• 最終更新日: 2022.04.11
  • 公開日:2022.04.11

【2022版】ECモールとは?モール型ECの特徴を比較、流通総額ランキングも公開

【2022版】ECモールとは?モール型ECの特徴を比較、流通総額ランキングも公開
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ECサイトには種類があることをご存じでしょうか?ECサイトは、多数のブランドやショップが出店するショッピングモール型ECサイトと、企業が独自に構築した自社ECサイトの大きく2つに分けられます。今回は、ECモールのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

ECモール(モール型ECサイト)とは

ECモールとは、多数のブランドやショップが出店するショッピングモール型ECサイトです。Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNやeBayなどは代表的なECモールです。
ECモールを利用する場合、ショップの構築や商品の販売を既存のプラットフォーム上でおこなうため、イチからECサイトを構築する手間がかかりません。また、あまり有名でないショップやブランドでも、知名度のあるECモールに出品や出店をすると、高い集客効果が見込めるでしょう。

自社ECサイトとの違い

自社ECサイトは、複数のショップが集まるECモールとは違い、企業が独自に構築したWebサイトです。自社で構築したプラットフォーム上で取引をおこなうため、出店や販売に際して手数料がかからず、運用体制に合わせて自由なサイト構築ができます。
一方、独自ドメインの取得やサーバーの用意をはじめ、ECサイトの立ち上げまでには手間がかかります。構築後も運用中の保守や管理が必要となるため、リソースが不足している企業にとっては厳しいでしょう。
また、有名なECモールに比べると集客力が弱いため、ブランド力のない企業の場合は、積極的な広告戦略やSEO施策が必須です。

ECモールの種類

ECモールの種類
ECモールは、主に3つの種類に分けられます。それぞれ出品方法や特徴が異なるため、ECモールの利用を検討している方は違いをおさえておくべきです。
以下では、各ECモールの種類や特徴について解説します。

マーケットプレイス型ECモール

マーケットプレイスとは「市場」を意味しています。マーケットプレイス型のECモールは、モール内に本格的なショップページを作成して販売するのではなく、かんたんな出品者情報のみを登録してプラットフォーマーに販売を委託するイメージです。
初期設定に時間がかからず、手軽にEC販売をはじめてみたい方に向いています。マーケットプレイス型ECモールの代表例は、世界的に有名なECモールのAmazonです。

テナント型ECモール

テナント型ECモールは、モール内に本格的なショップページを作成して、商品を販売できるプラットフォームです。テナント型ECモールの代表例には、楽天市場やYahoo!ショッピングがあります。
マーケットプレイス型と比較すると運営開始に多少の時間や手間がかかりますが、デザインや機能の面で融通がきくため、自社店舗の特徴は出しやすいといえるでしょう。

統合管理型ECモール

統合管理型ECモールとは、複数の自社ブランドを統合してECモール化したプラットフォームです。
アパレルなどの分野においては、一つのメーカーがターゲットや雰囲気によってブランドを分けるケースがあります。しかし、それぞれ個別のECサイトを運用していると管理が煩雑になるほか、相互に顧客を回遊させづらいデメリットがあります。

一方、ECサイトを一つにまとめてモール化すると、デメリットを解消できるうえ、サイトデザインに統一感をもたせ、競合他社と差別化を図ることが可能です。
大規模なモールの構築には工数や時間がかかるため、運営開始までのハードルは高くなりますが、商品在庫や顧客データの管理を一元化できるなどのメリットもあります。

ECモールのメリット

ECモールのメリット
ECモールには手軽さや集客力の高さをはじめ、さまざまなメリットがあります。自社ECとは異なるメリットがあるため、すでにECサイトを運用している企業においても、導入の価値があるでしょう。
以下では、ECモールのメリットについて解説します。

かんたんに構築できる

ECモールは、既存のプラットフォームを利用するため、手軽にショップ運営をはじめられる点が大きなメリットです。イチからECサイトを構築するには時間や手間がかかるだけでなく、人材を確保する必要もあります。
一方、ECモールを利用すれば、手間を削減して早く事業を開始できるうえ、ほかの作業に人員を割くことも可能です。

集客力が高い

Amazonや楽天市場をはじめ、大手ECモールは多くの既存ユーザーをかかえています。独自のキャンペーンやポイントプログラムなどもあるため、中にはロイヤリティの高いユーザーも一定数いるはずです。
そのため、ECモールにおいては、知名度の低いブランドが売上をあげるケースも少なくありません。自社のブランド力のみで集客するのが難しい場合は、自社ECよりもECモールの方が適しているでしょう。

コンバージョン率が高い

ECモールを利用するユーザーの多くは、日常的にECモールを利用しています。つまり、モールに対して一定の信頼があり、ロイヤリティも高いユーザーです。そのため、ECモールは一般的な自社ECに比べて、コンバージョン率が高い傾向にあります。

サポート体制が充実している

ECモールの多くは、テナントや出品者に手厚いサポートを提供しています。出品や販売についての疑問はもちろん、万が一のトラブルにも対応してもらえるため、EC運営に慣れていない方でも安心です。そのため、トラブルをすべてインハウスで対応しなければいけない自社ECに比べて、業務負担を抑えられる可能性が高いでしょう。

ECモールのデメリット

ECモールのデメリット
ECモールにはメリットがある一方、デメリットも存在します。そのため、メリットとデメリットを理解したうえで導入を検討することが大切です。
以下ではECモールのデメリットについて解説します。

デザインや機能の制限が多い

ECモールに出店する場合、デザインや機能はプラットフォームに依存します。そのため、ブランドイメージを反映したデザインにしたり、独自の機能を追加したりしたい方には向いていません。
また、機能面のカスタマイズがほとんどできない点もデメリットです。

ブランディングや差別化が難しい

ECモールでは、プラットフォームのフォーマットに則ってショップページを作成します。そのため、ブランディングや差別化が難しい点はデメリットです。また、独自のキャンペーンや値引きなども制限の中でやる必要があります。

価格競争になりやすい

ECモールには莫大な数のショップが出店しており、さまざまな商品が販売されています。
中には似ている商品も多く、顧客は複数の商品を比較して購入するため、競合商品よりも高額な商品は売れにくくなってしまいます。結果として価格競争になりやすいといえるでしょう。

【比較用】国内ECモールの流通総額ランキング

【比較用】国内ECモールの流通総額ランキング
ECが広く浸透した現在、業界にはさまざまなECモールが登場しています。それぞれのモールごとに主なユーザー層や特徴が異なるため、出店する際は自社の商材やターゲットに応じて選択することが大切です。
日本国内におけるECモールの流通総額をランキング形式にすると、以下のようになります。

順位 ECモール名 流通総額
1位 楽天市場 3兆9,000億円
2位 Amazon 3兆4,238億円
3位 Yahoo!ショッピング 8,901億円
4位 ZOZOTOWN 3,248億円
5位 auPAYマーケット 1,287億円

流通総額1位は楽天ですが、楽天トラベルやデリバリー、ラクマなど楽天市場以外のほかのサービスも合計した数値です。
2位にAmazonジャパンが続き、こちらは市場のみの総額であるため、ECモール市場でみた実質の流通総額1位はAmazonといっても過言ではないでしょう。
3位がYahoo!ショッピングです。こちらはLOHACOやPayPayモールを含む数値です。1、2位に差をつけられてはいるものの、上位3社が国内ECモール市場では群を抜いている結果となりました。
4位がファッション通販サイト最大手のZOZOTOWN、5位はauPAYマーケットです。

楽天市場

楽天市場は、楽天グループが運営する国内最大級のECモールです。
楽天市場を利用するユーザーのメリットは、還元率の高いポイントプログラムです。通常会員でも1%のポイントが付与されるほか、楽天カードやモバイルアプリの利用、各種キャンペーンへのエントリーをはじめ、さまざまな条件を満たすと付与率が増加します。
貯めたポイントは1ポイント=1円として楽天系列のサービスで利用可能です。楽天トラベルや楽天デリバリーなどの系列サービスが多く、ポイントの使い道が幅広い点も魅力です。

また、楽天は会員数が多いサービスとしても知られています。楽天の会員数は、2020年9月時点で1億1,590万人を突破しており、国内において最大級の会員数を誇ります。
とくに35歳以上の主婦層はポイントに着目する人が多いため、自社のターゲット層とマッチしている場合は、楽天への出店により収益向上が期待できるでしょう。

Amazon

Amazonは、世界最大級のECモールです。手軽に出品できるため、個人の出品者も多く、膨大な数の商品が販売されています。マーケットプレイス型のECモールであるため、店舗情報は気にしないユーザーが多い傾向にあります。
最大の特徴は、Amazonのサービスをより便利に利用できる有料会員システム「Amazonプライム」です。Amazonプライム会員になると、送料無料や翌日配送などを選択できるほか、動画配信サービス「Amazonプライムビデオ」を閲覧できます。
2020年1月時点で、500~850万人のユーザーがAmazonプライムに登録していると予測されています。

また、フルフィルメントサービスを提供している点も魅力的です。出品者はFBA(Fulfillment By Amazon)を利用することで、商品の保管やピッキング、配送手配などを委託できます。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングは、Yahoo!グループが運営するマーケットプレイス型ECモールです。
PayPayモールやZOZOTOWNの子会社化を経て、近年とくに成長しているモールの一つです。楽天市場と同様、ユーザーにとって魅力的なキャンペーンが数多く実施されています。

出品者にとっては、出店にあたって初期費用や月額料金がかからない点が大きなメリットです。楽天市場とAmazonは初期費用が発生するため、スモールスタートしたい方にはYahoo!ショッピングが向いています。
国内トップクラスのユーザー数をかかえるキャッシュレス決済サービス「PayPay」をお得に利用できるため、PayPayユーザーの流入によってさらなる成長が見込まれています。

ZOZOTOWN

ZOZOTOWNは、アパレルに特化したECモールです。プライベートブランド「ZOZO」やサイズ測定スーツ「ZOZOSUIT」をはじめ、革新的な施策で業界内の注目を集めています。
コスメに特化した「ZOZOCOSME」やハイエンドファッションに特化した「ZOZOVILLA」など、サービスの幅を広げており、今後も新たなサービスの登場が期待されています。

auPAYマーケット

auPAYマーケットは、KDDIグループとauコマース&ライフが共同提供するECモールです。auユーザーにお得なキャンペーンを多く実施しており、ポイント還元率が高くなるイベントが特徴的です。auポイントがPontaポイントに置き換わったことが大きな話題として取り上げられました。

まとめ

まとめ
ECモールは、独自サイトの立ち上げに比べ、運営開始までに時間や手間を削減できることが大きなメリットです。プラットフォーム内に既存ユーザーが多い分、集客効果も高く、知名度のないショップでも売上を伸ばせる可能性があります。一方で、差別化の難しさや価格競争の激化をはじめとするデメリットも考慮のうえ、検討すべきです。
今後、EC市場に新規参入企業が増加すると、ますますEC市場は拡大していくと予想されます。新規導入の際には、メリットやデメリット、各プラットフォームの特徴についてよく理解したうえで、自社に最適なECモールを選択しましょう。