2021.04.26

AIで最適化するECサイト内検索の新潮流(1) 売上鈍化はサイト内検索が原因?

AIで最適化するECサイト内検索の新潮流(1) 売上鈍化はサイト内検索が原因?

AIで最適化するECサイト内検索の新潮流

自社ECサイトの「検索結果ページ経由売上」を把握していますか(以下、検索経由売上)。検索経由売上をみれば、ECサイトの検索品質、お客様満足度を推定することができます。特に取扱商品数が多ければ多いほど、その傾向が顕著に表れてきます。

では、検索経由売上が全体の売上に占める比率は、どれくらいが理想的なのでしょうか。

あるECサイトでは、サイト内検索を刷新するまでは検索結果経由売上が15%でした。そこでサイト内検索を入れ替えたところ、検索経由売上が30%へと倍増。全体売上も大幅に向上しました。さらにサイト内検索結果ページをランディングにしたリスティング広告を開始したことにより、現在の検索経由売上は全体売上の40%に達しています。

グラフ1-01

サイト内検索はECサイト売上の生命線

ひとくくりにECサイトといっても、数商品のみ販売するサイトから、数百万商品を取り扱うサイトまであります。

取扱商品数が少ないECサイトでは、サイトトップページや、特定商品ページにダイレクトにお客様を案内する広告・集客施策が基本となります。

取扱商品数が1,000商品を超えてくるとダイレクト広告・集客施策は限界に達し、お客様自身がキーワードやカテゴリで商品を探すサイト内検索が重要になってきます。

お客様にとっては、検索結果を見るまで欲しい商品が存在するのか、販売中なのかがわかりません。検索で商品を探しにくい、見つからない場合は、「商品は存在しないもの」と諦め、離脱してしまいます。サイト内検索は、多商品ECサイトの売上の生命線を握ると言っても過言ではありません。お客様満足度にも大いに影響します。

売上鈍化は旧時代的サイト内検索が原因

冒頭で紹介した事例のECサイトは、取扱商品数が15,000で、検索経由売上は15%でした。売上アップ施策は、楽天・Amazonなどのモール経由か、Googleショッピング広告・SNS経由などの外部広告から商品ページ・特集ページにダイレクトに誘導・コンバージョンさせるパターンでした。そのため、売上構成は特定の商品に偏っていたのです。

それでも自社ECサイトを立ち上げた当初は商品数を増やせば増やすほど売上も伸びていったのですが、年商1億円を超えた頃から売上が伸び悩みはじめました。商品数の伸びに比べて売上の伸びが鈍化していました。

グラフ1-02

運用コストも増えていました。新着商品の追加のたびに検索でヒットしないという問題が発生。検索にヒットさせるための表記ゆれ・同義語対応はスタッフにとって大きな負担でした。

検索結果ページの商品掲載順位の手動調整もうまくいきません。あるキーワードの検索結果を改善すると、別のキーワードの検索結果が悪化しました。

商品数が増えたことで検索処理が重くなり、検索速度が低下していました。

商品ページへの広告費も増えていき、このままでは取扱商品数・ジャンルの拡大が難しいと感じていらっしゃいました。さらに広告を増やすべきか、取扱商品数を減らすべきかどうかをお悩みでした。

ECサイト運営者様のお悩み

  • 検索結果が遅い・重い
  • 検索意図と検索結果がマッチしない
  • 絞り込み機能が貧弱
  • 手動運用が高負荷・運用コスト増の要因
  • 検索経由売上が鈍化
  • 離脱率が高止まり

その頃に弊社にお声がけいただきました。

調べてみると、前述のとおり、商品数の割に検索経由売上は全体売上の15%でした。伺うと、検索エンジンはECパッケージに付属のものをサイト立ち上げ時からそのまま利用していました。

一般的にECパッケージ・カートASP(クラウドEC)に付属の検索エンジンは、旧時代的なアルゴリズムを利用しています。機能は基本的なものだけで、なかには絞り込み機能がついていないこともあります。

目下の売上のための広告施策も、一時的な効果しかありません。そこで「AI型サイト内検索に変更することから改善してみませんか」とご提案しました。

ECパッケージはそのまま。サイト内検索エンジンだけ入れ替える

この事例の企業では、検索以外のECパッケージの機能・サービスについては満足されていました。そのため、ECパッケージはそのまま継続利用し、サイト内検索だけを変更することにしました。採用したのは、AIを搭載したサイト内検索です。

その結果、抱えていた課題が一挙に解決できました。

  • 検索結果が遅い・重い        → 高速な応答
  • 検索意図に合う商品がマッチしない  → 欲しい商品が見つかる検索
  • 絞り込み機能が貧弱         → 高度な絞り込み機能で探しやすさ改善
  • 手動運用が高負荷・運用コスト増   → 運用から開放・運用コスト削減
  • 検索経由売上が鈍化         → 検索経由売上が増える
  • 離脱率が高い            → 離脱率低下・定着率向上

AI型サイト内検索を変更したその日から効果は如実に現れました。

検索が使いやすくなったことで、お客様満足度が向上。使いやすいサイトという認知が徐々に高まり、LTVが増えていきました。再訪問率も上がりました。安心して取扱商品・ジャンルを増やしていける体制が整ったことにより、新商品・新ジャンルの追加の意思決定がしやすくなったという効果も出ています。

貴社ECサイトの検索経由売上割合は?

もし現在の検索経由売上が20%を切っているようなら要注意です。お客様満足度は低く、せっかくの販売機会を逃している可能性があります。

とはいえ、なぜAI型サイト内検索が有効なのでしょうか。そこで次回は、旧来のサイト内検索と、AIを搭載した次世代のサイト内検索の違いについてご説明します。

第2回 AIで最適化するECサイト内検索の新潮流(2) サイト内検索はテキスト検索からAI検索へ

第3回 AIで最適化するECサイト内検索の新潮流(3) 検索サジェストもAIの時代

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    ユニバーサルナレッジ株式会社 取締役 前川 英之 

    2004年からヤフー株式会社とバイドゥ株式会社でウェブ検索、バーティカル検索の開発に携わる。特に検索ログによる検索品質評価・改善、新機能開発に従事。2011年ユニバーサルナレッジ株式会社を共同設立。

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    EC News編集部

    2019年にスタートしたEC特化メディア。昨今のECシステムの様々な情報を発信します!