• 最終更新日:2022.10.24
  • 公開日:2022.10.24

チャージバックとは?不正利用の仕組みや原因、事業者の対応・対策を紹介

チャージバックとは?不正利用の仕組みや原因、事業者の対応・対策を紹介
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チャージバックは、クレジットカード決済を取り入れている業者なら知っておかなければいけない用語です。その意味はもちろん、仕組みや原因についても理解する必要があります。この記事では、チャージバックが行われる流れや対応方法、対策について詳しく解説します。

チャージバックの意味や仕組みとは

まず初めに、チャージバックの意味や仕組みについて解説していきます。

チャージバックの意味

チャージバックとは、クレジットカード会社が加盟店に対して、支払いの取り消しや返金を要求することであり、クレジットカードの不正利用から利用者を守るための制度です。チャージバックの要求を受けた加盟店は、カード会社と協議のうえ、対応を決定する必要があります。

そして、問題となりやすいのはECにおける取引です。チャージバックに応じると、EC事業者は売上が回収できなくなるうえ、すでに発送した商品を返送してもらわなければなりません。

カードの不正利用によるチャージバックの場合、クレジットカードを悪用した人から商品が返ってくる可能性はきわめて低く、二重の損失が発生するおそれもあります。

チャージバックの仕組みと原因

チャージバックは、クレジットカードの名義人がカード会社に対して、支払いの取り消しや返金を依頼すると発生します。チャージバックの手続きは、VISA、MasterCard、JCBなどの主要カード会社によって定められた規定にもとづいて行われます。

主な原因は、クレジットカードの不正利用や悪用です。たとえば、カードの紛失、カード情報の漏えいなどによって、第三者が不正にクレジットカードを利用してしまったケースがあります。また、商品の未受領、商品の欠陥などを理由にチャージバックが行われるケースもあります。

チャージバックの期間

主要カード会社の定める規定によると、チャージバックの期限は取引日から120日程度とされています。しかし、あくまでも基準として定められており、内容や理由によっては120日以内でも認められないケース、120日を過ぎていても認められるケースがあります。

チャージバックを検討しているカード利用者は、基本的には120日以内に申し出る必要があるとおさえておくとよいでしょう。

チャージバックが行われる流れ

前述のとおり、チャージバックはカード名義人からカード会社への申し出、カード会社と加盟店の協議を経て行われます。しかし、具体的な流れがわからない方もいるでしょう。

以下では、チャージバックが行われる流れについて詳しく解説します。

消費者の異議申し立て

チャージバックは、カード名義人がカード会社に対して、クレジットカードの利用に関する異議を申し立てると手続きが開始されます。

クレジットカード会社と加盟店の協議

カード会社は、カード名義人からの異議申し立てを受けて、加盟店に対してチャージバックの申し出があった旨を通知します。通知を受けた加盟店は、受入と反証のいずれの対応をとるかを決定します。受入はカード名義人の異議を認めて返金すること、反証はカードの利用が名義人によるものであると証明して売上を請求することです。なお、反証をするには消費者とのやりとりや注文に関する書類を提出する必要があります。

チャージバックの実行

協議の結果、カード名義人による異議申し立てが認められると、チャージバックが実行されます。引き落とし前であれば利用情報の削除、引き落とし後であれば返金手続きが行われます。なお、チャージバックの要求があった場合、証拠資料を提出して反証が認められるケースはごくまれです。

チャージバックが増加している理由

何故チャージバックが増加しているのか

EC取引の増加にともない、チャージバックの発生するリスクも増加しています。最近になってチャージバックの件数が増えたと感じているEC事業者の方もいるのではないでしょうか。

以下では、チャージバックが増加している理由について解説します。

クレジットカード不正利用・悪用の増加

もともとチャージバックは、クレジットカードの不正利用からカード名義人を守るための仕組みです。そのため、クレジットカードの不正利用や悪用が増加すると、チャージバックの件数も増加します。

ECにおけるCtoC取引や転売の増加

クレジットカードの不正利用にともなうチャージバックが増加した原因として、EC取引件数の増加があります。EC取引では、カード番号とセキュリティコードさえあれば、不正利用ができてしまいます。実店舗のように対面して購入する必要もなく、不正利用にECが用いられるのはよくあるケースです。

また、CtoC取引の増加によって模造品をはじめ、問題のある商品の売買が増えたことも一因です。

VISA国際チャージバックルールの導入

2013年、主要カード会社を中心に、VISA国際チャージバックルールが導入されました。

従来は異議申し立てを受けると、カード会社と加盟店が個々の事案について協議のうえ、対応を決定していたのに対して、導入後はカード会社の判断でチャージバックを認められるようになりました。画一的なルールの導入によって、チャージバックの件数が増加している側面もあります。

チャージバックへの対応方法

チャージバックの要求を受けた事業者にとっての大きな問題は、カード会社や名義人に対してどう対応すべきかです。売上に関わる問題でもあるため、適切に対応する必要があります。

以下では、チャージバックへの対応方法について解説します。

チャージバックを認めて返金する

もっとも多いのは、チャージバックを認めて返金するケースです。カード名義人の申し出が正当な理由にもとづいている場合、加盟店側はチャージバックを認めるしかありません。なお、チャージバック処理に際して手数料が発生するケースもあります。

顧客に連絡してチャージバックを解除してもらう

チャージバック以外の対処法がある場合、顧客とコンタクトをとって別の方法で合意するのも一つの手です。たとえば、商品に問題があってチャージバックを希望している顧客に対しては、商品の交換や代替品の提供を提案する方法があります。

別の方法で合意がとれた場合、顧客からカード会社に取り下げの意思を伝えるとチャージバックは解除できますが、顧客がチャージバックの取り下げに合意した旨を証明する資料が必要です。

資料を提出して反証する

多くのチャージバックは正当な理由にもとづいて申し立てられますが、中には不正にチャージバックを受けようとするケースもあります。その場合、加盟店は証拠となる資料を提出して反証すべきです。

反証に利用できる資料には、以下のようなものがあります。

  • ● 注文者名・配送先住所
  • ● 購入時のIPアドレス
  • ● 注文日時
  • ● 加盟店情報
  • ● 配送履歴

EC事業者におけるチャージバックへの対策

EC事業者にとって、チャージバックは売上の損失につながります。そのため、消費者を守るだけでなく、自社の売上を確保するうえでも対策を講じることは大切です。

以下では、EC事業者におけるチャージバックへの対策について紹介します。

本人認証サービス(3Dセキュア)

本人認証サービスとは、あらかじめ登録したパスワードの入力によって照合する方法です。本人認証サービスの利用は、VISAやMaterCard、JCB、AMEXも推奨しています。

3Dセキュアを利用すると、決済申請のあとにカード会社が設けた認証ページが表示されて、パスワードの確認後に決済がされる仕様になります。カード上に記載していないパスワードの入力が必須となるため、第三者による不正利用の防止に効果的です。

券面認証(セキュリティコード)

券面認証とは、クレジットカードに記載してあるセキュリティコードの入力によって照合する方法です。3Dセキュアは利用者がパスワードを忘れてしまうと、決済できなくなってしまいますが、券面認証はカードを持ってさえいれば決済できます。

一方、紛失したカードを第三者が手にした場合は券面認証を突破できてしまうため、セキュリティ性に欠ける面があるのも事実です。

不正検知システム

不正検知システムとは、決済情報を機械的に分析して不正利用を発見する方法です。主にカード会社において導入されており、不自然な行動に対して警戒するシステムが構築されています。

たとえば、短期間のうちに同一サイトから何度も購入していたり、同一時刻に複数サイトで利用されていたりすると、システムが自動で検知します。不正検知システムと有人監視の二重セキュリティを敷くのも一般的です。

チャージバック保険

チャージバック保険とは、取引においてチャージバックが発生した際に、取り消された売上を補償する保険です。
提供する企業やプランによって異なりますが、月額数千円から加入できる保険もあるため、チャージバックによる損失が懸念される場合は検討してみるとよいでしょう。

チャージバックについてよくある質問

チャージバックについてよくある質問

EC業界において、チャージバックはよく知られていますが、一般的にはあまりなじみのない概念です。そのため、インターネット上ではチャージバックに関する疑問も多くあがっています。
以下では、チャージバックについてのよくある質問と回答を紹介します。

チャージバックは法律上の制度?

チャージバックは法律上の制度ではなく、あくまでもカード会社によって定められた規定です。しかし、加盟店はカード会社の規定にもとづいて取引をしているため、応じないわけにはいきません。真摯に対応することが大切です。

チャージバックは拒否できる?

チャージバックを拒否する方法は、基本的には反証のみです。しかし、ユーザーの行動や情報をもとに証拠資料を準備するには手間がかかるうえ、時間やリソースも必要となります。
通常の業務とあわせて反証を行うのは難しい事業者も多いでしょう。そのため、不正利用を防ぐ対策に投資する方がおすすめです。

まとめ

チャージバックは、クレジットカードの不正利用や悪用から消費者を守るための仕組みです。しかし、EC事業者にとっては売上の損失につながるおそれもあるため、適切な対応や対策が問われる面もあります。
現状、チャージバックの要求があった場合、ほとんどのチャージバックが認められている状況を鑑みると、不正利用を未然に防ぐ対策が有効といえるでしょう。チャージバックについて正しい知識を身につけたうえで対応することが大切です。