• 最終更新日: 2021.10.22
  • 公開日:2021.10.22

レコメンドエンジンとは?ECサイト利用者の満足度を上げ、購買率を引き上げる仕組みについて

レコメンドエンジンとは?ECサイト利用者の満足度を上げ、購買率を引き上げる仕組みについて
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レコメンドとはいわゆる「おすすめ」の表示のことであり、サイトユーザーの利便性を高めるための仕組みです。

普段ネットショッピングなどをしている際に無意識のうちに利用されている方も多いかもしれません。

通常自社が運営しているECサイトでレコメンドを実現する際には、「レコメンドエンジン」のサービスを活用して導入します。

本記事ではレコメンドエンジンの機能と導入した場合のメリットについて説明していきます。

レコメンドエンジンとは

レコメンドエンジンとは、ある一定のルールに従って、サイト利用者の好みにあった商品・サービス・コンテンツなどを表示するシステムです。

ECサイトだけでなく、ニュースサイト、ポータルサイトなどでも幅広く利用されています。例えばECサイトであれば、利用者が閲覧していた商品に関連する商品を一緒に表示することで、ついで買いを誘発させ、売上につなげることができます。

ニュースサイト、ポータルサイトでは、関連記事を表示させて、サイト全体のPV増につなげることができます。

レコメンドエンジンの種類について

レコメンドエンジンには以下のような種類があり、自社に必要なレコメンドを実現できるか、を見極めたうえで導入が必要となります。

ルールベース

あらかじめ設定したルールに従って、お客様が見ている商品に対して、「関連商品」「こちらもおすすめ」といった形で類似度の高い商品や売れ筋の商品を表示します。EC事業者側が特に売りたい商品をピンポイントに設定したい場合に有効です。ただお客様の嗜好とずれがあると逆に売れにくくなるため、注意が必要です。お客様の行動履歴の蓄積がなくてもすぐに使えるレコメンドです。

コンテンツベースフィルタリング

商品名や商品カテゴリ、商品説明文などの商品属性に基づいて、類似した商品を表示します。ブランド名を軸とすれば、あるブランドの商品を買ったユーザーに同じブランドの別商品を表示する、商品種別を軸とした場合は、スニーカーを買ったユーザーに別ブランドのスニーカーを表示する、などが例となります。こちらも行動履歴の蓄積がなくてもすぐに利用可能なレコメンドです。

協調フィルタリング

お客様の行動履歴(閲覧履歴、購買履歴など)を分析し、行動が似ている他のユーザーの情報を元におすすめを表示します。どの情報を優先するかで表示が変わります。

「アイテム情報」を優先した場合、野球のグローブを購入したユーザーに野球ボールをおすすめする、など一緒に購入される頻度が高い商品を表示します。

「行動履歴」を優先した場合、行動履歴が似ているAとBというユーザーがいた場合、Aが購入済みでBがまだ買っていない商品があれば表示します。

ハイブリッド

上記の方式を組み合わせておすすめを表示します。例えば、お客様の行動履歴の蓄積が少ないうちは、コンテンツベースでおすすめを表示し、行動履歴が蓄積されたあとは、履歴を元に分析した結果をかけ合わせて表示します。それぞれのレコメンドのデメリットを解消した方式となります。

AIを活用したレコメンドについて

上記で説明したレコメンドの種類のうち、「コンテンツベースフィルタリング」「協調フィルタリング」「ハイブリッド」はAIを活用したレコメンドです。

AIでレコメンドを運用するメリットは効率化にあります。

大量に商品がある場合、ルールベースで一つ一つ人力で設定していくと、とてつもなく時間がかかります。AIを活用すればユーザーの行動履歴をスピーディにレコメンドに反映することができます。また人力では偏ってしまいがちなレコメンドの結果も、意外な組み合わせや新たな気付きを与えるものとして提供できる可能性があります。

レコメンドエンジンの機能について

レコメンドエンジンには一般的に下記のような機能が搭載されていることが多いです。

レコメンド機能

レコメンド機能はレコメンドエンジンの核となる機能で、上記で説明したいくつかの方式で、ユーザーが閲覧している商品に対して関連する商品を表示します。

データベース機能

ユーザーの行動履歴などを蓄積し、分析することで、お客様の興味事項、嗜好を把握し、レコメンドの表示に反映します。蓄積するデータの例としては、「アイテム情報」「ユーザー情報」「行動履歴」などです。

ランキング機能

閲覧が多い商品や売れ筋の商品をランキングとして表示する機能です。人気のある商品をまとめて表示することで購入につなげることができます。

レポート機能

レコメンド表示した結果、購入に至ったのかを計測してレポートする機能です。この機能を活用して、購入に至ったケースと至らなかったケースを比較し、サイト改善に役立てることができます。

レコメンド導入のメリット

ここまではレコメンドエンジンの機能について紹介してきましたが、ここからは導入によるメリットについて説明します。

商品の購買率や購入金額が上がり、売上向上につながる

お客様の行動履歴に則って、関連する商品を表示することで、同時購買率を上げ、売上金額の向上が見込めます。マーケティング用語では、閲覧している商品と合わせて買うことの多い商品を紹介し、ついで買いを促すことを「クロスセル」、閲覧している商品の上位のものを紹介し、引き上げを行うことを「アップセル」といいます。

サイトの利便性が上がり、お客様のロイヤリティーが向上する

それぞれのお客様の好みにあった商品の紹介や、求めている情報を適切に提供ができれば、サイトに対する信頼度が上がり、リピーターの獲得に繋がります。特にECサイトではリピーターの獲得が売上拡大に必須です。

まとめ

レコメンドは売上拡大には有効な手段ですが、導入すればすぐに売上が上がるといったものではありません。

導入の目的を明確にして、費用や機能などを比較したうえで自社に最適なツールを選定することが大切です。

また導入した後も運用していく上で商品情報の連携などいくつかの作業が発生するため、ECのプラットフォームとの連携が可能か、あまり工数をかけずに自動化できるか、なども検討が必要です。

うまく活用できれば、長期的にサイトの利便性を高め、ファンを増やすためには非常に有効な手段なので、この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

レコメンドの製品についてはこちらでも詳しくご紹介しております。

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