2021.03.26

オークションが今熱い! ~ニューノーマル時代における合理的な価値と価格の決定プロセス~

オークションが今熱い! ~ニューノーマル時代における合理的な価値と価格の決定プロセス~

オークション(競り)は誰もが耳にしたことのある言葉だと思います。魚市場や花き市場などの競りやC2C(個人間取引)の有名なネットオークションをまず思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。そのオークションが現在注目されています。
今回はオークションの様々な取引形態の説明を踏まえた上で、なぜ今オークションが注目されているのか、現在の社会情勢も踏まえて、考察したいと思います。

 

オークション(競り)とは


「競売(きょうばい、けいばい、せりうり)あるいは競り(せり)、オークション (auction) とは、販売目的で何らかの場に出された物品を、最も良い購入条件を提示した買い手(入札希望者)に売却するために、各々の買い手が提示できる購入条件を競わせる事である。」※1

オークションの登場人物は、買い手と売り手、運営者(オークショニア)の3者となります。運営者が売り手や買い手を兼ねる場合もあります。またB2C、B2B、C2Cなど個人や企業が参加できる様々なオークションのマーケットプレイス(市場)が存在しています。

オークション取引の一般的に言われているメリットは以下のとおりです。

 

B2Bオークションでは、日本各地にある卸売市場が有名です。また中古自動車や建設機械、ブランド品、PCやスマホといったデジタル機器などを売買するクローズドなB2Bオークションも古くから存在しています。またインターネットの普及により手軽に参加できるネットオークションも広く普及しています。特にこれまでの会場型オークションでは、参入障壁の高かった個人がネット経由で気軽に安全に取引参入できるようになったことは、皆が知るところです。

参加者間での情報共有や価格決定のプロセスなどにより以下のようなオークションの種類があります。

・シングルオークション:価格提示が売り手から、もしくは買い手から行われる一方通行のオークション
・ダブルオークション:価格提示が売り手、買い手双方から行われるオークション

皆さんが一般的にオークションで思い浮かべる形態は、シングルオークションの方です。

ダブルオークションは、双方から価格が提示され、価格合致すると取引が成立する取引形態です。証券取引や為替取引、最近メディアで取り上げられているビットコインなどの暗号資産取引などがこの取引形態に該当します。

ここまで読まれた方は、お気づきかもしれませんが、ダブルオークションは、マッチング取引とも言い換えることが可能です。双方の価格決定のプロセスがお互いの歩み寄りによるからです。

尚、本メディアサイトで今回オークションをテーマとして取り上げているのは、ネットオークションはEC(電子商取引)の一つの形態であるからです。

 

 

公開入札と封印入札


ここまでオークションの形態について述べてきました。皆さんに馴染みのあるシングルオークションについて、もう少し掘り下げて、説明したいと思います。

シングルオークションは、公開入札と封印入札と大きく分けて2つの方式があります。公開入札は名前の通り、価格が公開されるという入札方式となります。この方式では、入札価格が公開(オープン)されるということが特徴です。買い手(入札希望者)が相互の入札価格を知ることができることで、競り上げ(イングリッシュオークション)や競り下げ(ダッチオークション)といったオークションが行われています。

競り上げは、買い手が価格を釣り上げながら、最高入札価格を提示した買い手が落札する方式です。例えばブランド物の時計は、セカンダリー(中古流通、リユース)マーケットでも高額で取引されています。メーカーや販売者が価格を決める新品の商品とは違い、価格が商品そのものの価値と需要に応じて決まる商材では、オークションの競り上げ方式がマッチしています。

競り下げは、売り手が決めた価格から、買い手の入札価格が下がっていく方式です。鮮度が求められる、日持ちしない商品をオークションで売り切るような取引で利用されています。例えば花き(フラワー)取引で採用されている方式です。余談ですが、競り下げ方式がダッチオークションと呼ばれているのは、オランダのチューリップ取引ではじめて考案された方式のオークションだからと言われています。

競り上げ、競り下げ、どちらも売り手、買い手のニーズによって採用されている方式で、オークション取引の歴史や奥深さを垣間見ることができると思います。

 

今なぜオークションなのか


現在、EC News編集部が所属している弊社に多くのオークションサイト構築のお問い合わせを頂いております。

 

 

これは偏にコロナ禍の中で、行動・購買様式が変容しており、一つの解として、ネットオークションによるマーケットプレイス(市場)の提供を検討されていると推測しています。

※「コロナ禍で再注目!なぜいま「D2C」が必要なのか」2020.06.26記事参照

 

今までの取引チャネルも含めたビジネスモデルを再考し、新規にECに参入するという取り組み。更にオークション方式を採用することで、売り手側は、売れなくなった商品をより高く売りたい(競り上げ)、もしくは売り切りたい(競り下げ)というニーズ多くなっているとも考えられます。

買い手の立場としても、より安く買いたいというニーズは高いでしょうから、先行き不透明な世の中で、極めて経済合理性の高い取引形態であると思います。

 

またエシカル消費の観点で、オークションという取引形態が求められているとも考えられます。先にも述べた通り、売り手は商品を無駄にしないという観点で競り下げ方式のオークションを採用し、在庫廃棄を防ぐ。買い手は、必要なときに妥当な価格で質の高い商品を購入(仕入れ)する。買い手・売り手の需給バランスの最適化を図り、大量生産、大量消費という社会的な課題の解決につながる取り組みが求められている。そのことがオークションへの関心につながっているのではないかと思います。

次回はネットオークションにフォーカスして、インターネットにおけるサービスインフラすなわちマーケットプレイス(ネット上での市場)構築や運営についての考察を述べたいと思います。

※1 引用・参考文献:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「競売」
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    EC News編集部

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