• 最終更新日: 2023.02.28
  • 公開日:2023.02.28

ECサイトを開発する5つの方法と失敗しない開発会社の選び方を解説

ECサイトを開発する5つの方法と失敗しない開発会社の選び方を解説
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ECサイトを開発・構築する方法は、次の5つがあります。

  • カートASP
  • オープンソース
  • ECパッケージ
  • クラウドEC
  • フルスクラッチ

近年は無料で構築できるサービスや高機能ツールもそろっていますので、開発しやすい環境が整っています。しかし、「なぜECサイトを開発するのか?」の目的があいまいだと、自社が求めているデザインや機能にそぐわない開発手法を選んでしまい失敗することも…。

今回はECサイトの開発手法別にメリット・デメリットを解説します。あわせてECサイトの開発会社の選び方を紹介しますので、最後までご一読ください。

ECサイト開発の費用・開発期間・拡張性

ECサイトの5つの開発方法を比較してみましょう。

初期費用 月額費用 開発期間 拡張性 最新性 セキュリティ
カートASP 10~30万 数万円程度 最短1週間
オープンソース 約100万円~ 数十万円程度 最短3ヶ月
ECパッケージ 約500万~ 数十万円程度 最短3ヶ月
クラウドEC 約500万~ 数十万円程度 最短3ヶ月
フルスクラッチ 約1000万~

数億円

数十万円程度 最短6ヶ月

 

「フルスクラッチ」を除くすべての開発手法は、ECサイトに必要な機能(カートや注文管理など)が標準搭載されています。

デザインや機能の独自カスタマイズをどこまで求めるか?サーバーやアプリケーションの管理、更新を自社で行うか?開発方法によって違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

カートASPのメリット・デメリット

メリット EC開発・運営に必要な機能が標準装備されている

初期費用やランニングコストが安い

最新の機能を利用できて更新も不要

デメリット レンタル型のためカスタマイズ性が低い

独自のサービスや売り方を実施しづらい

売れるほど決済手数料が負担に感じてしまう

事業規模 年商0~5000万前後。スタートアップや小規模事業向け

 

カートASPは、レンタル型のECプラットフォームです。ECサイトに必要な機能が全てそろっており、テンプレートも豊富です。HTMLやPHP、JavaScriptなどECサイトの開発に必要な言語も不要で短期間オープンできます。はじめてECサイトを開発するのであれば、カートASPが断然オススメです。

一方でカスタマイズの拡張性が無いため、年商1億円ほどのEC事業者の方にとって、不満に感じるかもしれません。EC事業を拡大させるには、独自カスタマイズが必要なケースも増えてきますので、カートASP以外の開発手法をオススメします。

オープンソースのメリット・デメリット

メリット 初期コストを抑えやすい

カスタマイズの自由度が非常に高い

フルスクラッチよりも構築期間は短い

デメリット 障害発生時も自社対応しなくてはいけない

セキュリティ管理を自社で行う必要がある

システムが古くなるため更新が必要

事業規模 年商0〜5億円。システム開発能力のある事業者向け

 

オープンソースは、開発ソースコードが無償で公開されているソフトウェアのことです。ライセンスフリーなので初期費用を安く抑えられるメリットがあります。また、ソースコードは一般公開されており、自社でソースコードをさわってカスタマイズが可能。運用しながらスピーディーに改善施策を行えます。

オープンソースのデメリットは、ソースコードが一般公開されているがゆえのセキュリティの弱さです。脆弱性があるとハッキングや情報漏洩のリスクがあります。セキュリティの知識と保守・管理できる技術力、そして障害発生時はすぐに対応できる体制が求められます。

また、メリットも自社開発が出来るならばのものが多く、外部ベンダーに開発を挟む場合などは他の構築方法よりも費用がかかる場合もあります。

ECパッケージのメリット・デメリット

メリット カスタマイズの自由度が高い

フルスクラッチと比べて開発期間が短い

用意されている機能の数が多い

デメリット システムが古くなるため更新が必要

中長期的にランニングコストがかかる

事業規模 年商1億円〜。機能やカスタマイズを求める事業者向け

 

ECパッケージとは、ECサイトの運営に必要な機能がパッケージングされた製品です。商品管理や在庫管理、売上管理などの機能が実装されたパッケージを、用意したサーバーにインストールするだけで構築できます。カスタマイズの自由度も高く、理想のデザイン・機能を実装できます。

開発のソースコードは開示されないため、セキュリティ面は高い一方、内製でカスタマイズは不可。小さな改修であっても全てベンダーに依頼することになります。また、システムも更新されないため、定期的なシステム改修やバージョンアップが必須です。

クラウドECのメリット・デメリット

メリット 常に最新のシステムを使える

セキュリティ面が安心

カスタマイズの自由度が高い

デメリット 開発のコストがやや高い
事業規模 年商1億円〜。中長期の運用を見据える事業者向け

 

クラウドECとは、クラウド上にあるプラットフォームを用いてECサイトを開発できるサービスです。クラウドECは、カートASPと同様にクラウド上のシステムを利用しますが、カスタマイズの自由度が高い特徴があります。常にシステムが最新へとバージョンアップされる為、更新作業やメンテナンス費用が発生せず、セキュリティ性も非常に高くなっています。

デメリットとしては開発の難易度から、フルスクラッチ程ではないものの初期コストが高くなりがちです。長期的な運用やスケールアップを目指す事業者の方向けのプラットフォームと言えるでしょう。

フルスクラッチのメリット・デメリット

メリット どのような機能でも実現可能

独自開発の為、セキュリティも非常に高く出来る

デメリット ゼロから開発するため開発コストが高い

システムが古くなるため更新が必要

事業規模 年商50億円〜。独自要件を多数必要とする事業者向け

 

フルスクラッチはシステムをゼロから開発する手法です。そのため、デザインや機能の制限は存在せず、どのようなECサイトでも構築可能です。ただし、システム開発には高い技術力が求められ、カスタマイズが多いほどコスト・開発期間がふくらみます。また独自開発となるため、システムの維持・更新にも相応の体制を必要とします。

フルスクラッチを選ぶ事業規模は年商50億円が目安です。システム開発の初期費用はもちろん、ランニングコストも高くなりますので、豊富な資金と技術力がある事業者の方向けの開発方法です。

ECサイトの開発手法を選ぶときのコツ

「ECサイトの売上を向上させたい」、「新しいサービスを展開したい」など、ECサイトを開発する理由はさまざまあるかと思います。その目的を明らかにすることで、最適な開発手法を見つけることができます。

ECサイトの目標(ゴール)を明確にする

ECサイトの最終的な目標は「売上」や「利益」です。目標を達成するための具体的な施策を明確にしましょう。

例えば「客単価を1.5倍にする」と設定するならば、単品リピート通販の拡大や、オムニチャネルを導入するなどの施策が考えられます。それら機能を実装できる開発手法はどれか?1年後に成果を出すには、いつまでに開発を完了させなくてはいけないか?が明確になります。

開発の予算とランニングコストを把握する

もし豊富な予算と開発メンバーがいれば、フルスクラッチで思いどおりのECサイトが構築できるでしょう。しかし現実は経営資源に制限がある方がほとんどかとおもいます。

かといって初期費用を抑えた開発手法を選ぶと、その分カスタマイズ性は失われます。結果として、ECサイトに独自性を持たせる事が出来なくなったり、効率化のためのシステム連携を行う事が出来なくなったりなどの問題に繋がる事になります。

重要なのは、現状の経営資源(ヒト・モノ・カネ)で最も効率的に開発できる手法を選ぶことです。目標を達成するために独自機能やサービスが必要と判断すれば、将来的に投資額を回収できる確率をしっかり見極めましょう。目標達成まで時間の猶予が無い場合、既存の機能を利用してカスタマイズの量を減らすことや、システム開発の人員を増やす方法が考えられます。

また、ECサイトの開発手法を決定し構築した後は、カンタンに移行(引越し)できません。移行する際は余計なコストと労力がかかりますので、2~3年後、事業規模によっては10年後も安定して運用できるかを見極めましょう。

同類の開発手法・サービスを比較する

自社にとって最適な開発手法は、ECサイトの年商でおおむね区分されます。

例えばクラウドECであれば、GMOクラウドEC、ebisumart、メルカートなどが有名ですが、それぞれのサービスに特徴や強みがあります。初期費用・ランニングコストはもちろん、納期やサポート体制も重要な要素ですので、実際に相談して比較してみましょう。

どのサービスも「強み」がある一方で「弱み」があります。筆者の経験上、ベンダー側が「弱み」に対してどんなスタンスを取るか、サポートを行うかは選ぶ際の重要な基準です。いざ導入すると長く付き合うことになりますので、信頼のおけるベンダーを選びましょう。

ECシステムの乗り換え(引越し)で気をつけるポイント

ECサイトのプラットフォームを乗り換える場合、次の点に気をつけましょう。

  1. データ量を把握し移行するデータ範囲を決める
  2. 誰がファイル名などの変更・修正作業を行うかを決める
  3. IDやPW変更になる場合は既存顧客に周知させる

ECサイトは、商品データや受注データ、会員データなどさまざまなデータが存在します。まずはどれくらいのボリュームがあるかを調べ、どのコンテンツを移行させるかを検討しなくてはいけません。移行に際し、ファイル名や保存形式を変更する必要もあります。自社で行うのか、ベンダーが行うのかを決めましょう。

会員IDやパスワードなど、移行が困難なデータも存在します。移行しないデータが存在するときは、早めに明らかにして既存顧客へ周知させるようにしましょう。いずれにしても自社だけでは判断が難しい項目が多いので、ベンダーと相談しながら進めることが成功のコツです。

ECサイト開発で失敗しない開発会社(ベンダー)の選び方

最後に、複数あるECプラットフォームの中から、失敗しない開発会社の選び方をご紹介します。

開発実績が豊富でECサイトに精通していること

カスタマイズ性の高いECプラットフォームであっても、求めるデザインや機能によっては実装が容易ではないケースもあります。また、開発後にカスタマイズ追加したくても難しかったり、予想以上にコストがかかったりすることも。自社が想定している機能やデザインを開発ベンダーへ提示して、過去に類似の開発を行ったか確認し、実績を調べてみましょう。

売れるECサイトを制作するには、ユーザーにとっての印象や使いやすさなどにこだわりを持ち、実現出来る開発ベンダーを選ぶことが大切です。また、毎日使うシステムですので、運用をしやすいインターフェースかどうか、効率化のための機能追加やカスタマイズを行えるかどうかも重要です。

納品後のサポート体制が整っていること

ベンダーが開発した場合、ECサイト完成後もベンダーと「二人三脚」で運用していくことになります。運用していく中でデザインや機能を改善したいケースも出てきますので、スピーディーに対応してもらえるかはとても重要です。また、小さな修正を行う際は、どの範囲まで無償・有償なのかを明確にしておくと安心です。

そしてECサイトは消費者の個人情報や決済に関わる情報を取り扱う以上、そのセキュリティは非常に重要です。脆弱性への対応速度や、システム更新の費用などをしっかり確認しておきましょう。

会社の財務基盤がしっかりしていること

開発するECプラットフォームを決めるということは、自社のEC事業の資産をECプラットフォーム企業へ預けるということです。財務基盤が弱いECプラットフォーム企業であれば、突然サービス休止となる心配もあります。サービス休止の場合は、別のECプラットフォームへ移行を余儀なくされますが、余計なコストや労力が発生します。

また、開発ベンダーとプラットフォーム企業が別々の場合、どちらも信用がおける企業でないといけません。ベンダーがいなくなればそれ以降のサポートを受けられず、サイトの更新を行えなくなるケースも考えられます。

まとめ

今回はECサイトの開発方法から失敗しない開発会社の選び方までご紹介しました。ECサイトの開発手法は、それぞれにおいて一長一短ありますが、自社が掲げる目標を達成するために「必要な機能やサービスを実現できるか?」が選ぶときの最重要ポイントです。カスタマイズは独自性が高いほどコストが増えます。できるだけ標準のツールを活用することで、費用を抑えて管理もカンタンになるケースもあります。開発ベンダーに相談しながら、ベストな仕様を作り上げましょう。

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