2021.02.26

ECでも「じゃいいですぅ~」現象が頻発?離脱を防ぐ決済サービスとは

ECでも「じゃいいですぅ~」現象が頻発?離脱を防ぐ決済サービスとは

ECサイトで利用されている決済サービスは、ここ数年で多様化してきています。

最も利用されているのはクレジットカードによる決済ですが、スマートフォンで商品を購入する場合には入力する項目が多いため、カートに商品を入れても購入手続きの途中で離脱してしまう「カゴ落ち」が起きやすくなってしまいます。

そこで今回はQRコード決済や後払い決済など、クレジットカード以外の新たな決済方法について解説していきたいと思います。

 

ECサイトに希望の決済手段がない場合、離脱率は63%


SBペイメントサービス(株)の調査(調査期間:2020年12月)によると、ECサイトに希望の支払い方法がない場合、そのECサイトで商品を購入せずにサイトから離脱してしまう「カゴ落ち」の率が63%に上ることがわかりました。

 

 

この状況は、リクルートの決済端末「Air Pay(エアペイ)」のテレビCMのWEB版と言えばわかりやすくなります。

Air PayのCMのやり取りは下記です。

 

来店客「この店カード使えますか?」
店長「現金だけなんです」

来店客「じゃあいいですぅ~」

 

ECサイトでも「じゃあいいですぅ~」現象が頻発?


クレジットカードが使えない店に訪れた来店客が、カードが使えないという理由だけで退店してしまう様子をコミカルに描いたCMですが、これと同じ状況が実はECサイトでも起きているのです。「このECサイト、〇〇決済使えますか? 使えない? じゃあいいですぅ~」と言って、他のECサイトに移動してしまうのです。

こうした状況に陥らないためには、なるべく決済手段を多く入れた方がいいのですが、大手のECサイトのように10個以上の決済手段を導入するというのは難しいと思います。そこで、どういったECサイトでどのような決済手段を導入すればいいのかを、探っていきたいと思います。

 

QRコード決済・ID決済・キャリア決済の利用が急増中


まずはECサイトで利用できる決済手段の種類について見ていきたいと思います。最も普及しているのは「クレジットカード」による決済で、一般的にもなじみが深いのが商品到着時に代金を支払う「代金引換(代引)」、商品が届く前に代金を支払う「先払い(銀行・郵便振込)」、商品が届いてからコンビニエンスストアや銀行・郵便局で代金を支払う「後払い決済」などです。ここまでの決済手段は比較的に古いタイプの決済手段で、約20年以上も前からECサイトで利用されてきました。

 

ここ数年では新たな決済サービスが続々と登場し、利用者を拡大させています。その決済サービスが、商品購入代金を毎月の携帯電話料金と一緒に支払うことができる「キャリア決済」、Amazonや楽天市場などの大手ECモールのアカウントで決済ができる「ID決済」、店舗やネットでマルチに利用できる「QRコード決済」、決済会社がオンライン上で決済代行をしてくれる「オンライン決済代行」などです。いずれもスマホで利用できることが大きなメリットで、スマホ用のECサイトやアプリで商品を購入する際、クレジットカードのようにさまざまな情報を入力する必要なく、商品購入がスムーズになります。

 

 

「キャリア決済」はカードを持たない人に有効


では、スマホでの決済を便利にしてくれる各種決済サービスの詳細を見ていきましょう。

まずは「キャリア決済」を見ていきたいと思います。キャリア決済には、「d払い/ドコモ払い」「ソフトバンクまとめて支払い」「auかんたん決済」などがあります。いずれも携帯キャリアが実施しているサービスで、各携帯電話を契約しているユーザーが利用でき、他のECサイトでの決済を携帯電話の支払にまとめることができます。

クレジットカードを持っていない若年層の人や、セキュリティ面を考慮して、クレジットカードを利用したくない人、日常生活のなかで生じる毎月の支払いを1つにまとめたい人などが、多く利用する傾向にあります。また、ドコモの「dポイント」など、携帯キャリアで発行するポイントが貯まるメリットもあります。

 

「ID決済」は安全性やポイント、QRコード決済は大型キャンペーンが魅力に


続いては、「ID決済」です。ID決済には、「Amazon Pay」「楽天ペイ(オンライン決済)」「Yahoo!ウォレット」「リクルートかんたん支払い」などがあります。いずれもECモールのアカウントでログインし、決済ができます。自分が普段利用しているECモールのアカウントで安心に決済ができ、ポイントも貯まるメリットがあります。

次はQRコード決済です。還元率が高いキャンペーンやCMでおなじみの「PayPay(オンライン)」「楽天ペイ(オンライン決済)」「LINE Pay」「メルペイ」「au PAY」などのサービスがあります。このQRコード決済は、20%以上を還元する各種キャンペーンを各社が相次いで実施するなど、競争が激しくなっています。また、これまでは店舗の決済サービスとしての利用が多かったのですが、現在はECサイトでの利用が急速に普及しています。

 

各種決済サービスのユーザーに特長も


また、「PayPay」なら「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「PayPayフリマ」「Yahoo!トラベル」「LOHACO」など、ヤフーグループが提供するすべてのサービスで利用できるほか、ソフトバンクを利用するユーザーも還元率がアップするため、ソフトバンクユーザーやヤフー関連サービスを利用することが多い人が、積極的に利用する傾向があります。ECサイトへの導入も急速に拡大しておりますが、PayPayをECサイトに導入することで、ソフトバンクユーザーやヤフーユーザーを取り込めるほか、頻繁に実施している大型還元キャンペーン時には、多くの新規のユーザー利用が見込めます。

同じように「楽天Pay」であれば、楽天グループの各種サービスのユーザーや、楽天ポイントを貯めているユーザーを取り込むことができます。「LINEPay」ならゲームなどのLINE系サービスのユーザー、「メルペイ」であれば「メルカリ」ユーザー、などを取り込むことがECサイト導入時のメリットとなります。

「オンライン決済代行」は「PayPal」「Paidy」などがあります。いずれも決済代行会社が紐づけたクレジットカードを利用するため、ECサイトでのクレジットカードの入力が必要なく、利便性が高いサービスになっています。「Paidy」はその都度決済されるのではなく、月ごとの支払いにまとめてくれる機能があります。毎月1回の支払いにまとめることで、商品購入ごとに決済手続きをする手間が省けます。

 

ECサイトにとって相性が良いサービスの選択を


では、これらの決済サービスのうち、何を導入すればいいのでしょうか? ユーザーが利用したい決済サービスはECサイト側でも把握できないため、なるべく多くの決済手段を入れておくことが重要です。

また、ECサイトのユーザーによって相性がいい決済サービスもあります。例えば、若年層が中心のECサイトであれば、キャリア決済やQRコード決済を導入すれば、若年層の離脱を防ぐことができます。利用者が特定の世代に偏っていないECサイトであれば、利用者の幅が広い「ID決済」を導入すれば全世代をフォローすることができます。

 

前述のSBペイメントサービスの調査によると、ネットショップでよく利用する決済手段は、1位がクレジットカード決済(78.5%)で、2位がPayPay(17.5%)、3位がコンビニ決済(16.9%)、4位が代金引換(12.4%)、5位がキャリア決済となりました。また、トップ10にQRコード決済が3つランクインするなど、QRコード決済の利用者が大きく伸びていることがわかりました。

 

「じゃあいいですぅ~」で離脱を防ぐためには?


スマホでECサイトやアプリでの商品を購入する割合が高ければ、今後はPayPayをはじめとするQRコード決済が必須の決済サービスになる可能性もあります。QRコード決済を導入すれば、その決済アプリから利用できるECサイトに遷移するようになります。QRコード決済の還元キャンペーン合戦はまだ当分続きそうなので、キャンペーンの恩恵にあずかることができそうです。

マーケティングを強化して集客したユーザーが、商品購入の手前で「じゃいいですぅ~」と離脱してしまっては、それまでの苦労が水の泡と消えてしまいます。クレジットカード決済や代金引換、後払い決済などは標準の決済サービスとして、コロナ禍でも利用を伸ばしているQRコード決済、ID決済、キャリア決済などを新たに導入すれば、ユーザーの利便性の向上だけでなく、売上を大きく伸ばすサポートをしてくれそうです。

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    EC News編集部

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