラッチ」の3つがあります。それぞれの特徴や費用感を一覧表にまとめました。

構築手法 初期費用の目安 開発期間の目安 メリット デメリット 代表的なサービス・企業
クラウド型
(SaaS/エンタープライズ)
数千万円 〜 1億円程度 半年 〜 1年 ・拡張性が高い
・システムが自動で最新化
・インフラ維持の手間がない
・ソースコードの開示がない GMOクラウドEC
ebisumart
パッケージ型 数千万円 〜 1億円以上 半年 〜 1年 ・標準機能が充実
・独自カスタマイズの自由度高
・基幹連携の実績多数
・数年ごとにシステム刷新(リプレイス)の検討が必要 ecbeing
W2 Unified
SI Web Shopping
フルスクラッチ 数千万円 〜 数億円 半年 〜 1年以上 ・100%オリジナルの仕様が可能
・制約が一切ない独自システム
・コストが最も高い
・開発、保守をすべて自社負担
NTTデータ
野村総合研究所(NRI)
CTC

手軽に導入できるクラウド型構築サービス

自社でサーバーインフラを用意する手間がなく、開発期間を大幅に短縮できる手法として、エンタープライズ向けのクラウド(SaaS)型サービスが大きなシェアを占めています。システムがベンダー側で自動アップデートされるため、システムの陳腐化を防ぎ、常に最新の機能と高度なセキュリティ環境を維持できるのが最大のメリットです。

現在は大手向けの機能が非常に充実しており、国内で豊富な実績を持つ「ebisumart」、マルチチャネルやハイブリッド構成に対応する「GMOクラウドEC」などが代表的です。既存システムとのAPI連携も柔軟になっており、「スピード感」と「拡張性」を両立させたい大企業に適しています。

カスタマイズ性の高いパッケージ型構築

大手企業のECサイト構築において、現在も確固たる実績を持つのがパッケージ型の導入です。あらかじめECに必要な標準機能が備わった製品をベースに、自社の商習慣や業務要件に合わせて柔軟に機能改修(カスタマイズ)を行います。

すべてをゼロから作るフルスクラッチと比較して、初期費用や開発期間を抑えつつ、独自の基幹システムやPOSレジ等との複雑なデータ連携を実現できる点が特徴です。製品としては、国内シェアトップクラスを誇る「ecbeing」、オムニチャネルやOMO(店舗とECの融合)に強い「W2 Unified」、純国産で長年の実績がある「SI Web Shopping」などが広く知られています。

近年は、パッケージの良さを活かしつつ、必要な機能だけをAPIで組み合わせる「コンポーザブルコマース」的なアプローチに対応できる製品も増えています。

フルスクラッチ開発に強い大手SIer

ゼロから完全に独自のシステムを組み上げるフルスクラッチ開発は、他社にはない特殊なビジネスモデルを展開する企業や、独自の強みを100%システム化したい企業にとって欠かせない選択肢です。

この手法を得意とするのが、NTTデータや野村総合研究所(NRI)、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)といった大手システムインテグレーター(SIer)です。数百万人規模の顧客データ処理や、秒間数万回の決済処理など、極めて高いハードルが求められる国家インフラ級のプロジェクトで豊富な実績を持っています。開発費用は数億円規模に達し、期間も1年以上かかるケースがほとんどですが、長期的な視点で圧倒的な競争優位性を築くことができます。


大手向けECサイト構築の費用相場と開発期間

大手企業が本格的なECサイトを構築・刷新する場合、予算は数千万円から1億円以上、期間は半年から1年以上の長期にわたるケースが一般的です。

これほどコストと時間がかかるのは、取り扱う商品数(SKU)や会員数が膨大であり、既存の在庫管理・販売管理システムとのリアルタイムな連携、さらには脆弱性を完全に排除するための厳密な動作テスト工程が必要不可欠だからです。

クラウド型・パッケージ型導入時の構築費用

  • クラウド型(エンタープライズ)
    初期費用の相場は数千万円から1億円程度です。インフラ構築費は抑えられますが、独自要件の追加やAPI連携の開発規模によって費用は変動します。月額費用は数十万円の固定費が発生します。
  • パッケージ型
    初期費用の相場は数千万円から1億円以上(大規模な場合は数億円)になります。ベースシステムがあるとはいえ、自社独自の業務フローに合わせた重厚なカスタマイズを施すため、十分な予算確保が不可欠です。導入後もライセンス利用料や保守費用として、毎月20万〜100万円程度のランニングコストが発生します。

フルスクラッチ開発による構築費用

ゼロからオーダーメイドで開発するフルスクラッチの場合、初期費用の相場は数千万円から数億円規模にのぼります。既存の枠組みを一切流用しないため、要件定義からインフラ設計、プログラミングに携わる高度なエンジニアの人件費(人月単価)がそのままコストに直結します。

完成後も、自社専用の保守運用チームやセキュリティアップデートの費用として、月額数十万〜数百万円のランニングコストが発生する、まさに「莫大な投資」と言える手法です。

要件定義からサイト公開までの期間目安

大規模EC構築では、各工程の期間を積み上げると、クラウド型で最短6ヶ月、パッケージ型で半年〜1年、フルスクラッチでは1年以上の期間が必要になります。一般的なフェーズ別の目安は以下の通りです。

  • 要件定義・RFP(提案依頼書)作成:1ヶ月 〜 2ヶ月
  • 設計・デザイン制作:2ヶ月 〜 3ヶ月
  • システム開発・コーディング:3ヶ月 〜 半年(フルスクラッチは1年以上)
  • 動作テスト・セキュリティ診断・データ移行:1ヶ月 〜 2ヶ月

特に、既存サイトからの会員データや過去の注文履歴の移行、公開直前の総合負荷テストには十分な時間を割く必要があります。希望するオープン時期から逆算し、最低でも「8ヶ月〜1年」のゆとりあるスケジュールを組むのが理想的です。


大規模ECサイト構築における開発会社の選び方

コンペ(相見積もり)で開発会社を選定する際は、以下の3つの軸を冷静に比較検討していくことが成功への近道です。

大手企業での豊富な制作・運用実績があるか

単に「有名なブランドのデザインを手がけた」という表面的な実績ではなく、「自社と同等以上のビジネス規模(年商数十億〜数百億円、取扱商品数数万点など)のバックエンドシステムを安定稼働させているか」を確認してください。特に、自社と同じ業種(アパレル、製造業、BtoB取引など)での具体的なシステム連携実績があるベンダーは業務理解が早いため、開発時のトラブルを減らすことができます。

UI/UXデザインからシステム開発まで一貫して任せられるか

大手ECサイトでは、数万点の商品から迷わず購入へ導く「直感的な検索・ナビゲーション設計(UI/UX)」が売上を大きく左右します。デザイン会社とシステム開発会社を別々に発注すると、デザイン側の要望がシステムの仕様に合わず、手戻り(追加費用)が発生するリスクが高まります。上流のUX設計から裏側のシステム実装まで、一気通貫で任せられる総合力のあるパートナーが推奨されます。

公開後のマーケティング支援や伴走改善が可能か

ECサイトは「作って終わり」ではありません。公開後に売上を拡大するためには、データ分析に基づいた継続的な機能改善や集客施策が必要です。Google アナリティクス 4(GA4)を活用したアクセス解析、SEO対策、CRM(顧客育成・カゴ落ち対策)ツールとの連携など、システム構築の枠を超えてビジネスの成長に伴走してくれるマーケティング知見を持った会社かどうかも、重要な選定基準です。


大手ECサイトを立ち上げる際の制作の流れ

大規模ECサイトの構築は、一般的に以下の4つのステップで進行します。各フェーズで関係各所の「合意形成」を丁寧に行うことが、後々の仕様変更トラブルを防ぎます。

  1. プロジェクト体制の構築と入念な要件定義
    経営層、情報システム部、マーケティング部、物流・店舗部門などから担当者を集めた横断チームを組織します。その後、ビジネスゴールを明確にし、RFP(提案依頼書)作成に1〜2ヶ月をかけてベンダーと要件を細部まで詰め、認識的ズレをなくします。
  2. 最適な決済システムやサイト内検索機能の選定
    多彩な決済手段(クレジットカード、スマホ決済、後払い、ID決済など)の導入と、数万点の商品をストレスなく探せる高性能な専用検索ツール(表記ゆれ補正やサジェスト機能など)を選定・設計します。
  3. 画面設計・デザイン制作とシステム開発
    Figma等のツールでワイヤーフレームを作成してUI/UXを視覚化し、デザインを確定します。その後、堅牢なインフラの構築と、既存基幹システム(ERP/CRM)とのAPI連携プログラムを実装していきます。
  4. セキュリティチェックを含む厳密な動作テスト
    専門家による脆弱性診断(ペネトレーションテスト)や、数万件の同時アクセスを想定した負荷テスト、障害発生時のデータ復旧手順のシミュレーションを1〜2ヶ月かけて徹底的に行い、万全の状態で本番稼働を迎えます。

ECサイト構築におけるよくある失敗と対策

大規模プロジェクトほど、一度のつまずきが事業全体に深刻なダメージを与えます。よくある2つの失敗パターンとその対策を知っておきましょう。

運用体制を考慮せずにシステム構築してしまう(バックヤードのパンク)

  • 【失敗】 フロント側の華やかなデザインばかりに注力し、受注処理や物流、カスタマーサポート(CS)の業務フローを軽視した結果、サイト公開後に注文が処理しきれず現場がパンクするケースです。
  • 【対策】 要件定義の段階から、必ず物流部門やCSの担当者をプロジェクトに巻き込みましょう。管理画面の使いやすさを徹底し、1日あたり数千件の注文を自動で処理できるバックヤードの業務設計をシステムに落とし込むことが不可欠です。

機能不足や導線設計の甘さで、カゴ落ちが多発する

  • 【失敗】 検索の精度が低くて商品が見つからない、または購入手続きの手間(不要な会員登録の強制など)が多く、ユーザーが途中で離脱してしまうケースです。
  • 【対策】 米国調査機関「Baymard Institute」などの継続的なデータによると、ECサイトにおける一般的なカゴ落ち率は約70%にのぼるとされています。これは莫大な機会損失を意味します。多彩な電子決済の導入、入力フォームの最適化(EFO)、サジェスト検索の強化などを最優先で実装し、購入のハードルを極限まで下げましょう。

大手企業のECサイト構築に関するQ&A

Q. そもそもEC構築における「大企業(エンタープライズ)」の基準とは?

法律上の厳密な一律の定義はありませんが、EC業界においては一般的に「年商数十億円以上」、あるいは中小企業基本法の基準を超える規模(小売業であれば資本金5,000万円超、または従業員50人超など)の企業を指すことが多いです。この規模になると、扱う商品データやトラフィックが膨大になるため、一般的なASPカート(BASEやSTORESなど)ではなく、本記事で紹介したクラウドやパッケージによる堅牢なシステム構築が求められます。

Q. 「ネットショップ制作」と「ECサイト構築」の違いは何ですか?

  • ネットショップ制作:主に中小企業や個人事業主が、既存のASPサービス等を利用して手軽にデザインを整え、店舗を立ち上げる作業(予算:数万〜数十万円、期間:数週間)。
  • ECサイト構築:大手企業などが、パッケージやフルスクラッチを用いて、自社の既存システム(基幹システム、物流、POSなど)と高度に連携させながら独自のプラットフォームを開発するプロジェクト(予算:数千万円〜数億円、期間:半年〜1年以上)。

Q. 日本の大企業に多く導入されている実績豊富なシステムは?

多くの有名企業や売上高上位の大企業に選ばれている代表的なシステムには、以下のようなものがあります。

  • GMOクラウドEC:ヘッドレス構成や専用のクラウド環境(シングルテナント方式)に対応し、大企業向けの高度なカスタマイズ性とスケーラビリティを両立したシステム。大手ブランドや大手食品メーカーなど、多様なビジネスモデルへの対応力で実績を急拡大させています。
  • ecbeing:国内トップクラスのシェアを誇り、大規模ECのカスタマイズや基幹連携で圧倒的な実績を持つECパッケージ。10年以上の長きにわたり市場を牽引しています。
  • W2 Unified:オムニチャネルやOMO(店舗連携)、定期購入(サブスク)など、先進的なマーケティング機能を一体型で提供する柔軟なシステム。
  • SI Web Shopping:日本初のECパッケージとして誕生し、堅牢なソースコード開示型の特性を活かして大企業のコアシステムを支え続ける純国産システム。
  • Shopify Plus:世界的な実績を持ち、アップデートの速さと高いインフラの安定性、ヘッドレスコマースへの対応力から、国内大企業の移行先・新規構築先として非常に人気の高いクラウドサービス。

まとめ:大手ECサイト構築を成功に導くために

大手企業のECサイト構築・刷新は、高額な予算と長期のスケジュール、精度が求められるデータ連携など、多くの部署が関わる一大プロジェクトです。

成功への最初の一歩は、「自社が求めるビジネス要件(基幹システムとの連携、将来的な売上目標、必要なマーケティング機能など)」を明確に整理することです。その上で、本記事で紹介した「大規模構築のノウハウ」と「伴走体制」を持った複数の開発会社にアプローチし、提案内容を冷静に比較検討していきましょう。

これまで社内で慎重に話し合いを重ねてきた経験とビジョンは、最適なパートナーを見つける過程で必ず活かされます。信頼できる開発会社と共に、売上拡大と業務効率化を両立する素晴らしいECプラットフォームを作り上げ、新たな事業の成功に向けて力強い第一歩を踏み出してください。

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    EC News編集部

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