• 最終更新日: 2025.12.03
  • 公開日:2022.04.01

【2025年最新】ライブコマースとは?ショート動画連携・AI活用など最新トレンドと企業の導入成功事例

【2025年最新】ライブコマースとは?ショート動画連携・AI活用など最新トレンドと企業の導入成功事例
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EC事業における販売チャネルとして、「ライブコマース」は完全に定着しました。しかし、2025年の今、その戦い方は大きく変化しています。

かつてのような「インフルエンサーによる一発逆転の安売り」は影を潜め、現在は「店舗スタッフによる信頼構築(スタッフコマース)」や、配信素材をショート動画として再利用する「コンテンツのアセット化」が主流です。

本記事では、ライブコマースの基礎知識から、AI活用などの最新トレンド、ステマ規制対策、そしてエンタープライズ企業が成果を上げるための戦略まで、EC担当者が押さえておくべき最前線の情報を解説します。

ライブコマースとは?EC担当者が知るべき定義

ライブコマースとは、ライブ配信動画を活用して視聴者(顧客)とリアルタイムにコミュニケーションを取りながら、商品を販売するマーケティング手法です。

従来のECサイト(画像とテキスト)では伝えきれない「商品の質感」や「使用感」を、熱量とともに伝えられるのが最大の特徴です。2025年現在は、ライブ配信単体で完結するのではなく、ライブ動画をショート動画へ切り抜いて二次利用し、継続的に集客・販売を行う「ビデオコマース全体」の中核として位置づけられています。

ライブコマースの市場規模と最新トレンド(2025年版)

市場は「導入期」を終え、「成果創出期」へ突入しています。日本市場独自の進化と、最新のトレンドを解説します。

1. 「点」から「線」へ:ショート動画との融合

最大のトレンドは、ライブ配信の「資産化(アセット化)」です。 リアルタイム視聴者への販売だけでなく、配信内容を15秒〜60秒のショート動画(YouTube Shorts、Instagram Reels、TikTok)に編集して広告やSNSに投稿し、そこからECサイトへ誘導する手法がスタンダードになりました。「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する消費者に対し、短時間で魅力を伝える手段として不可欠です。

2. AIアバターによる24時間配信の波

人手不足解消と機会損失防止のため、中国で先行していた「AIアバターによるライブコマース」が日本でも導入され始めています。深夜帯や早朝など、人間が稼働しにくい時間帯をAIが担当し、24時間365日質問に答えながら商品を販売するスタイルです。

3. 中国・欧米市場の現状

中国市場は依然として巨大で、AI活用を含めた高度なエコシステムが完成しています。一方、欧米や日本では「TikTok Shop」や「YouTube Shopping」の機能拡充により、プラットフォーム内で決済まで完結するシームレスな購買体験(ショッパーテインメント)が加速しています。

企業がライブコマースを導入する3つのメリット

なぜ今、企業はコストをかけてライブコマースに取り組むのか。その理由は「売上」だけではありません。

1. CVR(購買転換率)の向上と「納得買い」

ECの課題である「情報の非対称性」を解消します。「生地の厚みは?」「裏側のデザインは?」といった質問にその場で答えることで、顧客の不安を払拭。結果としてCVRが高まり、「納得して買った」ことによる返品率の低下にも繋がります。物流コストが高騰する中、返品抑制は大きな経営メリットです。

2. 1st Party Dataの取得とCRM強化

SNSだけでなく、自社ECサイトにライブ機能を組み込む(SaaS型ツール利用)ことで、誰が・いつ・どの商品に興味を持って配信を見たかという詳細なデータ(1st Party Data)を蓄積できます。これにより、配信後のメルマガやLINE配信の精度を高め、LTVを最大化できます。

3. スタッフのモチベーション向上と採用力強化

「スタッフコマース」の副次的効果として、出演する店舗スタッフのモチベーション向上が挙げられます。個人のファンがつくことで「カリスマ店員」が生まれ、それが企業の採用ブランディングにも寄与する事例が増えています。

課題とリスク管理:ステマ規制と配信トラブル

コンプライアンス遵守は企業の生命線です。

ステマ規制への対応(景品表示法)

2023年10月施行の「ステマ規制」は、現在も厳格に運用されています。 インフルエンサー等の第三者に依頼する場合だけでなく、社員が出演する場合でも、関係性の明示が必要なケースがあります。配信画面に「PR」「広告」「自社製品紹介」などを常時表示させるなど、透明性の高い運用が不可欠です。

配信トラブルと炎上リスク

生放送特有のリスク管理も重要です。不適切な発言や、予期せぬ映り込みへの対策として、マニュアル整備やコンプライアンス研修を実施しましょう。また、通信トラブルに備えたバックアップ回線の確保も基本です。

ライブコマースのはじめ方:成功への4ステップ

エンタープライズ企業がライブコマースを導入し、軌道に乗せるための標準的なフローを解説します。

STEP1:目的とKPIの再定義

「視聴者数」だけを追うのは古い考え方です。

認知拡大: ショート動画の再生数、SNSフォロワー増。

売上・利益: CVR、購入単価、配信経由のLTV。 目的に応じてKPIを設定しましょう。

STEP2:プラットフォーム選定(クロスチャネルが前提)

現在は「SNSで集客し、自社ECで刈り取る」あるいは「SNSのショップ機能で完結させる」の二極化が進んでいます。

集客装置: Instagram、TikTok、YouTube

購入・接客会場: 自社EC埋め込みツール(HandsUP、Firework等)

STEP3:キャスティング(「推し」になるスタッフの発掘)

インフルエンサーへの依頼費が高騰する中、商品知識が豊富な「自社スタッフ」の起用が最も費用対効果が高いとされています。熱意あるスタッフを選抜し、育成するプログラムが必要です。

STEP4:リハーサルと導線設計

「欲しい」と思った瞬間にカートへ入れられるUI/UXが重要です。特にスマートフォンでの操作性を最優先に確認し、リハーサルを行いましょう。

ライブコマースに利用できる主要アプリ・サービス(最新版)

ターゲットや目的に合わせて最適なプラットフォームを選びましょう。

YouTube(YouTube Shopping)

「YouTube Shopping」機能により、Shopifyなどのカートシステムと連携し、動画上に商品をタグ付けできます。長尺のライブ配信と、切り抜いたショート動画(Shorts)の両軸で攻めることが可能です。

Instagram(インスタグラム)

発見タブやリールからの流入が強力です。アパレルやコスメなど、ビジュアル重視の商材では依然としてトップクラスの影響力を持ちます。

TikTok(ティックトック)

「おすすめフィード」による爆発的な拡散力と、エンタメ性の高い購買体験(ショッパーテインメント)が特徴。若年層だけでなく、30-40代の利用者も急増しており、衝動買いを誘発しやすいプラットフォームです。

SaaS型ツール(HandsUP、Fireworkなど)

自社ECサイト内にライブ・動画機能を実装するツール。「縦型ショート動画」をECサイトのトップに配置する機能などが充実しており、サイトの滞在時間延長やCVR向上に直結します。

国内企業のライブコマース成功事例

日本国内でも、大手企業を中心に成功事例が増えています。

【化粧品】資生堂:プロの技術 × デジタル接客

現役の美容部員やメイクアップアーティストが、視聴者の悩みにリアルタイムで回答。ライブの内容をテーマごとに切り抜いてアーカイブ化し、コンテンツ資産として活用している点も秀逸です。

【アパレル】UNIQLO / GU:OMOとスタッフ活用

「StyleHint」などのアプリと連携し、ライブで紹介したコーディネートをそのまま購入可能にしています。全国の店舗スタッフが出演し、身長や骨格に合わせたリアルな着こなし提案を行うことで、圧倒的な支持を得ています。

【食品・日用品】メーカー各社のD2Cシフト

食品メーカーや家電メーカーが、流通を通さずに顧客と直接つながる(D2C)手段としてライブコマースを活用する事例が増えています。開発者が直接商品のこだわりを語ることで、価格競争に巻き込まれないブランド価値を構築しています。

まとめ:ライブコマースは「動画DX」の中核へ

2025年、ライブコマースは単なるイベントではなく、「動画を活用した顧客体験(Video DX)」の中核となりました。 「ライブ配信」で熱量の高い接客を行い、その素材を「ショート動画」にして集客し、「自社EC」でデータを蓄積する。このサイクルを回せる企業が、これからのEC市場を勝ち抜いていくでしょう。

まずはスモールスタートで構いません。自社の強みである「商品」と「人(スタッフ)」を掛け合わせ、新しい接客の形に挑戦してみてください。

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