• 最終更新日: 2023.03.10
  • 公開日:2023.03.10

【2023版】ECサイトにおけるCRMツールの活用法とは?おすすめツールを徹底比較

【2023版】ECサイトにおけるCRMツールの活用法とは?おすすめツールを徹底比較
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CRM(顧客関係管理)とは

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との関係性を管理することによって、顧客満足度やロイヤリティの向上を図る方法です。日本語では「顧客関係管理」とも呼ばれています。

CRMが注目されはじめたのは、マスマーケティングからOne to Oneマーケティングにシフトしていた2000年代です。それぞれの顧客のデータをもとに、最適なアプローチを探るCRMは、多様化するニーズに対応するための手段として注目されました。

MAやSFAとの違い

CRMは、MAやSFAと混同されやすい概念です。近年では多くの企業において、これらの用語が用いられているものの、違いや実態を理解できている人は多くありません。

MA(Marketing Automation)とは、マーケティング活動の自動化です。ITによって新規顧客の開拓を自動化するツールを指しており、リード発掘に特化したシステムです。

また、SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動の自動化を意味しています。営業活動を効率化するツールを指しており、セールスや商談のフェーズにおける業務の効率化を図ります。

つまり、新規開拓にはMA、見込み顧客の育成や商談にはSFA、既存顧客へのアプローチにはCRMを利用すると理解しておくとよいでしょう。

ECサイトにおけるCRMの重要性

ECサイトにおいて、新規顧客を開拓しつづけることは簡単ではありません。SEOによって集客している場合はコンテンツの発信、広告によって集客している場合は広告の出稿を止められなくなります。

つねに新たな顧客を集客しつづけられる施策はないため、継続的にコストやリソースを投下する必要があります。

一方、既存顧客のロイヤリティを高めて、リピートを促進できれば、コストやリソースの負担軽減が可能です。新規顧客の開拓コストよりもリピーターの育成コストは安くなるケースがほとんどです。

また、CRMの導入によってLTVを向上させられれば、売上の安定化にもつながります。CRMツールによってリピーターの育成に取り組めれば、コストを抑えつつ、安定した売上を生み出せるでしょう。

ECサイトでCRMを導入するメリット

ECサイトにおいてCRMを導入する際は、ツールの導入によってどんなメリットが得られるのかを確認しておくべきです。顧客との関係性を管理する体制を整えられると、情報管理にかかる負担を軽減できるうえ、CRMをもとにアプローチを検討することも可能です。

以下では、それぞれのメリットについて解説します。

顧客情報を管理しやすくなる

CRMを活用すると、一人ひとりの顧客情報をシステム上で一元管理できます。システム上のデータにアクセスすれば、ECサイト運営に携わるメンバー全員がデータを確認できるため、スムーズな情報共有が可能です。

さらに、顧客情報に変更があった際もシステム上のデータを変更すれば、あらゆるシステムに反映されます。システム上のデータさえ管理できていれば、つねに最新の情報を共有できるため、部署や担当者によってデータの齟齬を防げる点も一元管理のメリットです。

顧客へのアプローチを最適化できる

CRMでは、ECサイトにおけるアクセスデータ、顧客ごとの購入回数や履歴などをあわせて管理できます。個々の顧客の属性や登録内容だけでなく、マーケティング関連のデータも記録できる点がCRMツールの強みです。

さらに、CRMツールの多くは、顧客情報をセグメントごとに分類できるため、年齢や性別などの属性、過去の購入商品をもとにアプローチを使い分けられます。データドリブンにPDCAを回していければ、施策やレコメンドの精度を高められるでしょう。

業務を効率化できる

CRMツールは、顧客情報の管理に特化した仕様となっており、業務を効率化できる機能が数多く実装されています。たとえば、複数のシステムを扱っている企業では、一元管理によって工数削減が可能です。

そのほかに商談前の移動中、クラウド上のシステムにアクセスして顧客情報を再確認する活用法なども考えられます。活用方法は部署ごとに異なりますが、うまく利用できれば、あらゆる業務の効率化につながるでしょう。

ECサイトにおけるCRMツールの選び方

ECサイトにおいてCRMツールを導入する場合、自社の運用体制に適したシステムを選ぶことが大切です。CRMツールに限らず、さまざまなツールがリリースされているなかでは、選び方も重要なポイントとなります。

以下では、CRMツールを選ぶ際のポイントについて解説します。

どんな機能が実装されているか

CRMにどんな機能があるかは、もっとも重要なポイントです。そもそも自社が求める機能を実装できないシステムは、はじめに候補から外しておくべきです。まずは自社が抱えるニーズを洗い出したうえで、実務のなかでどんな機能が必要かを決めておきましょう。

基本的な機能は多くのツールで共通していますが、分析項目やマーケティング施策の種類はシステムによって異なります。とくにセグメンテーションに力を入れる場合は、どのくらい細かな区分まで絞り込めるかをチェックしておくのがおすすめです。

セキュリティ対策は十分か

CRMツールでは、顧客の住所や決済情報などの機密情報を取り扱います。そのため、システムにおけるセキュリティ面は非常に重要な要素です。万が一、CRM経由で顧客情報が流出した場合、膨大な損害を発生しかねません。

また、クラウド型のCRMツールは社外からでもアクセスできるため、不特定多数の目に触れる電車内での作業、スマートフォンの紛失などにも注意すべきです。導入にあたって社内ルールを策定しておくとよいでしょう。

既存システムと連携できるか

CRMをはじめとするツールを選ぶ際は、既存システムとの親和性を検討する必要があります。とくにCRMツールの場合は、MAツールやSFAツールとの連携も求められるため、既存システムに対応していないと管理面の工数が増加します。

現状、その他のシステムを導入していない企業においては、豊富なシステムと連携できるツールを導入するのがおすすめです。将来的な事業の拡大にともなって、さまざまなシステムが追加されていく可能性もあるため、データ連携の面で自由度の高いシステムを選んでおきましょう。

サポート体制は充実しているか

システムを運用する際、サポート体制が充実していると安心して利用できます。具体的には、電話やチャットなどの問い合わせ方法、問い合わせへのレスポンススピード、専属担当者の有無などを確認しておきましょう。

サポート体制が不十分なシステムを選んでしまうと、トラブルが発生した際に自社の負担が大きくなります。

【比較用】ECサイトにおすすめのCRMツール12選

CRMツールが活躍する場は、実店舗とECサイトの2種類です。基本的な機能は同じとはいえ、EC事業を展開する企業では、ECサイトに最適化されたシステムを選んでおくのがおすすめです。

オムニチャネルやO2Oを推し進めている場合は、マルチチャネルにおけるデータ連携を強みとするシステムを選ぶとよいでしょう。

以下では、ECサイトにおすすめのCRMツールについて紹介します。

kintone

https://kintone.cybozu.co.jp/

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するCRMツールです。大手システムということもあり、CMSや受注管理などの機能も実装されており、ニーズに応じて導入できます。いずれもノーコードで実装できるように構成されているため、自社の運用体制に応じてカスタマイズできるでしょう。

MakeRepeater

https://www.makerepeater.jp/

MakeRepeaterは、GMOメイクショップ株式会社が提供するCRMツールです。AIによる分析機能が実装されており、顧客行動から購買意欲を分析してクーポン発行やレコメンドをアシストできます。UIもシンプルな設計となっているため、はじめてCRMツールを導入する事業者にもおすすめです。

うちでのこづち

https://www.uchideno-kozuchi.com/

うちでのこづちは、株式会社E-Grantが提供するCRMツールです。EC通販における導入実績が豊富なツールとなっており、あらゆるカートシステムとの連携を可能にしています。顧客数に応じた従量課金制となっているため、中小規模の事業者でも導入しやすい点が特徴です。

アクションリンク

https://actionlink.jp/

アクションリンクは、株式会社アドブレイブが提供するCRMツールです。標準機能としていくつかの施策がインストールされており、週間ランキングの自動配信、離脱顧客へのフォローなどを自動化できます。ツールの活用方法や施策に関するアドバイスなど、導入後のサポート体制も充実しています。

Synergy!

https://www.synergy-marketing.co.jp/cloud/synergy/

Synergy!は、シナジーマーケティング株式会社が提供するCRMツールです。顧客属性を100項目までカスタマイズでき、行動履歴をもとにした分析にも強みをもっています。また、CSVによるインポート・エクスポートにも対応しており、データの管理がしやすい点も評価されています。

Visionary

https://www.is-visionary.com/

Visionaryは、株式会社フュートレックが提供するCRMツールです。ECサイトやPOSシステムをはじめ、複数チャネルのデータ管理を得意としています。メンバーごとにデータの閲覧を制限できたり、操作ログを確認できたりと、セキュリティ面の堅牢さも人気の要因となっています。

カスタマーリングス

https://www.customer-rings.com/

カスタマーリングスは、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供するCRMツールです。マーケティングオートメーションツールとしての機能も充実しており、一つのツールで一連のマーケティング活動を支援できます。また、ダッシュボードのレイアウト変更など、細かな調整にも対応できます。

LTV-Lab

https://ltv-lab.jp/

LTV-Labは、株式会社コアフォースが提供するCRMツールです。商品ごとのリピート率などをもとに顧客のニーズを把握したり、ステップメールを無制限に設定したりできるため、アップセルやクロスセルに活かしやすいシステムとなっています。

EMOROCO

https://crm.emoroco.com/

EMOROCOは、アーカス・ジャパン株式会社が提供するCRMツールです。MakeRepeaterと同様、AI分析に力を入れており、顧客の性格や感情などの深層情報も獲得できます。表層データだけでなく、深層データも分析できる点はEMOROCOならではの強みです。

Zendesk Support

https://www.zendesk.co.jp/

Zendesk Supportは、株式会社Zendeskが提供するCRMツールです。世界的に展開しており、10万社以上の導入実績を誇ります。Shopify、WordPressなどの主要システムとも連携しており、それぞれをEC・CMSを利用している企業においてはとくに活用しやすいでしょう。

やずや通販CRM基幹システム

https://yazuyacrm.com/

やずや通販CRM基幹システムは、株式会社未来館が提供するCRMツールです。通販事業で成功した「やずや」のシステムをベースに開発されており、長年かけて蓄積したノウハウを活用できます。また、コンサルティングサービスも提供しており、あらゆるサポートをワンストップで受けられます。

まとめ

ECサイトのCRMツールは、顧客情報の一元管理によって、業務の効率化やアプローチの最適化に役立ちます。サイト内におけるレコメンド、顧客ごとに最適化されたステップメールなどにも活用でき、One to Oneマーケティングには欠かせない存在です。

しかし、各社がさまざまなCRMツールをリリースしたことによって、どのシステムを導入すべきか悩んでしまう事業者も少なくありません。そのため、自社の要件やサポート体制などの項目をもとに、自社に適したCRMツールを選択するとよいでしょう。

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